自宅で開業すれば、事務所や店舗の費用がかからない分、手軽に開業できるでしょう。自宅で開業ができる業種は副業でも取り組みやすいものが多いのもポイントで、まずは試しにやってみて、軌道に乗ってから専業にするのがおすすめです。本記事では自宅で開業できる5つの業種について、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。また、自宅開業そのもののメリット・デメリットや必要な準備についても解説します。(本記事の掲載内容は2023年1月時点のものとなります)
おすすめ業種1.特別な道具や資格不要な「ライター」
自宅で開業できるおすすめ業種の1つ目は「ライター」です。書籍や雑誌、パンフレットなどさまざまな媒体に文章を書く仕事ですが、まずはWebに掲載するテキストを書く「Webライター」は、必要な準備物が少ないのでWebライターから始めるといいでしょう。
ライターのメリット
ライターで自宅開業するメリットには、次のようなものがあります。
・PCとインターネット環境以外には、特別な設備やツールがいらない
・誰でも始められる
・始めやすさに対してキャリアアップの幅が広い
ライターになるには、特に資格などはありません。最低限必要なのは、「PC」「インターネット環境」「文章力」でしょう。「専門知識」や人に負けない深い趣味などあると、案件を獲得しやすくなります。誰でもお金をかけずに始められる業種でありながら、ライターに依頼する記事内容を推敲する「編集者」や全体の取りまとめ役である「ディレクター」など、キャリアアップの幅も広いです。これらの経験を通して身に付けたマーケティングスキルを使い、「コンサルタント」にキャリアアップするのもいいでしょう。
ライターのデメリット
ライターで自宅開業するデメリットには、次のようなものがあります。
・最初はなかなか稼げない
・続けるのが大変
・職業人口が多い
簡単に始められる業種ですが、だからこそ職業人口が多く、ライバルがたくさんいます。供給過多の状態なため、報酬相場は決して高くありません。数を重ね原稿内容の質が高いという信用を得られれば、報酬があがることもありますが、それまでは低単価の仕事しかもらえないかもしれません。
記事を書くためにいろいろなことを調べ、それをわかりやすく伝えるための文章を書き続けるということは、時間も労力も使います。誰でもなれるからと軽い気持ちでチャレンジすると、挫折してしまうかもしれません。
まずは「クラウドワークス」で仕事を探してみよう
ライターは特別な道具も知識も不要な業種です。悩むよりも、まずは副業としてやってみて、自分に合うかどうかを試してみましょう。
クラウドソーシングの「クラウドワークス」には、ライター関連の仕事募集がたくさん載っています。自分の得意分野などを題材とした仕事を探して、試しに応募してみるのがおすすめです。
おすすめ業種2.スキルを活かせる「プログラマー・デザイナー」
自宅で開業できるおすすめ業種の2つ目は「プログラマー・デザイナー」です。どちらもそれなりのスキルが求められる業種で、IT・デザイン関連の企業に勤めている人の独立・開業に向いています。
プログラマー・デザイナーのメリット
プログラマーやデザイナーで自宅開業するメリットには、次のようなものがあります。
・既存のスキルを活かせる
・キャリアアップの幅が広い
・特にプログラマーは、今後もニーズが増え続ける
プログラマーやデザイナーはそれなりのスキルが求められる仕事なので、未経験から開業するのはおすすめできません。ただ、これらのスキルは独学でも身に付けられますし、開業に必要な資格もありません。
プログラマーなら各分野のエンジニアやディレクター、デザイナーなら専門分野に特化してプロフェッショナルになるのもおすすめです。DX(デジタルトランスフォーメーション)の叫ばれる現代では、特にプログラマーのニーズが高く、仕事は今後も増え続けていくでしょう。
プログラマー・デザイナーのデメリット
プログラマーやデザイナーで自宅開業するデメリットには、次のようなものがあります。
・ある程度のスキルが必要
・ライターよりもコストがかかる
・特にデザイナーは、今後、仕事が減る可能性がある
プログラマーやデザイナーはスキル面でもコスト面でも、フリーランスのライターと比べてデメリットが大きいです。簡単な仕事でもある程度のスキルや実績がないとできませんし、使うPCやツールにもそれなりにお金がかかります。
最近は初心者にも扱いやすい簡単なデザインツールが増えていて、スキルがなくても、それなりに見栄えのするデザインが作れるようになりました。その分「デザイナーに依頼しないといけない」という場面は減っていて、今後、仕事が減っていくリスクが出てきています。
「Workship」で営業活動を効率化
フリーのプログラマー・デザイナーとして開業したあとは、フリーランスエージェントを使うのもいいでしょう。
フリーランスエージェントは、フリーランスとして働きたい人と、外注したい企業をつなぐマッチングサービスです。フリーランス側からすると、営業活動の効率化や保障の面でメリットがあります。
特にプログラマー・エンジニア系、デザイナー系に特化した「Workship」はおすすめで、案件が成約すると1万円の祝い金ももらえます。
おすすめ業種3.収入は青天井「広告系ビジネス」
自宅で開業できるおすすめ業種の3つ目は「広告系ビジネス」です。ブログでのアフィリエイト、動画投稿サイトなどでの広告収益・投げ銭を得るなどがこれにあたります。
広告系ビジネスのメリット
広告系ビジネスで自宅開業するメリットには、次のようなものがあります。
・他業種とのシナジー効果が高い
・ストック型の収入源がつくれる
・収入が青天井
ブログや動画投稿サイトなどの広告系ビジネスでは、何かしらの「コンテンツ」を作らなければなりません。コンテンツにはエンターテイメント性の高いものやビジネス・ライフハック系、スキル系など、さまざまなものがあります。
例えばライターとして開業しているなら、ライター業務を通して身に付けたスキルをそのままブログに活かせます。プログラマーやデザイナーなら、自分のスキルを生かして、システムの作り方やデザインツールの使い方などを動画でわかりやすく教えるのもいいでしょう。このように、他業種・スキルとのシナジー効果が高いのが、広告系ビジネスの魅力です。
ブログや自身の動画チャンネルを育てるのは大変ですが、一度軌道に乗ると、既存のコンテンツから収益が入り続ける「ストック型の収入源」となります。労働集約型の業種と異なり、収入(時給換算したときの効率の良さ)は青天井です。
広告系ビジネスのデメリット
広告系ビジネスで自宅開業するデメリットには、次のようなものがあります。
・収入安定まで時間がかかる
・完全な不労所得ではない
・外的要因に左右されやすい
広告系ビジネスの収入は青天井ですが、安定しているとはいえません。動画投稿サイトなどで視聴者や検索者向けのおすすめコンテンツの提示方法が少し変わっただけで、自分のコンテンツへの訪問者が激減することもあります。
一見すると不労所得ですが、コンテンツの更新を続けないとファンが減っていき、収入が下がってしまうのも考えものです。結局働き続けなければ収入を得続けることは難しく、「ファンに見限られるのでは…?」という不安と戦い続けることにもなります。
ツール上でのコンテンツのおすすめ掲載方法の変更や世の中の流れ、ちょっとした不注意による世間やファンからのバッシングなど、外的要因による不安要素も大きいです。
ブログならまずは「A8.net」に登録
広告系ビジネスで開業するなら、まずはブログや動画投稿サイトなど何のSNSで情報発信をするかを選ぶことになるでしょう。
例えば動画投稿サイトなら自分のチャンネルを作り、動画をアップし続けることからはじめます。「チャンネル登録者が1,000人以上」「有効な公開動画の総再生時間が直近の 12 か月間で 4,000 時間以上」などの条件を満たさなければ収益化はできないルールとなっているため、収入を得るまで時間がかかることが多いです。
手軽にはじめたいなら、まずはブログをやってみるのがいいかもしれません。ブログ(アフィリエイト)なら、自分のコンテンツ内に掲載した広告からのクリック数やそこからの購入・問い合わせの発生などが、収益となります。
まずは多種多様なアフィリエイト案件を掲載している「A8.net」に登録し、どんなアフィリエイトがあるのかを眺めながら、ブログのジャンルを考えてみましょう。
おすすめ業種4.趣味を活かせる「ECサイト運営」
自宅で開業できるおすすめ業種の4つ目は「ECサイト運営」です。ECサイトとは「インターネットショップ」のことで、ハンドメイドアイテムや輸入雑貨などの販売ができます。
ECサイト運営のメリット
ECサイト運営で自宅開業をするメリットには、次のようなものがあります。
・趣味や知識を活かして開業できる
・スキルや資金が少なくてもお店を開ける
・副業でも続けやすい
最近ではノーコードで、デザインパーツを選択して組み合わせていくだけでデザイン性が高く使い勝手のいいECサイトを作れるサービスなどが、たくさん登場しています。サービスによっては在庫や顧客管理機能などもあります。ショップはオンラインで開店できるため、店舗のコストがかかりません。ほぼノーコストで自分のお店を持てるのは、一昔前には考えられなかったことでしょう。
ハンドメイドアイテムを少しずつ売ったり、品物を安く仕入れて高く売ったり、今あるスキルや知識を活かしやすいのもポイントです。
手を拡げるのには時間もお金もかかるかもしれませんが、小さくはじめるならリスクが低く、副業でも続けやすいでしょう。
ECサイト運営のデメリット
ECサイト運営で自宅開業するデメリットには、次のようなものがあります。
・在庫を抱えるリスクがある
・集客にはそれなりの知識が必要
・フリーランスの仕事に比べてコストがかかる
ECサイトであろうとリアル店舗であろうと、お店を構える以上「在庫を抱えるリスク」は避けられません。いきなり商品を大量に仕入れたり、ニーズに合っていない方向性で事業を拡大したりすると、大量の在庫を抱えることになるでしょう。在庫を保管するスペースも必要です。
楽天市場やAmazonに出店するなら別ですが、オリジナルショップを開くなら、自分のショップがネット上で検索されやすくなるよう「SEO(Search Engine Optimization)」対策をするための知識や、世の中に認知されやすくなるような「SNS運用」などの知識も求められます。
ライター・プログラマー・デザイナーなどのフリーランス系、ブログや動画投稿サイトなどの広告系に比べると、仕入れのコストがかかる分、リスクは高くなりますが、趣味やセンスを生かせるでしょう。
「Shopify」でオリジナルショップを作ろう
ECサイトを開くなら、まずは自分のWebショップをデザインしなければなりません。楽天市場やAmazonなどに出店する方法もありますが、競合他社も多いので他と差別化をしてオリジナルなお店を開くためには「Shopify」がおすすめです。
Shopifyは世界170か国以上で数百万人もの起業家が利用するプラットフォームで、初心者でも簡単に自分のショップが作れます。3日間無料でお試し利用がすることもできるのも魅力です。
おすすめ業種5.オンラインでもOK「教室運営」
自宅で開業できるおすすめ業種の5つ目は「教室運営」です。音楽教室や習字教室などはもちろん、最近ではコミュニケーションや恋愛の指南など、さまざまな教室が開かれるようになりました。
教室運営のメリット
教室運営で自宅開業するメリットには、次のようなものがあります。
・オンライン教室なら低コスト
・教室の種類はアイデア次第
・自分の特技やスキルを活かしやすい
一昔前は「教室にはリアルで通うのが当たり前」でしたが、今はZoomなどオンライン面談ツールを活用したオンライン教室もたくさんあります。
以前は教室の場所が必要だったため、費用が掛かる分、リスクの高い業種でしたが、オンライン教室ならほぼノーコストで開けます。リアルで開く場合でも、自宅の一室を使えば開業費は限りなく抑えられるでしょう。
「人よりもコミュニケーション能力が高い」「会社で教え方が上手とよく言われる」など、ちょっとしたスキルがあるだけでも開業できるのも特徴です。
教室運営のデメリット
教室運営で自宅開業するデメリットには、次のようなものがあります。
・マーケティングやブランディングが必要
・時間の制約を受けやすい
・自宅を教室とするとプライバシー面で難あり
昔に比べ、教室を開くハードルは下がりましたが、だからこそライバルも多くなりました。例えば同じコミュニケーション教室でも、ほかの教室と何が違うのか、どんな人におすすめなのかを打ち出せなければ集客は難しいでしょう。
本記事で紹介した他業種と比べ、「生徒と直接コミュニケーションを取ること」が前提なのもデメリットといえます。講座の時間は生徒が通える時間帯に設定しなければなりませんし、リアル教室で自宅を活用するとなれば、プライバシー面も気になりますが、自分のスキルや経験をアウトプットしていくことで、自分の中でも整理がつき、自身のスキルもさらにアップしていくでしょう。
「アントレ」でフランチャイズを探して不安を払しょく!
教室運営は、必要なスキルがあればすぐに開業できる業種に見えます。しかし、「いい選手がいいコーチになれるわけではない」というように、スキルがあっても人に教えるのは苦手ということもあります。生徒集めや、通い続けてもらうための付加価値の提供にも、苦労することでしょう。
これらの要素に不安を感じるなら、教室系のフランチャイズで開業してみるのもいいかもしれません。フランチャイズを使えば集客やマーケティングの面で、サポートが受けられるからです。
全国の独立・開業情報を扱う「アントレ」には、教室系のフランチャイズ募集も掲載されています。どんな種類のビジネスがあり、それぞれどんなサポートが受けられるのか、まずはチェックしてみるだけでも参考になるので、ぜひ見てみてください。
独立開業・フランチャイズ・代理店ならアントレ<毎週金曜更新!> 塾・スクールの案件をチェックする
自宅で開業するメリット
どんな業種でも、自宅で開業するには次のようなメリットがあります。
・通勤がいらない
・家事と仕事を両立しやすい
・開業コストを抑えやすい
自宅で開業すれば、オフィスやお店に通うための「通勤時間」がいらなくなります。通勤時間がかからない分、その時間をスキルアップのための勉強にあてたり、プライベートの時間にするのもいいでしょう。いずれにしても、人生の満足度、時間を自由に使えている感覚は高くなるはずです。
仕事の合間に家事をするなど、仕事とプライベートを両立しやすいのもポイントです。教室運営以外は時間の融通もききやすいので、無理なく、自分らしく働けるでしょう。
自宅で開業するデメリット
どんな業種でも、自宅で開業することには次のようなデメリットがあります。
・公私の境目が曖昧になりやすい
・家族にストレスを与えるかもしれない
自宅で開業する、つまり自宅が職場になることで、プライベートとの境界をはっきりさせにくくなり「常に職場にいる感覚」に陥る人もいます。本来リラックスできるスペースであるはずの自宅でも、常に仕事のことが思い浮かぶようになるのは、それなりのストレスでしょう。
仕事中に発生するタイピング音や話し声、ピリピリした雰囲気などにより、家族にストレスを与えてしまうこともあります。自宅を店舗にする場合などは、人を招きにくくなる可能性もあります。
自宅で開業するための準備
オフィスや店舗を構えるのと比べ、自宅で開業するのは手軽です。しかし、最低でも「自宅の契約をチェックする」「開業届を提出する」といった準備は必要です。
自宅の契約をチェックする
自宅で開業するときは、自宅を事業所にしてもいいのか、物件の契約内容をチェックしましょう。持ち家で開業する場合やフリーランス系の業種を選ぶ場合は特に気にしなくて構いませんが、法人登記する場合、店舗を構えたり教室を開いたりする場合などは要チェックです。
賃貸住宅やマンションでは、自宅住所で法人登記をしてはいけないと決まっていることがあります。特にマンションをはじめとする集合住宅の場合、例えそれが購入したものであっても、教室や民泊の運営をしてはいけないと決められている可能性もありますので必ず確認するようにしましょう。
開業届を提出する
自宅で開業するとしても、どこかに物件を借りるとしても、開業届は出しましょう。開業届を出すことは、開業をする人の義務だからです。
開業届を出すことで損をすることはありませんし、手続きにかかる時間もわずかなものです。節税に有効な「青色申告」をするためにも、開業届の提出は欠かせません。
自宅開業は自分に合った、リスクの低い業種を選ぼう
自宅で開業できる業種であれば、まずはオフィスや店舗を借りずに、自宅で開業するのがおすすめです。自宅を使えば店舗や事務所にかかるはずのコストをほぼゼロにできます。その業種で上手くいくかはやってみるまでわからないので、リスクヘッジの意味でもしばらくは自宅を使うのがいいでしょう。
もうひとつ大切なのが、いきなり専業にするのではなく、まずは副業として始めてみることです。本記事で紹介した業種は、どれも副業として取り組みやすいものです。気になるものから試しにやってみて、自分の資質や向き・不向きを確かめてみましょう。
独立開業・フランチャイズ・代理店ならアントレ<毎週金曜更新> 副業からスタートできる案件をチェックする