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就労支援事業所とは?フランチャイズで開業するためのポイントとは

フランチャイズ業種別

近年ニーズが高まっている就労支援事業所とは?フランチャイズで開業するにしても法人の設立が必須で、さまざまな要件や基準をクリアしなければなりません。今後開所を検討している方のために、開所に必要なポイントをまとめて解説していきます。

就労支援事業所とは

就労支援事業所とは、障害のある方の就労サポートする事業所のことで、ハローワーク・地域障害者職業センター・障害者就業・生活支援センター・障害者職業能力開発校などがその一例です。就労支援事業所には「就労移行支援事業」「就労継続支援A型事業」「就労継続支援B型事業」が含まれ、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの1つです。

「就労移行支援事業」「就労継続支援A型事業」「就労継続支援B型事業」とは、それぞれ以下のような特徴があります。

就労移行支援事業

通常の事業所への雇用が可能と見込まれる就労を希望する65歳未満の障害者に対して、以下のような支援を行います。

  • 1生産活動や職場体験など、活動の機会の提供
  • 就労に必要な知識や能力向上のための訓練
  • 求職活動に関する支援
  • 適性に応じた職場の開拓
  • 就職後、職場への定着のために必要な相談等

就労継続支援A型事業

雇用契約に基づく就労が可能であるものの通常の事業所への雇用は困難である方に対して、以下のような支援を行います。

  • 雇用契約の締結等による就労や生産活動の機会の提供
  • 就労に必要な知識や能力向上のための訓練

就労継続支援B型事業

雇用契約に基づく就労が困難であり、通常の事業所に雇用されることが困難である方に対して、以下のような支援を行います。

  • 就労や生産活動の機会の提供
  • 就労に必要な知識や能力向上のための訓練

障がい福祉サービスの現状と市場の動向

近年、少子高齢化で働き手不足が深刻化しつつある日本。このような現状に加え、障害者の総数は(精神・身体・知的障がい者合わせて)1160.2万となり、人口千人当たりの人数でみると、身体障害者は34人、知的障害者は9人、精神障害者は49人という計算になります。複数の障害を併せ持つ方もいるため、単純な合計にはならないものの、国民のおよそ9.2%の方が何らかの障害を有している計算になります。

参照:内閣府|令和五年版 障害者白書(P2)

※URLの遷移先はPDFファイルです。ダインロードに大量の通信費を要する可能性があります。

障害に悩み就労支援を必要とする人口の増加と働き手不足は、将来ますます問題となるでしょう。このような問題解決のため、国は約1兆円を障がい福祉関係の予算にあて、障害者の就労支援を推進しています。

就労支援事業所は「支援を受けたい障害者」と「働き手を増やしたい国」の両方のニーズを叶えるとされ、今注目されている事業の1つなのです。

就労支援事業所を開所するには?

就労支援事業所とは?フランチャイズで開業するためのポイントとは

今ニーズが高まりつつある就労支援事業所を開所するためには、さまざまな要件や基準を満たさなければなりません。

まず、開所には以下のような書類の提出が必要になります。必ず用意しておきましょう。

  • 収支予算書
  • 事業所で行う予定の事業の作業量積算根拠
  • 事業所の事業が請負である場合は、請負契約書のひな型
  • 開設計画書

また、就労支援事業所を開所するためには、以下の要件を満たしている必要があります。この章では、それぞれの要件について詳しく解説していきます。ただし、都道府県によって異なることがありますので、確認してください。

事業所の間取りが基準に合っている

就労支援事業所を開所するためには、以下の設備基準を満たしている必要があります。

  • 訓練・作業室:およその目安を「利用定員×3㎡」とし、訓練または作業に支障がない広さで、必要な機械機器等を備えている
  • 相談室:間仕切りが必要(パーテーションで良い場合もあれば、個室でなければならない場合もある)
  • 洗面所・便所:利用者の特性に応じたものを備える
  • 多目的室そのほか運営に必要な設備: 原則、多目的室は専用の部屋である必要がある

スタッフの人員基準が満たされている

就労支援事業所を開所するためには、以下の人員基準を満たしている必要があります。

管理者

  • 定員:1名
  • 条件:必要な資格はないが、都道府県によって特別な基準を設けている場合がある

サービス管理責任者

定員:常勤1人以上

原則として前年度の平均利用者数
60人以下の場合・・・1人
61人以上の場合・・・利用者60人につき1人、さらに40人またはその端数を増すごとに1人人員の追加が必要

条件

「相談支援従事者初任者研修」と「サービス管理責任者等研修」受講と実務経験がある人

  1. 通算して5年以上相談支援の期間がある
  2. 通算して8年以上直接支援業務の期間がある
  3. 通算して3年及び5年以上有資格者などが実施する業務がある

就労支援員

  • 常勤換算で利用者数(原則として前年度の平均利用者数)を15で割った数以上を配置
  • 必要な資格なし

職業指導員及び生活支援員

  • それぞれ1人ずつ
  • 総数としては常勤換算で利用者数(原則として前年度の平均利用者数)を6で割った数を配置
  • 必要な資格なし

法人格である

就労支援事業所を開所するためには、「専ら社会福祉事業を行う法人」でないと指定申請ができません。「専ら社会福祉事業を行う法人」とは、社会福祉事業のみを行う法人ということです。

そのため、法人の設立をしていない方は新規設立が、すでに別の事業で法人を設立している方は新たに法人設立をするもしくは定款変更が必要になります。どちらのケースであっても、定款には「障がい福祉事業に対応する目的」を記載する必要があります。

フランチャイズで就労支援事業所を開業(開所)するまでの手順

フランチャイズで就労支援事業を開所する手順は、他の事業をフランチャイズで開業するのと大きな違いはありません。

  1. 気になるフランチャイズ本部に資料請求
  2. 検討している複数のフランチャイズ本部の説明会に参加し、面談を受ける
  3. 加盟するフランチャイズ本部を決定し、申し込みをする
  4. 加盟契約を締結する
  5. 法人の設立または定款変更
  6. 必要書類の準備及び申請
  7. 施設用の物件の取得及び内装工事
  8. スタッフ募集及び研修受講
  9. 開所

下記記事ではフランチャイズの仕組みを解説しています。参考にしてください。

https://entrenet.jp/magazine/25755/

フランチャイズで就労支援事業所を開業(開所)するメリット

フランチャイズに加盟して就労支援事業所を開所するメリットは、以下のようなものがあげられます。

本部による開業(開所)サポートでスムーズに開業(開所)できる

就労支援事業所を開所するためには、さまざまな基準が設けられています。そのため、自身で取得や申請が必要にはなるものの、本部から所定の基準が満たされた物件を紹介してもらえたり、行政への許可申請などのサポートが受けられるのは、介護業界での就労・経営が未経験な人にとっては大きなメリットといえるでしょう。

本部による人材採用サポートで、必要な人材を確保できる

就労支援事業所の開所には、所定の資格を持った人材の確保が必要です。このような人材の採用は容易ではなく、特に介護業界未経験者には難しいでしょう。本部が必要な資格を持つ人材の採用をサポートしてくれるので、自力で採用するよりも、確かな腕を持つ人材と出会える可能性が高いでしょう。

運営マニュアルや経営ノウハウが蓄積されている

就労支援事業所は、自治体や厚生労働省による監査が定期的に行われます。フランチャイズに加盟していれば、本部に蓄積された過去の経験や情報をもとに必要書類の準備などを前もって準備することができ、経営の手助けになります。

フランチャイズで就労支援事業所を開業(開所)するデメリット

フランチャイズで就労支援事業所を開所するということは、毎月のロイヤリティが発生するということです。売り上げが少ない月でも毎月同じ金額が請求されるため、経営が苦しいときにはこの支払いが負担になってしまうこともあるでしょう。

また、フランチャイズだからこそ受けられるサポートがあるのは事実ですが、経営の自由度が低く制限があるということを忘れてはいけません。利用者のためを思って実施したいアイディアがあっても、本部から許可を得られなければ実施することはできません。自分がどのような経営スタイルを取りたいか、どのようなサポートを得たいかを精査し、フランチャイズに加盟するかどうか考えましょう。

フランチャイズで就労支援事業所を開業(開所)する際のポイント

就労支援事業所を開所する際には、以下のような点に注意する必要があります。

  1. 監査と実地指導の対策を万全に行う
  2. 社会保険適用事業であり、関連法案の更新や改正が多い業界なので、関連法案や業界の動向をよく調べておく
  3. 人手不足に陥らないよう、スタッフのケアや待遇を改善する
  4. 事故・事件を起こさないような取り組み(スタッフ配置や設備の検討)を行う
  5. 何かあったときに士業家に相談できるよう、人脈の確保をしておく
  6. 経営に専念できるようにする
  7. より多くの情報をキャッチアップするためにも、地域となじむ努力をする

就労支援事業所をはじめとする社会福祉事業は、国の施策もあり社会的関心が高い事業です。しかし人手不足や(入居者同士、近隣などとの)トラブルなどの可能性もあることから、十分なリスクヘッジが必要になることを覚えておきましょう。

【成功実例を紹介】開業1年で2事業所体制に!eスポーツを通して「真の就労支援事業所」を実現したいと語る先輩オーナーの話

もともと広告代理店の営業職だったAさんは、eスポーツを通して「真の就労支援事業所」を実現したいと広告代理店事業、採用・人材コンサルティング事業に加えて、就労支援事業にも携わるようになりました。

フランチャイズ本部代表の「就労支援の考え方を変え、新しい時代を創りたい」という熱意に共感し、就労支援事業に目を向けるようになったそうです。社会性に加えて新規性や収益性を兼ね備えている「eスポーツ×就労継続支援B型」というビジネスモデルは、Aさんが手がける広告代理店事業・採用・人事コンサルティング事業との親和性も高いこともあり、参入を決意されました。自身の持っている専門性と新規事業への共感で、フランチャイズ加盟後も着実に事業を前進させていきました。

まとめ

「支援を受けて働きたい障害者」と「働き手を増やしたい国」の両方のニーズを叶えられる就労支援事業所は、近年ニーズの高まっている成長が見込める事業です。他のフランチャイズと比較すると、法人設立が必要などのハードルはあります。しかし、社会問題の解決に直接的に関われるやりがいのある事業でもあるので、気になった方はぜひフランチャイズの加盟を検討してみてはいかがでしょうか。

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<文/ちはる>

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