「デリバリー」と聞くと「宅配ピザ」を連想する方は多いでしょう。注文・販売形態にバリエーションがある宅配ピザ業界は、コロナ禍でも堅調でした。そんな宅配ピザを開業するなら、フランチャイズ加盟をするのがおすすめです。フランチャイズで宅配ピザを開業するのにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。成功の秘訣と一緒にお伝えします。
宅配ピザ業界の市場性と特徴とは
宅配業界は注文方法や宅配方法が進化しつつあり、コロナ禍でも宅配ピザは飲食店の中でもさほど影響が少なかったようです。そんなデリバリーやテイクアウトの需要はコロナが落ち着いた今でも続いています。自宅に集まってスポーツの国際大会を観戦したり、ホームパーティなどで集まったりするタイミングで利用するなど、おうち時間が減ってもなお、利用者は多いといわれています。今後もデリバリーやテイクアウトの需要は継続的にあることが見込まれるため、宅配ピザを開業するのには良い時代といえるでしょう。
さらに、ピザは原価率が良く利益率が高いです。業界的に「テイクアウトをすると50%オフ」のようなキャンペーンが常時行われているように、販売方法にも工夫が見られて人気が衰える様子はありません。このように需要の高い宅配ピザだからこそ、それなりのブランド力を蓄えており、それを開業時に利用しない手はないのです。フランチャイズ加盟をして開業することで、これらのブランド力を継承して宅配ピザ屋を始められるのです。
宅配ピザのフランチャイズを開業するには
宅配ピザ屋を開業するために必要な資格や届けは以下のとおりです。
まず食品を扱うなら、ピザ屋に限らず必須なのが「食品衛生責任者」の資格です。養成講習を受講して資格を取得し、保健所に「食品営業許可申請の届け出」をしましょう。
また、規模によっては「防火管理責任者」の資格が必要になる場合があります。消防署には「火を使用する設備等の設置届」を提出しましょう。
そのほかにも必要な届け出がないか事前に確認するようにしましょう。
次に、フランチャイズに加盟して宅配ピザ屋を開業する際に必要になる費用にはどのようなものがあるのでしょうか。説明していきます。
宅配ピザのフランチャイズ加盟契約~開業までの流れ
宅配ピザのフランチャイズは、以下のステップで開業します。
内装工事がどれほどかかるかにもよりますが、フランチャイズ本部の選択から開業まで、およそ2ヵ月から2ヵ月半ほどの時間が必要になるといわれています。
開業資金
開業には以下のような費用がかかります。
これらはおよそ500万円ほどかかるとされています。そのほかに物件取得費や設備投資費が必要になりますが、これは地域や依頼する業者によって異なります。宅配ピザには店舗や什器だけでなく、宅配用の専用車両(バイクなど)が必要になります。開業資金の相場は2,000万円ほどといわれています。自身で業者に依頼するのと提携企業に依頼するのとどちらが安く仕上げられるか交渉してみても良いかもしれません。
運転資金
運転資金には、以下のような費用が必要になります。
ロイヤリティは売り上げから決まった割合を請求されるケースと毎月定額請求されるケースがあります。フランチャイズ本部によって制度は異なるため、どちらが自分に向いているのかよく吟味して本部を選ぶようにしましょう。
まずはフランチャイズの仕組みを知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
宅配ピザのフランチャイズを開業する5つのメリット
宅配ピザのフランチャイズに加盟して開業するのにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下の5つが主なメリットです。それぞれ詳しく解説していきます。
宅配ピザ業界の未経験者でも開業可能
フランチャイズに加盟して宅配ピザ屋を開業する最大のメリットは、未経験であっても開業できる点です。
フランチャイズに加盟して開業すると、フランチャイズ本部のサポートを得られるようになります。フランチャイズ本部では加盟店が成功できるようノウハウの提供や研修制度の用意があるため、経営の知識や経験がなくても経営者が目指せます。
店舗の内装工事にしても、本部が持っているノウハウを活用すれば、効率的な動線となる配置・設計が可能です。
知名度のあるブランド名が活用できる
いきなり無名の宅配ピザ屋を開業しても、知名度がなければ認知もされていないため、最初からお客さまを獲得することは難しいでしょう。
それに対してフランチャイズに加盟すれば、ほか店舗の実績がすでにあるため知名度が高く、信頼度やブランド力も高いため、開業してすぐでも集客が期待できます。
注文や配達の仕組みを利用できる
宅配ピザ屋はピザの「調理」と「宅配」がセットになっているサービスです。お客さまからどのように注文を受け、どのように調理し、宅配までするのか、一連の流れを仕組み化するのは意外とハードルが高いです。フランチャイズに加盟すれば、注文システムや配達の仕組みはすでに本部によって確立されているため、自分で一から仕組み化させる必要がなく、安心です。
人材育成のノウハウがある
フランチャイズに加盟すると、本部からアルバイトの採用や人材育成のサポートが受けられるようになります。個人で開業する場合、自分の店舗でアルバイト募集をかけても、なかなか認知度がなくて応募が集まらないこともあります。しかし本部からアルバイトスタッフを派遣してもらえれば、自分で採用工数をかけることなくアルバイトの採用ができます。
さらに、オペレーションのマニュアルが用意されていたり、研修制度が用意されていたり、本部の人材育成のノウハウを最大限にインプットした人材と仕事ができるため店舗としての運用もしやすいでしょう。人材が成長しやすい環境の提供はさらなる人材採用の際にプラスになるため、メリットといえます。
利益率が高いため収益が得やすい
一般的に、ピザの原価率は15~20%程度といわれています。これは飲食店の原価率と比較しても非常に安く、利益率が高いということになります。利益率の高い宅配ピザは、収益化しやすいメリットがあります。
さらにフランチャイズの場合は、提携している仕入れ先があるケースもあります。この場合相場よりも安く仕入れられ、より利益が上げやすい仕組みが確立されているのです。
宅配ピザのフランチャイズを開業するデメリット
たくさんのメリットがある反面、フランチャイズで宅配ピザを開業するのにはデメリットもあります。主なデメリットは、以下の3つです。
- 加盟金やロイヤリティがかかり、費用負担が多い
- メニューの自由度が低い
- 競合避止で契約満了後独立が難しいケースがある
フランチャイズに加盟するためには、初期費用として加盟金、そしてランニングコストとしてロイヤリティなどの費用がかかります。しかし、これらはフランチャイズ本部からサポートを受けたり、整備されたシステムを利用したりするための対価です。なるべく安いところを探しつつも、カットしすぎてサポートが受けられなくなるのは困るので、自分が得たいサポート内容と、ロイヤリティなどの費用が見合っているか比較して検討しましょう。
また競合避止については、契約前にどれほどの範囲のものなのかを確認しておきましょう。一般的には契約満了後数年間は同じ業界で独立できないことが多いです。
宅配ピザのフランチャイズ開業を成功させるポイント
宅配ピザのフランチャイズを開業して成功させたいのであれば、いくつか押さえておくべきポイントがあります。中には「フランチャイズだからこそ押さえるべきポイント」もあります。
フランチャイズで宅配ピザ屋を開業して成功するために押さえるべきポイントは、以下の3つです。
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
フランチャイズ本部選びにこだわる
宅配ピザをフランチャイズ経営で成功させるためには、まず「フランチャイズ本部選びにこだわる」必要があります。
フランチャイズといってもさまざまで、本部によってその特性は異なります。そのため、まずは自分自身がどのようなこだわりを持って本部を選びたいのかを明確にしましょう。フランチャイズ本部を選ぶ観点は利益率、顧客満足度、ブランド名など多種多様です。1つのフランチャイズ本部に固執せず、複数の本部を比較検討しながら自分に合いそうな本部を妥協せずに選ぶことをおすすめします。特に、経営初心者なのであれば、経営について親身になって相談に乗ってくれたり、ノウハウを教えてサポートしてくれたりする本部選びができると安心でしょう。
そのほかにも確認したいのが、宅配中の事故など損害補償の制度です。保険への加入は義務なのか任意なのか、本部で準備されているものがあるのか個人的に探すべきなのかもチェックしておきたいポイントです。
集客戦略に臨機応変に対応する
宅配ピザをフランチャイズ経営で成功させるためには、「集客戦略に臨機応変に対応する」必要があります。
宅配ピザは季節やイベントに合わせたキャンペーンが多いです。そのため、集客戦略に臨機応変な対応力が求められます。キャンペーン実施に伴うオペレーションの変更に戸惑ってしまったり、遅れを取ったりしてしまわないよう、本部とは密なコミュニケーションが求められます。さらに、指示のあった通りのオペレーションを実施できるよう、加盟店として自社スタッフの教育も必要になるでしょう。
経営を学ぶ姿勢をもつ
宅配ピザをフランチャイズ経営で成功させるためには、「経営を学ぶ姿勢が必要」です。
フランチャイズに加盟すると、経営に関するノウハウを教えてもらえたり、サポートしてもらえたりします。そのため、中には「自分で経営を学ばずとも本部になんとかしてもらえる」と思っている方もいるかもしれません。しかし、加盟店と本部はあくまで経営パートナーという位置づけであることを理解していなくてはいけません。
仮に自分の店舗で何か不祥事が起きてしまった場合、それは本部ではなく自分の責任です。また、資金のやりくりも自分で一から行う必要があります。資金に余裕を持って運営できるよう工夫しましょう。フランチャイズでしてもらえるのは、あくまでサポートの範囲内です。本部に頼りきりにならないで、経営者としての自覚を持って成長を目指しましょう。
まとめ
宅配ピザは今後も需要が衰えることのないであろう業界の1つです。しかし人気のある宅配ピザはすでに何社か名を馳せているため、これから新規で参入して人気を獲得していくのは難しいでしょう。そこでフランチャイズに加盟して宅配ピザ屋を開業することで、すでに確立されたブランド力を利用して自身の店舗を開業できることでしょう。
気になる方は、アントレでも紹介している宅配ピザのフランチャイズをチェックしてみてくださいね。
<文/ちはる>