働き方やライフスタイルのヒントをお届けするポッドキャスト番組『安居楽業 ライフとワークを整える』。前回に引き続き、ゲストはアイドルグループ「煌めき☆アンフォレント」のメンバーであり、実業家としても活躍する鈴木Mob.さんです。
後編では、大きな夢が叶わなかった時期の挫折や、そこから支えてくれた趣味・ゲーム・猫との暮らしなど、Mob.さんの“心の回復”に深く関わるエピソードを伺いました。
明るく奔放に見えて、その裏にはしなやかな強さとユニークな人生哲学がありました。生き方や仕事に迷ったときのヒントが詰まった、Mob.さんの魅力あふれる後編です。
「風呂キャンセル」「お尻に広告」ができたのは”アイドルとしてこうあるべき”がなかったから|安居楽業〜鈴木Mob.さん(前編)
否定されても笑って進むー折れない心のつくり方

西川あやの:
心穏やかではないかもしれないって、先週は伺いましたけれども……いやでも本当にすごいですね、全部やっちゃうところが。面白いことをご自身で追求してるっておっしゃっていましたけど、やっぱり色々なことを発信すると、色々な意見が来ると思うんですよ。もちろん“風呂キャンセル界隈”のことも、あれだけ地上波のテレビ番組にも出たりすると、色々な意見が来ると思うんですけど、他人の意見で病んじゃうこととか、落ち込んじゃったりすることってないんですか?
鈴木Mob.:
はい。昔はあったんですけど、今は“鈴木Mob.”のスタンスとして、私が風呂キャンセルとかマイノリティな発言をすることによって、叩かれるのを見て勇気が出る人がいるんですよ。というのも私、今年の3月に日本武道館でワンマンライブをしたんですけど、5年間ずっと「武道館でライブしたい」って言い続けてライブをやっていたんですけど、それに対して「いや、できないだろ」という意見の方が9割ぐらいいて。でも1割が「できる」と本当に信じてくれて、今年の3月に実現できたんですよ。
その姿を見て、「Mob.ちゃんが困難に立ち向かっていく姿を見て、すごく勇気が出て自分も頑張ろうと思った」「夢を追うことは恥ずかしいと思っていたけど、みんなが否定することも頑張っていいんだ」といった言葉を結構もらうようになってから、私が逆に、“みんなが言う『いい』じゃないもの”をやって体現していくことが、誰かの救いになるんじゃないかなと思い始めたんです。
なので、反対意見が来ても、たとえば他人の夢を否定している人だったら「叶わなかった夢がある人かもしれないな」とか、否定してくる人のバックボーンを考えると、そういう言葉を受けても特にへこまなくなりました。
西川:
そういうメンタル、考え方ができるようになったのは、どれぐらいのときですか。
鈴木:
ちょうど「にっぽんワチャチャ」をやっていた頃だから、最近なんですけど。私、小学生とか中学生のとき、実はアニメ好きなので声優になりたかったんですよ。ですけど、親とか色々な人から「いや、声優は無理だよ」「とんでもない競争社会だから、今から全力でその人生歩むの?」って言われたときに、“無理だな”と思って。そのとき、何の努力もしてなかったんですよ。
そのまま気付いたら大学生になって、「就職するか」となっていた時期にちょうどアイドルになって、日本武道館に行くっていう大きな夢を追いかけられるようになった。そこで、他人の意見で夢を諦めた自分を振り返って、「あのときにもし諦めていなかったら、声優になれていたかもしれないな」と思って。そういう状況にいる人がいるんだったら、応援したいなと思ったのがきっかけです。
西川:
色々なことを発信される中で、どういう意見が多いですか。もちろん、「今まで言いたくなかったことをカミングアウトするきっかけになりました」という方がいるとはお聞きしたんですけど、「勇気をもらいました」とか、そういう意見も来るんですか? やっぱり。
鈴木:
結構来ますね。たとえば私の女性ファンで、ファッションデザインで結構いい成績を残しているんだけど、独立するかどうかすごく悩んでいる人がいて。「Mob.ちゃんが独立したから、私も独立する」と言って、実際に独立して頑張っている方もいます。挑戦するときに「失敗したらどうしよう」って考える方が多いと思うんですよ。
西川:
そうですよ。みんな、そうなんですよ。
鈴木:
だけど、“失敗して笑ってるMob.ちゃん”を見ていると、「挑戦してみる方が楽しそうだからやるよ」と言ってくれる人が、どんどん増えていますね。
西川:
これからも、色々なことをやり続ける。言い続ける。
鈴木:
失敗してもいいから、やり続けることで世の中に影響を与えられるんじゃないかなと思ってやっています。
西川:
頭でばかり考えちゃって、自分でブレーキをかけちゃうんですよね。
鈴木:
そうですよね。
スト6→モブサイコ→猫。Mob.の元気チャージのルーティン

西川:
色々と体現されているわけですけど、ここからは後半ということで、プライベートのお話も伺いたいんですけれども……お話を聞いているだけでも、お忙しそうですよね。
鈴木:
忙しいです。
西川:
アイドル活動もされていますよね。今の時期なんて、アイドルはめちゃくちゃ忙しいじゃないですか。
鈴木:
週4、5ぐらいでライブがあります。
西川:
どんな生活なんですか? 1週間とか1日とか。
鈴木:
私、プライベートと仕事をあまり分けていなくて。電車に乗っている時間に作業したり、スキマ時間に作業したりするタイプなので、もう“忙しい”“忙しくない”とか、あんまりないかもしれないですね。ずっと何かしているので。
西川:
もともとアニメやゲームが好きで、ストリートファイター6がお好きなんですよね。そんな中で、なぜストリートファイター6が“一番の趣味”になるんですか?
鈴木:
私、実は“頑張れない時期”があって。日本武道館に行けなかった時期があったんですよ。挫折したというか、その時期は本当に力が入らなくて、やる気もなくて、食べること以外の楽しみがなくなっちゃって。ライブも“やる気がない”みたいな時期に、ストリートファイター6と出会ったんです。
ストリートファイター6って、色々な企業さんとコラボしていたり、ゲーム以外でも楽しいコンテンツがいっぱいあるんですよね。ゲーム自体もめっちゃ楽しいし、めっちゃ売れてる作品なのに、今もマクドナルドとコラボしたり、雑誌とコラボしたり、グミとコラボしたり……こんなに楽しませてくれるコンテンツは初めて見たなと思って。作品自体の柔軟さにすごく元気をもらったんです。
たとえばゲームなら、ゲームの面白さだけを追求するじゃないですか。でもスト6は“楽しければいいじゃん”という感じで色々なコラボをしていて、その姿勢にめっちゃ勇気づけられて。そこから大好きな作品になりました。
西川:
重なりますもんね。
鈴木:
そうなんですよ。それをきっかけにまた頑張れるようになって、今ここにいるので……命の恩人やと思ってます。恩作?
西川:
もはや趣味の域を超えてますよ。アニメ鑑賞やゲームをする時間は、今も取れていますか?
鈴木:
そうですね。減る時期もありますけど、仕事で疲れたときやうまくいかなかったときは、アニメを観たりゲームをしたりして切り替える感じですね。
西川:
今、好きなアニメは何ですか?
鈴木:
私はずっと『モブサイコ100』が好きなんです。
西川:
観なきゃ。ちなみにこれはいつ頃の作品なんですか?
鈴木:
10年前くらいの作品なんですけど、今ちょうど『モブサイコ100』の作者・ONE先生の別作品『ワンパンマン』が掲載されていて。『ワンパンマン』は有名ですよね。
西川:
ジャンプのネットのやつですよね。
鈴木:
そうです。ネットでも掲載されていて、本誌では村田先生という方が作画担当で連載されています。それもちょうど今やっているので、ぜひ観てください。
西川:
『ワンパンマン』と『モブサイコ100』をチェックすれば、もぶぴさんの頭の中が少しわかるということですけど……他の趣味や癒しはどういうものがありますか?
鈴木:
私は猫ですね。
西川:
本当に可愛い猫ちゃんを、いつも動画に出してくれてありがとうございます。
鈴木:
こちらこそありがとうございます。なんぼでも送ります。
西川:
猫ちゃんはどういうきっかけで飼うようになったんですか?
鈴木:
猫もスト6と同じで……アイドルを続けなくちゃいけない、夢を追いかけなくちゃいけない。でも、そのままでは生きていけなくなっちゃったんですよ。挫折しすぎて。で、“生きる支えがないとダメだな”と思ったときに、気づいたら猫を飼っていて。
3ヶ月のサイベリアンちゃんを飼って、自分の心が折れて、本当に「仕事も生きるのもしんどい」ってなったときに、「そうだ、この子を生かすために頑張ろう」という“言い訳”のために飼ったんですよね。それが気づいたら宝物になっていて、本当に大切な存在です。
西川:
確かに、自分のためだけだと突き詰めるのがしんどくなる時期もありますよね。最初はそういうきっかけだったんですね。
鈴木:
そうです。
西川:
それが今では、色々なものを与えてくれる存在に。
鈴木:
本当に宝物です。だから……猫の話をすると泣いちゃいそうになります。
西川:
じゃあ猫ちゃんと遊ぶ時間も取っているんですね。
鈴木:
猫の耳毛だけをピロピロしてる時間とかあります。
西川:
耳毛を大切にしてる(笑)。フワフワしてるところはいっぱいあるのに。
鈴木:
信じられないくらい耳毛が長いんですよ。本当、めちゃくちゃ可愛いですよ。見に来てくださいよ。
ラブホ探訪からオタク論まで。YouTube企画はこうして生まれる

西川:
YouTubeも色々と更新されていますけど、動画も“週1本出す”ってご自身で決めていらっしゃるんですか?
鈴木:
マイルールとして決めています。ずっと自分で企画して、編集して、という形でやっていました。
西川:
それだとアイデアが枯渇しませんか?
鈴木:
私は、思いついたことは全部メモに入れているので、そのメモ帳を見て「これやろうかな」という感じで選んでいました。
西川:
「ラブホ探訪」もされていますよね。ああいう企画って、どうやって思いついてどう実行するんですか?
鈴木:
私、この5月・6月くらいに“チャンネル登録者数100万人にしたい”って急に思ったんですよ。それまでは、自分が好きなことを発信するだけだったんですけど、“もっと世間から必要とされていることをしなくちゃいけない”と思うようになって。
そこで、自分のスペックと、世間が求めているものを照らし合わせて、さらに“アイドルができない企画”“競合が少ない企画”って考えると、ラブホ巡りとか、旅系の激安宿とか、そういう企画がYouTubeでめちゃくちゃ回っていたので、「やってみるか」という感じで始めたんです。
西川:
めちゃくちゃ分析された企画だったんですね。実際やってみてどうでした? 行ってみるといろんな感動があるんですか。
鈴木:
私、ラブホテルってほぼ行ったことなかったので、そもそも「ラブホすごっ!」ってなりました。
西川:
“こんな世界があったんだ”っていう感じですよね。
鈴木:
そうなんですよ。恐竜がめっちゃいるラブホテルとかあって、普通に“コンテンツとして面白いやん!”ってなって。
西川:
私、ラジオでずっと「ラブホ探訪は絶対に需要がある」と言っていたんですよ、当局で。
鈴木:
本当ですか、西川さん。
西川:
だって、みんな知りたいでしょ。
鈴木:
1人ではなかなか行かないじゃないですか。
西川:
そうそう。で、実際発信してみたら、どういうリアクションがありました?
鈴木:
発信したら、色々な人が次々に“いいラブホ”を教えてくれるようになって。「ここよかったよ!」とか。
西川:
口コミが広がったんですね。
鈴木:
「そこ行ったことある!」とか。
西川:
激安宿はどうですか?
鈴木:
激安宿は、まだ行ってないんですよ。
西川:
これからやろうとしてる?
鈴木:
これから行こうかな、って。










