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脱サラをして個人事業主になると厚生年金がもらえないって本当?

脱サラをして個人事業主になると厚生年金がもらえないって本当?

脱サラをして個人事業を始めようとする方には、さまざまな準備が必要です。

起業分野を決め、ビジネスの計画をしたり、許認可や届け出の方法を調べたり、集客のためのマーケティングの勉強をしたり。

いざ、「退職」という現実な瞬間になると、健康保険や年金の一旦複雑にも見える手続きとも直面します。

ここでは、脱サラ後に気を付けたい厚生年金について解説します。

脱サラをして個人事業主になると厚生年金がもらえないのか

会社を退職したら、会社の社会保険からも離脱することになります。

個人事業主になると決めたら、それに対応する社会保険システムに入らないといけません。

健康保険は国民健康保険、年金は国民年金です。

「会社で厚生年金に入っていましたが、それはどうなるの?」「定年後もう厚生年金がもらえないの?」

と不安に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

次の章から詳しく解説していきます。

厚生年金を1年以上払っていれば「特別支給の老齢厚生年金」がもらえる

定年後にもらう月々の厚生年金を正確には老齢厚生年金と言います。

老齢厚生年金は、給与所得者が老齢で働けなくなった時の生活維持のために設けられたものです。

厚生年金適用の会社で1ヶ月以上働き、厚生年金の保険料を支払っていれば、老齢厚生年金がもらえます。

ただし、加入した期間、支払った保険料によってもらえる金額も異なります。

月々の受給額で言えば、数千円から十数万円までの範囲です。

その年金を、何歳からもらい始められるかも重要なポイントです。

昭和60年に法律が変わり、厚生年金をもらい始める年齢が60歳から65歳に引き上げられました。

また、法律の改正に伴い、「特別支給の老齢厚生年金」という制度が設けられました。

これは、一定の条件を満たせば、60歳からでも厚生年金をもらえるという制度です。

その条件とは以下のようなものです。

- 男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれであること
- 女性の場合、昭和41年4月1日以前に生まれであること
- 国民年金及び厚生年金に合算して10年以上加入していることこと
- 厚生年金保険に1年以上加入していること

厚生年金と国民年金の違い

「厚生年金に入っていなくて、国民年金だけでもらえる年金は少なすぎるのではないか?」

と、老後のことについて不安を抱える方もいらっしゃいます。

厚生年金と国民年金の違いについてご説明した上で、その解決策について述べたいと思います。

厚生年金も国民年金も、国が主体で運営している公的年金です。

公的年金は、国の社会保障制度の重要な部分です。

公的年金は、「すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」としている日本国憲法の第25条第2項に基づいて作られ、運営されています。

また、日本の年金制度は二階建て年金と呼ばれています。

二階建ての一階が「国民年金」です。

公的年金制度の基礎の部分です。

「日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人」が加入を義務付けられています。

対象者が多く、また定職や収入の有無や職種も問わないため、保険料が最低限に設定されています。

国民年金の毎月の保険料は2018年度3月現在では16,340円です。

まとめて前払いすると、わずかですが、割引も適用されます。

次に、二階建ての二階が「厚生年金」です。

基礎の部分である国民年金に上乗せされます。

厚生年金に加入するのは、「厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人」です。

会社に勤めている方の毎月の給料から天引きされているのは、この厚生年金の保険料です。

雇用主と従業員が折半で、半分ずつ払っています。

保険料は、(月額報酬×保険料率)の式で計算します。

2018年3月現在の保険料率は15.90%です。

例えば、月収32万円の場合、保険料は50,880円で、従業員が負担するのはその半分の25,440円です。

厚生年金の保険料を払う人は、別途国民年金の保険料を払いません。

なぜなら、基礎の部分である国民年金の保険料が厚生年金の保険料に含まれているからです。

65歳からもらい始める年金は、一階の部分は老齢基礎年金、二階の部分は老齢厚生年金です。

個人事業主は厚生年金に加入できませんが、二階の部分として特別に設けられているシステムとして「国民年金基金」が存在します。

将来のことが不安な場合、上乗せ対策として国民年金基金に任意で加入できます。

ただし、個人事業を始めた際は初期の収入が全くない、または限られている場合が多く、現金がとても大切です。

そんなときは、高額の厚生年金保険料を支払わず、最低限の国民年金の保険料で乗り越え、収入がある程度見込めるようになってから任意の国民年金基金に加入すると良いでしょう。

また、さらにもらえる金額を上乗せしたい場合、 iDeCoのような個人型確定拠出年金のご検討もお勧めします。

再び厚生年金に入りたい場合、個人事業を法人に変え、定額の役員報酬がもらえるようにしましょう。

まとめ

脱サラして個人事業を始める際に厚生年金について不安を感じることがありますが、制度の中身を理解し、厚生年金の代替となるものに加入すれば、老後に対する心配を解消しながらより楽しく自分の仕事に集中できます。

地元の社会保険事務所や専門家に相談しながら、自分のライフプランに一番適した方法を選びましょう。

PROFILE

経営コンサルタント バシャラ セルダル

トルコ・イスタンブールのボアジチ大学にてエンジニアリングを専攻し、トルコホンダ工場の立ち上げに携わる。
その後、来日し国際大学にて MBA を取得。ゴールドマンサックス、ほかの企業での勤務後、外資系転職コンサルタント・経営コンサルタントとして独立。
幅広いジャンルにてビジネス拡大のコンサルティングを行っている。

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