リユース品を購入して別の第三者に販売する買取販売業。モノを大切にしたり、ブランド品が好きだったりする方の中には、買取販売業で開業してみたい!と思う方もいるかもしれません。そんな買取販売業はフランチャイズでの開業が可能ですが、毎月本部にロイヤリティを支払わなくてはいけなくなります。ロイヤリティにはどのような費用が含まれているのかチェックしていきましょう。
※2023年12月時点の情報です。最新は各企業のホームページで確認してください。
買取フランチャイズのロイヤリティとは
フランチャイズとは、これまでに本部が他店舗の事業実績を元に培ったノウハウや企業ならではの資金力を用いた集客力などを活用しながら、事業を展開するビジネスモデルです。フランチャイズ本部の看板をそのまま使えるため、初めて買取業者としてお店を出す場合でもブランド自体の知名度を活用でき、お客様からの信頼もある基盤を手札にビジネスを始められます。
これらのノウハウや集客力を活用するために支払わなくてはいけないのがロイヤリティです。毎月のロイヤリティを支払うかわりにフランチャイズ本部の看板を立て、サポートが受けられるというわけです。ロイヤリティの種類フランチャイズ本部によって採用しているロイヤリティの種類はさまざまです。ロイヤリティには以下の3つの種類があります。
- 売上歩合方式:売上によりロイヤリティ支払額が決定する方式
- 粗利分配方式:粗利益によりロイヤリティ支払い額が決定される方式
- 定額方式 :毎月決まった金額を支払うロイヤリティの方式
どの方法で支払うのかが決まっているフランチャイズ本部もありますが、中には自分で決められる場合もあります。それぞれメリットとデメリットがあるので、どの種類が自分に1番合っているのか検討しておくようにしましょう。
下記記事ではフランチャイズのロイヤリティについて、仕組みや使い道を解説しています。
https://entrenet.jp/magazine/13118/
安ければいいというわけではない!買取フランチャイズのロイヤリティに含まれる費用
ここからは、ロイヤリティに含まれるサポート内容についてみていきましょう。ロイヤリティを支払う理由が明確になれば、安ければいいわけではないことがわかるでしょう。
ロイヤリティには、主に以下の5つの費用が含まれています。あくまで一例なので、必ず本部に詳細を確認してください。
何故それぞれの費用を支払うべきなのか、具体的に解説していきます。
フランチャイズのオーナーになった際に気になるロイヤリティについて、下記記事で詳しく解説しています。
https://entrenet.jp/magazine/43979/
ブランドのロゴや商標、店名を使用する権利
買取販売業のフランチャイズに支払うロイヤリティに含まれる1つ目の費用は、ブランドのロゴや商標、店名を使用する権利を得るための費用です。
高額商品を取り扱う機会の多い買取販売業は、信用が第一です。知名度が低く信用がない店には、なかなか売りに来てくれるお客様は少ないでしょう。フランチャイズに加盟しすでに認知度のあるブランド名を借りることで、開業してすぐでもお客様からの信頼を得られます。
フランチャイズ開業でのメリットやデメリット、成功のポイントを更に知りたい方は下記記事を参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/44080/
システム利用料
買取販売業のフランチャイズに支払うロイヤリティに含まれる2つ目の費用は、システム利用料です。フランチャイズ本部ごとに独自の買取システムを持っており、加盟することでこれらのシステムを利用できます。
システムを活用することで業務効率化が図れます。本部によってはロイヤリティとは別にシステム利用料を支払うケースもあるので事前に確認するようにしましょう。
経営サポートを受ける権利
買取販売業のフランチャイズに支払うロイヤリティに含まれる3つ目の費用は、経営サポートを受ける権利費です。
フランチャイズに加盟すると、買取販売業や経営が初めてでもイチからサポートしてもらえます。そのため「経験がないから」と開業に踏み切れずにいる方でも開業しやすいメリットがあります。
下記記事では、競合が多いフランチャイズでの成功のためのポイントを解説しています。
https://entrenet.jp/magazine/43649/
集客施策の費用
買取販売業のフランチャイズに支払うロイヤリティに含まれる4つ目の費用は、集客施策の費用です。
本部ではWeb広告やテレビCMなどを、多額の予算を使った集客ができます。自力での集客には限界があるため、このように大きな施策を打ってもらえるのはお客様に自分の店舗に足を運んでもらうチャンスとなるでしょう。
研修・スタッフ教育のノウハウやマニュアル伝授
買取販売業のフランチャイズに支払うロイヤリティに含まれる5つ目の費用は、研修・スタッフ教育のノウハウやマニュアル伝授のための費用です。
買取販売業をスムーズに運営するためには、スタッフの雇用が必要になるでしょう。スタッフを雇用から教育までするハードルは高く、経験があってもなかなか自分1人でできるものではありません。フランチャイズであれば本部が教育のノウハウ提供や、実際に研修を請け負ってくれたりします。
フランチャイズビジネスの市場規模やメリット・デメリットなど、基本的なことから知りたい方は、まずこちらの記事を読んでみてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
買取フランチャイズでロイヤリティ以外に必要な費用
フランチャイズで買取販売業を開業するためには、ロイヤリティ以外に毎月以下のような費用がかかります。どれも安心してお客様に利用してもらうためには必要な経費です。「なるべく固定費は削りたい!」と思っても削ることはおすすめしません。
フランチャイズの運営でかかる費用について、さらに知りたい方は下記記事も参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/13578/
買取フランチャイズの開業資金/ロイヤリティはいくら?
買取販売業のフランチャイズに関して、本部に支払う費用の一例をご紹介します。開業資金には、本部に支払う費用の他に物件取得費用や内装工事費などがかかる場合もあります(開業準備費用に含まれている場合もあります)。
フランチャイズ本部 | 契約時に支払う費用 | ロイヤリティ(/月) |
---|---|---|
買取店WAKABA(わかば) /株式会社フォーナイン | 275万円 | 27.5万円 |
買取大吉 /株式会社エンパワー | 550万円 | 22万円 |
株式会社大黒屋 | 255万円+家賃 ※愛知県限定プランは物件取得費、広告費、内外装費オーナー負担 | 税込粗利益から38.5% ※初月ロイヤリティ0円、2ヵ月目以降は満額 ※愛知県限定プランは月額固定11万円 |
株式会社Axis /大判小判 | 180万~235万円 ※古物商申請などの費用は実費負担 | 11万円~ ※出店数に応じて変動 |
株式会社MTC /買取専門店「売るナビ」 | 330万円 ※別途、物件取得費、内外装費、什器費などオーナー負担 | 16.5万円 ※3ヵ月の研修中(SV派遣期間)は営業利益の50%(赤字なら0円) |
※2023年12月時点の情報です。 ※すべて税込み
このように、本部に支払う費用やロイヤリティは、フランチャイズ本部によって異なります。さらに、同じフランチャイズ本部であっても、契約プランによって費用感は大きく異なります。
下記記事では、フランチャイズ本部が考えるビジネスモデルや、黒字化などについて解説しています。
https://entrenet.jp/magazine/44516/
充実サポートを選ぶか、身軽にスタートするかー先輩オーナーの声を紹介
買取販売業のフランチャイズといってもさまざまです。サポートが充実している本部もあれば、身軽にスタートできる本部もあります。どのような本部が向いているかはオーナー次第です。どのようなビジネスを運営していきたいのかを明確にし、その軸に沿って適切なフランチャイズ本部を見つけましょう。
自分に合っているフランチャイズ本部を見つける手助けになるよう、先輩オーナーの声を紹介していきます。
安定を求めて入った銀行を辞めて起業。開業から6ヵ月後には2店舗目を開業した阿部 寛樹さん
阿部さんは5年勤めた銀行を自分が本当にやりたいことを実現するために退職、以前から興味を持っていたリユース事業を始め、開業から6ヵ月後には2店舗目を開業しました。「とにかく動く」ということを大切にし、掲げた目標に向かって努力してきたそうです。
阿部さんがフランチャイズに加盟するにあたり、重視したのは「信頼できるか」「手厚いフォローが受けられるか」でした。いくつかの本部を検討する中で、オーナーと本部の関係性が良好かどうかは1つの決め手としてアンテナを張っておくことが重要なようです。
下記記事では、競合が多いフランチャイズでの成功のためのポイントを解説しています。
https://entrenet.jp/magazine/45195/
未経験の買取ビジネスで独立に挑戦。目標だった年商1億円を、駅前立地×3年で達成した矢野 雅康さん
矢野さんは、未経験だった買取ビジネスの独立に挑戦し、目標の年商1億円を、3年で達成されました。フランチャイズ本部を大黒屋に決めたのは、「サポートシステムの充実」だったそうです。
未経験の業界で独立するのですから、サポートが充実してるかどうかは大きな要因になりますよね。開業前の研修で鑑定眼をゼロから養えたのも、今の成功につながる秘訣といえるでしょう。
「集客から契約まで、すべてが自分次第!努力が利益に直結することが最大の魅力」と語る日野 貴司さん
日野さんはコンビニエンスストアのオーナーから買取業者へと転身を遂げ、複数のフランチャイズを経験されているオーナーです。「切手1枚から」「テレフォンカード1枚から」などお客様の買い取ってもらうことに対するハードルを下げた提案力で、契約数を伸ばしていきました。
すべての努力が売り上げに直結するビジネスだからこそあらゆる努力を重ね、開業3週間で21件の契約を成立させました。
下記記事では、実際のフランチャイズの成功者の例を紹介しています。
https://entrenet.jp/magazine/43718/
ロイヤリティとサポート内容を照らし合わせて、自分に合うフランチャイズ本部を選ぼう
固定費を抑えるためには毎月の出費となるロイヤリティが安いフランチャイズ本部を選ぶべきです。しかし、ロイヤリティはブランド力や経営ノウハウの伝授といったフランチャイズならではの恩恵を受けるための費用です。そのため、安ければいいわけではありません。
フランチャイズ本部を選ぶ際には、ロイヤリティが受けられるサポートに対して適切かどうかを判断したうえで決めるようにしましょう。
<文/ちはる>