【この記事でわかること】
- 和スイーツの市場規模
- 和スイーツ店をフランチャイズ開業するメリット/デメリット
- 開業資金/ランニングコスト
- 実際の成功事例
- フランチャイズ開業できる和スイーツ店
“和”と“洋”の要素を持つ和スイーツ。さまざまなスイーツがある中で、和スイーツとはどのようなもので、どのような立ち位置を確立をしているのでしょうか。フランチャイズで和スイーツの店を開業するのにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。まとめて解説していきます。
※2024年2月時点の情報です。最新は各企業のホームページで確認してください。
似ているようで少し違う!和菓子・和スイーツとは
そもそも和スイーツとはどんなスイーツのことをいうのでしょうか。
和スイーツとは和菓子のような“和”の要素を持ちつつ、洋菓子の“洋”の要素も持つ和菓子と洋菓子のハイブリッドのようなスイーツを意味します。
和スイーツとはなにかを示す明確な基準はないものの“抹茶を使用したケーキ”や“小豆を使ったティラミス”など、比較的和の要素が強いスイーツを和スイーツと呼ぶことが多いです。
和の要素として伝統的な技術が使われていたり、季節感を取り入れていたりすることなどから、近年人気が高まってきています。
市場規模や動向、世界的な人気
2022年度における和洋菓子・デザート類の市場規模は1兆5,987億円と、前年比104.1%でした。
コロナウイルス感染症の影響で会合や季節催事が相次いで中止となったことなどから、2020年には売り上げが落ち込みました。しかし2021年から2022年にかけて、贈り物の需要が回復し、催事の予約ケーキなどの高額商品に対する需要も活発化したことなどの要因により、2022年にはコロナ前の規模を上回る結果となりました。
2023年の見込みは1兆6,332億円と前年比2.2%増を予測しています。
特に和スイーツは女性の人気が高く、“抹茶”や“ほうじ茶”などを使ったスイーツを目にする機会も多いでしょう。さらに和スイーツには“高級感” “ヘルシーさ”などのイメージがあるため、日本国内ではもちろん、海外でも人気を誇っています。
アジア各国ではドラえもんの影響でどら焼きが人気だったり、欧米人には抹茶スイーツが人気だったり、見た目と味の良さから観光客のあいだでフルーツ大福が人気だったりなど、今後もさらなる市場成長が期待できます。
和菓子・和スイーツ店はフランチャイズで開業できる?
ここからは、フランチャイズに加盟して和菓子・和スイーツ店を開業するときの開業資金や初期費用、ランニングコストについてみていきましょう。フランチャイズならではの内訳としてはロイヤリティや加盟金などがあります。詳しくみていきましょう。
開業資金・ランニングコスト
フランチャイズに加盟して和菓子・和スイーツ店を開業する際には、以下のような費用がかかります。
【開業資金】
- 加盟費
- 保証金
- 研修費
- 初期店舗取得費
- 店舗内装・外装費
- 設備投資費
- 道具調達費
【ランニングコスト】
- ロイヤリティ
- 集客費
- 店舗の家賃
- 水道光熱費
- 人件費
- 食材など仕入れ費用
- 備品代
下記記事ではフランチャイズの仕組みを解説しています。参考にしてください!
https://entrenet.jp/magazine/25755/
フランチャイズで和菓子・和スイーツ店を開業するメリット
フランチャイズで和菓子・和スイーツ店を開業するのにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
まず、和菓子・和スイーツ店に限らずフランチャイズに加盟することで得られるメリットとしては、以下の3点があげられます。
老舗という言葉があるように、和菓子は「いつものところで」「知っている味を」と新規開拓するお客様が少ない傾向にあります。そのため、昔からあり馴染みのあるブランド力は集客するにあたり大きなメリットになります。
ここからは、フランチャイズの和スイーツ店ならではのメリットをお伝えしていきます。
贈答用として想起されやすく、需給調整による経営の安定化がはかれる
フランチャイズに加盟して和菓子・和スイーツ店を開業する1つ目のメリットは「贈答用として想起されやすく、需給調整による経営の安定化がはかれる」点です。
和菓子は「伝統」や「季節感」などのイメージがあるため、ハレの日の贈答用として重宝される傾向があります。そのため需要の高い季節やタイミングを把握しやすく、安定した経営がしやすいといわれています。
さらに、フランチャイズの場合は他の加盟店の稼働状況や過去の実績を参考にできるため、在庫が足りなくて機会損失をしてしまったり、思うように売れず作り過ぎてしまったりという状況を防ぎやすいのです。
洋菓子好きとは違った客層を取り込める
フランチャイズに加盟して和菓子・和スイーツ店を開業する2つ目のメリットは「洋菓子好きとは違った客層を取り込める」点です。
和菓子に対して「素朴」「庶民的」というイメージを持つ方も多く、洋菓子よりも気軽に手に取りやすいことから、洋菓子好きとは違った客層を取り込むことが期待できます。日本ならではの要素を持つ和スイーツだからこそ、海外からの観光客も客層となりやすインバウンド需要にも対応できるでしょう。
特に、フランチャイズであればブランドの称号やイメージをそのまま自店舗でも活用できるため、スイーツに詳しくない方でも気軽に来店してもらいやすいでしょう。
弟子入りせずに開業できる
フランチャイズに加盟して和菓子・和スイーツ店を開業する3つ目のメリットは「弟子入りせずに開業できる」点です。
本格的に和菓子職人になろうとした場合、和菓子店での修行が必要になります。修行を積んで一人前になるためには最低3年~5年かかるといわれており、そこから独立開業しようと思うとかなりの時間を要します。
その反面、フランチャイズに加盟すると、本部によってかかる日数は違いますが、研修後すぐにオーナーになれるため比較的早く開業することが可能です。
フランチャイズで和菓子・和スイーツ店を開業するデメリット
フランチャイズに加盟して和スイーツのお店を開業するのにはさまざまなメリットがあり、フランチャイズに加盟することに魅力を感じている方も少なくはないでしょう。しかし、フランチャイズに加盟するからこそのデメリットがあることも理解しておかなくてはいけません。フランチャイズに加盟して和スイーツ店を開業することのデメリットは以下の5点です。
伝統や季節感のイメージがある和スイーツとはいえ、洋菓子同様ブームがあります。扱うスイーツがトレンド感のあるものだと、初期費用を回収する前にブームが去ってしまうなんてことも起こりかねません。
本部とよく相談しながら、どのようにブームやトレンドと向き合うかを決めていきましょう。他の商材に切り替えが可能な本部もありますので、契約前に必ず確認しておきましょう。
フランチャイズで和菓子・和スイーツ店を開業した、先輩オーナーの声を紹介
実際にフランチャイズに加盟して和菓子・和スイーツ店を開業した先輩オーナーたちの声を聞くことは、今後の店舗運営にも役立っていくでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
14回の転職を経て売り上げトップクラスにたどり着いた大塚 涼介さん
営業・管理業務などトータルで14回の転職を経験したのち、「人の下で働くのは無理」と感じた大塚さんは、「だったらいっそ、自分で事業を始めようか」と「京都利休の生わらび餅」で独立開業しました。
催事出店なので低資金で開業できること、「わらび餅」という何百年前からある流行りすたりのない商品であること、そして自分が催事などのイベント好きというのも決め手となったそうです。
会社員時代の人脈などを探りながら選んだゴルフ場では、富裕層の男性客による「家族へのお土産需要」を掴んで売り上げトップクラスに。
会社員時代は上司との人間関係に悩んでいたそうですが、今は自由に伸び伸びと自分のペースで働け、かつ会社員時代よりも月10万~30万円は収入アップしている環境に満足しているそうです。
https://entrenet.jp/0000191166/senpai.html?cbn=mgz_dplan_0001
フランチャイズで開業できる和菓子・和スイーツ店2選
フランチャイズで和菓子・和スイーツ店を開業したい方の中には、具体的にどのようなお店があるものかわからない方もいるかもしれません。
ここでは、おすすめの和菓子・和スイーツ店のフランチャイズを2つ紹介していきます。
株式会社CHALLENGE LIFE
新鮮なフルーツだけを使用し、国産米を100%使用した求肥と白あんで、素材の良さを最大限活かしたフルーツ大福を販売しています。
また、フルーツサンド以外に加盟店のオリジナルメニューも取り入れることも可能で、屋号や運営方法(催事、移動販売等)も自由なフランチャイズ本部です。
提供するスイーツによって開業プランが異なるので、自分がどのプランで開業したいのかは事前にフランチャイズ本部に確認しておくと良いでしょう。
京都利休の生わらび餅
京都利休の生わらび餅は、国際和菓子協会の起ち上げ理事長が運営本部代表を務め、一流ホテルの料理人が監修しているこだわりの九州産本わらびを使用した生わらび餅を提供できるフランチャイズ本部です。
セントラルキッチンから直送されているので、簡単に本物の生わらび餅の味を店舗で再現できるのが特徴です。
催事などで重宝されることが多く、長期的に安定した経営が見込めます。また、物件取得費・工事費などが一切不要で開業費を抑えられるのはうれしいポイントです。
まとめ
洋菓子と比べて伝統や季節感の強い和菓子は、ハレの日などの贈り物に重宝されることもあり、スケジュールを把握できる分経営を安定化できる特徴があります。
また、和菓子は「いつものところで」と新規開拓されづらい特性もあるため、自力で開業するよりもフランチャイズに加盟した方がオープンから客足に困るリスクを回避できるかもしれません。
フランチャイズに加盟して飲食業での開業を考えている方は、海外にも人気があり、まだまだ成長市場である和スイーツを1つの候補として検討してみてもいいでしょう。
<文/ちはる>