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退職金を受け取ったとき、確定申告は必要? ~独立前に知っておきたい基礎知識

2018年4月23日

退職金を受け取ったとき、確定申告は必要? ~独立前に知っておきたい基礎知識

これから独立開業する方に向けて、税金面で気を付けることについてプライムファイナンシャルパートナーズ会計事務所の菅 彰裕さんにお話を伺いました。菅さんは世界4大国際会計事務所のメンバーファームの1つであるPwC税理士法人を経て独立開業された税理士さんです。非上場企業から上場企業まで、幅広いクライアントの業務を担っている菅さんだからこそ知りうる税金の話をたっぷりお伝えします!

今回は、独立前に知っておきたい退職金についてご紹介します。

退職金を受け取ったとき、確定申告は必要?

会社を辞めるとき、退職金を受け取る方もいらっしゃると思います。まとまったお金が入るのは嬉しいですが、会社を辞めて独立開業する人にとって気になるのは確定申告なのではないでしょうか。

退職金とは、退職時に会社から受ける退職手当などの所得のことで、社会保険制度に基づいて支給される一時金や、適格退職年金契約に基づいて生命保険会社や信託会社から受けとる退職一時金なども含まれます。

退職金は、所得税・復興特別所得税・住民税を源泉徴収もしくは特別徴収した額が支払われます。しかし、退職所得控除があったり、分離課税されたりするなど、税負担が軽くなるような仕組みになっています。

ちなみに分離課税とは、他の所得とは分離して税額を計算して確定申告によって納税する課税方式のことで、退職金の課税額は以下の方法で算出することができます。

1.退職金の額から、退職所得控除額を差し引いた額に、0.5を掛ける。(課税退職所得金額)

2.課税退職所得金額に所得税の税率を掛け、控除額を差し引く。(基準所得税額)

3.基準所得税額と、それに2.1%を掛けて足し合わせた金額が、所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額。

なお、退職所得控除は勤続年数が20年超もしくは以下で計算式が異なります。

・勤続20年以下の場合…40万円×勤続年数
・勤続20年超の場合 …800万円+70万円×(勤続年数-20年)

では、肝心の確定申告が必要か否かですが、「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支払者に提出している方は原則として確定申告をする必要はありません。

一方、申告書の提出がない人は確定申告をしなければなりません。その場合、退職手当等の支払金額の規定の20.42%が一律源泉徴収されます。

確定申告で迷ったら税務署を活用

確定申告を初めてするとき、書籍を購入したりネットで調べたりする人も多いのではないでしょうか。しかし、確定申告に関する本やネット記事は多く、そもそもどこから情報を得たらいいか迷いますよね。

その時におすすめなのは、税務署を活用することです。意外と知られていませんが、税務署は確定申告に関する相談に電話で乗ってくれるんです。

確定申告期間は混み合ってしまうので、分からないことがあれば年が明ける前など早い段階で相談してみましょう。もし申告書の書き方が分からない場合は、持ち込めば教えてくれます。

とはいえ、より税金に関する情報を詳細に知りたいという場合は税理士など専門家に依頼するのがベターです。
いずれにせよ、独立開業を控えている人は退職前に税金周りの知識を身につけることで日々の会計処理や確定申告などをスムーズに行えるようにしましょう。
独立1年目は売り上げをたて、利益を出すことが何より重要です。そのために今から準備しておくのが良いかもしれませんね。

PLOFILE
プロフィール写真

プライムファイナンシャルパートナーズ株式会社
税理士 菅 彰裕

世界最大級のPwCグローバルネットワークのメンバーファームであるPwC税理士法人より独立開業。非上場企業、上場企業、日本居住者、非居住者と幅広いクライアントの業務を担当する。
業務内容は、オーナー企業の事業承継対策の検討、組織再編によるグループ会社の整理、事業承継のための株価対策、国内および国外のIPO支援、国内買収案件における税務デューデリジェンス、非居住者の国内投資にかかる税務コンサルティング、その他執筆サポートなど。

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安田祐輔さん(35歳)

キズキグループ/東京都渋谷区
DVや一家離散、発達障害によるいじめを経験。偏差値30からICUに合格、大手商社への就職を果たすも4カ月で退職、引きこもり生活。2011年、不登校や中退などでブランクのある人のための「キズキ共育塾」を開塾。生活困窮者の支援や、うつや発達障害で悩む人の就労支援も行う。
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