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コンプレックスの塊から抜け出して、モデル・エステティシャンとして活動中のあずりなさん

生ボイス

学生時代のトラウマから、エステティシャンとして社会に出た後もコンプレックスから抜け出せず、マスクを外して接客をすることができなかったというあずりなさん。エステサロンで出会ったカメラマンさんの被写体となる決意をした日から、少しずつ自分を認めることができるようになったという。

「エステティシャン・モデルとして、極端なダイエットで心身ともに疲弊した女性に向けて、身体を正しい状態に戻すことを発信していきたいし、今のサロンを大きくしていきたい」。自分を肯定し、進むべき道を見つけた強いまなざしで、これまでの道のりと今後について、真っ直ぐに語っていただきました。

<プロフィール>

あずりなさん
ポートレートモデル・エステサロン経営(1989年生・福井県出身)

大阪でエステサロン店長・オーナー業と並行して写真モデルやサロンモデル、コンテスト、ショーなどへ参加するとともに東京で女優としても舞台を踏む。現在は東京を拠点にモデル・エステサロンオーナーとして活動。年に一度、自身がプロデュースする写真展「あずりな展」も開催。

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長年のコンプレックスから抜け出せたモデルという仕事

―モデル・エステティシャンの仕事をされていますが、どういった経緯なのですか?

モデルになる前、十代の時に母の勧めでエステティシャンの道に進みました。

実は短大生の時にショッキングな出来事があって、自暴自棄になり学校も中退して実家にいた時期があったんです。働くことは好きだったので、掛け持ちでアルバイトをしていたんですが、実家にいた私を見かねたのか、知り合いに美容系の先生がいる母に「美容系の仕事をしてみたら?」と、エステの勉強を勧められたんです。

当時は、とにかく状況を変えたくて“どこかへ逃げたい”という心境だったので、何か変わるきっかけになるかもしれないと思い、大阪にあるエステの専門学校に通い始めました。そんな動機で、なんとなく入学して習い始めたエステだったんですけど、昔から女性に対して苦手意識があった私にとって、エステは無言の会話というか、マッサージを介して、通じ合う感じがすごく心地よかったので、エステティシャンになったら天職だなと思い、エステティシャンの道に進みました。

 

―なぜモデルの仕事を始められたのですか?

勤め先のサロンでカメラマンさんにモデルにならないかと、お声がけいただいたのがきっかけでした。

最初に働いたサロンには、メンズやスポーツ選手向けにメンテナンスや酸素カプセルなどのメニューもあったので、隣のビルで会社や劇団を運営されている男性の方がお客さまとしていらしたんですが、私の“ツンとした顔つきに惹かれた”からという理由で「被写体になってみない?」と、声をかけくれたんです。

美容系の仕事をしているとはいえ、自分に自信はないし、学生時代のショッキングな出来事から立ち直れず自己肯定感もすごく低くてマスクをしていないと接客もできないような状態だったので、「私が?私のことなんて見ないでもらいたい」と思っていましたね。でも、「やってみたい」っていう感情もありました。幼い頃からコンプレックスの塊だったので、表にあんまり出さずに生きてきたんですけど、“人に認められたい”という気持ちも強かったんだと思うんです。「被写体になってみない?」という一言で、その感情が顔を出したんじゃないかと思います。

当時の私は“接客の仕事は好きだけど、自分をまじまじと見たくないし、見られたくない”っていう、少し難しい子だったので、ずっとモデルの件は辞退していました。それでも、何回かサロンでお声がけいただくうちに、「やってみようかな」と思えるようになって、その方に写真を撮っていただいたのが初めてのモデルでしたね。

※モデルを始めたばかりの頃の作品(写真:ご本人提供)

ーどうして「やってみようかな」と心が動いたのですか?

“自分を見たくない、見られたくない”という気持ちと“人に認められたい”という想いの間ですごく悩んだんですけど、「もし明日、死んでしまう状況だったらどうするだろう」と考えたら「モデルに挑戦してみるだろうな」と思ったので、引き受けることにしたんです。

そのカメラマンさんは、サロンのお客さまで会社と劇団を運営している方とはいえ、得体が知れなかったこともあったし、興味はあるけれど、自分の写った写真を見るのは怖かったので2、3週間ぐらい悩みましたね。

でも、声をかけてくださったということは、“私の何かを認めてくれている”ということだろうと思うと、少し嬉しかったというのもありました。

人に認めてもらえたことで、初めて自分を肯定できたんです。

そこからは、会社員としてサロンで働きながら、その方のモデルとして写真を撮っていただくという生活が始まりました。作品を見るうちに、「私だって、絵になるんだ!」って、どんどん写真の中の自分だけは好きだと思えるようになって、次の撮影が楽しみになっていきました。

モデルの仕事をするまでは、ダイエットブームに影響を受けていたこともあって高校生の頃からずっと体重の増減が激しくて“細くないと周囲に認めてもらえないとか、細いことが一番大事!”という価値観を持ってしまっていたので、摂食障害のような時期もあったほどでした。

午前中に一気に食べて、12時以降は水も飲まないというような極端なダイエットをしていたので、痩せては、仕事などのストレスで一気に食べて太るという繰り返しで、体中にアトピーが出たりしていたんです。そんな時に被写体になるという経験をさせてもらったので、ちゃんと自分の体を大事にしなきゃ、と思えるようになって、生活を整えるようになりました。

サロンにも、「痩せたいので、アイスしか食べないんです」というような若い女性客がたくさんいたんですけど、みんな体も冷えていて、ダイエット情報の被害者だという感じがしました。世の中には私だけじゃなくて、こういう子がいっぱいいるんだな、と気付いてからは、初めて「自分が気付いたことを発信しなきゃ、発信したい」って、エステティシャンとしての自覚も生まれましたね。モデルとエステティシャンの仕事がリンクした瞬間でした。

エステサロンを開業しようとしていたところにM&Aの話が

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