本記事では、会社員として働いているうちに手を付けたい独立・起業に向けての準備を“自己分析”“お金の勉強”“事業計画”“資金計画”“家族の説得”“人脈づくり”に分けて解説します。
資金・事業計画とともに、実際に起業した10名の実例も掲載しています。
まずは副業で安定して月10万円以上稼げるコツについて、下記の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてください。
独立起業の準備に大切なこととは
独立・起業に少しでも興味が出てきたら、とにかく早めに準備をはじめましょう。
途中で起業する業界・業種が変わったとしても、準備したことは無駄になりません。
以下の7つのカテゴリに分けて紹介します。
自己分析をしっかり行う
独立・起業するための最初の一歩は”自己分析”です。
何のために起業するのかを考えることで、起業することや自分の事業に対するモチベーションが上がるうえ、自分の強みと弱みを明確にすることは、自分に合った戦略を立てるために欠かせません。
独立・起業する“動機”と”目的”を明確にする
独立・起業する前に、必ず「動機」と「目的」を明確にしましょう。
- 転職では解決できない課題なのか?
- 独立・起業で何を実現したいのか?
- 会社設立の目的を明確にする
まず、「なぜ会社を辞めてまで独立・起業するのか」を具体的に考えます。
「在宅勤務が希望」ということであれば、在宅ワーク制度のある会社への転職も検討しましょう。
「フリーランスなら、好きな仕事だけをしたい」という漠然とした目標ではなく「相性の良いクライアントとだけ仕事がしたい」など、より具体的な目標を設定しましょう。
会社設立の場合は、経営者としてどのような事業を展開していくのか、明確なビジョンが必要です。
実務経験がない場合は、社内起業制度を活用して経験を積むのも有効です。
自分の強み・ウリを見つける
独立・起業において、自分の強みや差別化ポイントを明確にすることが重要です。
- 独自の強みや価値を見つける
- 競合との差別化ポイントを意識する
客観的に証明できる強み(資格や特技など)だけでなく、主観的な強み(経験や人脈、アイデア力)もいっしょに洗い出しておきます。
同じような商品やサービスを提供している競合と比較し、どこに違いがあるのか、顧客にとってのメリットを明確に打ち出すと良いでしょう。
複数の強みや差別化ポイントを持つことで、顧客に訴求する力がより強くなります。
自分の弱み・未経験なことを洗い出す
独立・起業にあたって、自分の強みや弱みを把握し、戦略的に業務を分担することも考えておく必要があります。
- 弱みや未経験なことは人に任せる
- 会社設立の場合は、得意・不得意に基づいて人材を雇用する
- 経営者も実務とビジョン・戦略策定のバランスを意識する
会社の規模に合わせて、経理、IT、データ分析など、専門知識やスキルを持つ人材を雇用しましょう。
経営者も必要に応じて実務に携わりますが、会社の成長に合わせて、ビジョン・戦略策定に注力する時間も確保しましょう。
独立・起業してやりたいことをまとめる
独立・起業を考える際には、まず「自分のやりたいこと」を軸に事業内容を検討しましょう。
- 自分が楽しめて、顧客の役に立つことを考える
- 事業計画とは別に「自分の意志」を明確にする
- フランチャイズ加盟という選択肢も
「好き」や「得意」を活かせる事業は、継続しやすく、顧客満足度も高くなります。
事業計画はあくまで計画であり、状況に合わせて柔軟に変更していく必要があります。
具体的な事業内容が思い浮かばない場合は、フランチャイズ加盟も有効です。
独立開業・フランチャイズ・代理店ならアントレ<毎週金曜更新>
こちらの記事では起業アイデアを見つけるための考え方、そのためのフレームワークを紹介しています。アイデアが浮かばないという方は、ぜひ参考にしてください。
参考:起業アイデアを見つける5つの鉄則!思考整理に役立つフレームワークを紹介
マネーリテラシーを高める
独立・起業の準備として、お金の勉強も進めていきましょう。
事業を進めていくうえで、お金(資金)は体力のようなものです。
資金が足りなくなれば事業を思うように進められなくなり、私生活にも影響が出るでしょう。
知人の保証人になったことが原因で債務を背負い、いわゆるブラックリスト状態に陥った人に、”お金の悩みは脳を窒息させる”と言った人がいます。
こんな状態では合理的な考え方ができなくなり、事業判断にも悪影響が出てしまいます。
収入・支出とバランスについて学ぶ
独立・起業後は、収入と支出のバランスを意識した、慎重な財務管理が求められます。
収入と支出を常に把握した適切な財務管理と万が一の事態に備えた十分な資金確保が必要です。
何故なら、個人事業主や経営者は、雇用者とは異なり、安定した収入を得られる保証がないからです。
取引先の倒産、顧客の減少や単価の値下げなどの収入減リスクや、(従業員の給与など)に関わらず発生するコストのバランスを常に意識しておく必要があります。。
資産運用・節税について調べる
独立・起業に向けて、1年前くらいから自己資金を準備しておくことが重要です。
- 十分な資金準備
- 退職金に頼らない資金計画
- 資産運用や節税についての学習
- 投資詐欺には注意
十分な自己資金は、事業を安定的に運営するための基盤となります。
融資を受ける場合も、自己資金が多いほど有利な条件で借りることができます。
退職金はあくまでも退職後の生活資金であり、事業資金として安易に考えてはいけません。
自己資金を増やすために、資産運用や節税について学び、実践しましょう。
SNSなどで見かける投資話は、詐欺である可能性があります。
信頼できる金融機関などを利用して情報収集を行いましょう。
「個人事業主の節税対策11選!王道から裏ワザまで利益を出すコツを解説」
事業計画
事業計画をまとめ、事業計画書に書いていきましょう。
事業計画書を書くと、以下のようなメリットがあります。
- 融資審査の円滑化
- 事業ビジョンの明確化
- チームとのビジョン共有
- 事業運営の羅針盤
以下の項目を記載するようにすると、詳細でわかりやすい事業計画書になります。
事業計画書の書き方などについてもっと知りたい方は、こちらもご覧ください。
参考:起業時の事業計画書はテンプレートで簡単作成!必須8項目と志向整理の6W2Hも紹介
事業内容を決める
まずは自己分析で明確にした自分の意志に基づき、事業内容を考えましょう。
自分のやりたい事業を具体的にイメージすること、強みや弱みを踏まえて細部を考えることが大切です。
競合調査を行う
独立・起業を考える際には、同業者だけでなく、あらゆる角度から競合となり得るものを洗い出すことが重要です。
- 直接的な競合:同じ商品やサービスを提供している企業・サービス
- 間接的な競合:顧客のニーズを代替的に満たす商品・サービス/購入する際の選択肢となる企業・サービス
例:ラーメン屋の場合
近隣のラーメン屋/ラーメンや餃子の自販機/スーパーやコンビニエンスストアで販売されているチルド・冷凍ラーメン、餃子/フードデリバリーサービス
マーケティングを行う
独立・起業しようと考えている業界の市場規模や動向など、マーケティングに関する情報を集めましょう。
商圏の調査で分かることは以下のとおりです。
- 強力な根拠を得られる
- エリアやターゲットの特徴を知ることができる
- 改善点を抽出しやすくなる
その市場は拡大傾向なのか縮小傾向なのか、その理由は何なのか、データを集めて分析しましょう。
立地調査や商圏調査では、出店候補地の人口構成はもちろん、日中と夜間の人口についても調べておきたいです。
法律に違反すると罰金が科せられるばかりか、自社の信用失墜にもつながるため、事業に関連する法律・法案も把握しておきたいです。
参照:商圏とは?店舗ビジネスに欠かせない『商圏』の基本知識を抑えよう
数値目標を立てる
売り上げや利益率など、具体的な数値目標を立てましょう。
ここでは根拠のある数値を決めることが重要です。
市場の動向や競合と差別化できる部分、自分のリソースなどに基づき、現実的な数値目標を考えます。
タイミングを決める
独立・起業のタイミングと、その後の事業拡大のタイミングは、市場や競合の動向、そして事業計画を総合的に考えて決定する必要があります。
定期的に事業計画と数値目標を見直し、必要に応じて修正しましょう。
独立・起業のタイミング
事業計画・資金計画が立っている
市場環境が整っており、競合優位に立てる見込みがある
事業拡大のタイミング
売り上げや収益などの数値目標を達成し、顧客基盤が安定している
資金繰りに余裕がある
市場環境が拡大し、競合優位に立てる見込みがある
手続き方法・申請について調べる
独立・起業のための手続きや申請について調べておきましょう。
個人事業主なら開業届の提出が、会社を起こすには法人登記が必要ですが、細かな手続きは開業予定の職種・地方自治体により異なります。
個人事業主と法人、それぞれの手続きについてはこちらの記事で解説しています。
参考:起業する方法を個人事業主の場合と、法人の場合に分けて解説!資金調達の仕方も3つ紹介
資金計画を立てる
資金計画を立てる際は、以下の項目に留意して進めましょう。
起業する際の資金調達方法には、以下のような方法があります。
- 融資を取り付ける(デッドファイナンス)
- 出資を募る(エクイティファイナンス)
- 補助金・助成金
参照:起業に使える資金調達方法9選!選び方やメリット・デメリットを解説
資金をどこから調達して、いつまでに返済して収益化するのか、綿密な計画を立てることが大切です。
また、開業資金の他に運転資金も1年分あると安心です。
ギリギリの資金で開業してしまうと、運転資金が足りなくなり事業を続けることができなくなってしまう可能性があります。
資金回収までのシミュレーションを行う
必要な資金額を算出したら、資金回収までのシミュレーションをしましょう。
ここでは楽観的・現実的・悲観的などいくつかのパターンに分け、入念にシミュレーションすることが大切です。
スモールスタートでリスクを減らす
スモールスタートは、リスクを抑えて独立・起業を進めるための有効な手段です。
また、事業規模が小さいため軌道修正もしやすいという特徴があります。
業種別のスモールスタート例
マーケティング: 個人事業主としてスタートし、実績を積んでから法人化
IT: 副業として開発案件を受託し、顧客基盤を築いてから独立
飲食: キッチンカーやデリバリー専門店から始める
小売: ネットショップから始める
補助金・助成金などについても調べる
補助金・助成金は、返済不要で資金調達できるため、起業時には積極的に活用しましょう。
ただし、申請までに期限があるもの、申請に時間がかかることも多いため、早めに調べて準備を進めましょう。
また、補助金・助成金は原則として後払いなため、申請が通っても、補助金・助成金を受け取る前に自己資金で支払いをしなければなりません。
起業時に使える補助金・助成金はこちらの記事で紹介しています。
参考:起業時は助成金や補助金が有効?個人事業主向けの融資制度についても解説
融資について検討する
実店舗を構えたり従業員を雇ったりする場合、起業時に大きな資金が必要になります。
自己資金や補助金・助成金だけでは足りない場合は、融資の利用を検討しましょう。
融資の種類と金利
日本政策金融公庫: 起業支援に特化した融資制度。金利は2.40~3.70%と低く、返済期間も長めです。
銀行融資: 事業規模や経営状況に応じて金利や返済期間が設定されます。金利は相場1~3%ほどです。
融資の審査と注意点
開業時は事業計画などを基に、開業後の経営状況で審査が行われます。
開業時に余裕資金があると、審査が通りやすく、経営にも安心です。
予定より早く黒字化した場合は、繰上げ返済も可能です。
家族を説得する
独立・起業をするときは、家族の同意と協力が欠かせません。
- 独立・起業の理由と計画を明確にする
- 家族の不安に寄り添う
- パートナーの意見を尊重する
- 長期的な視点を持つ
独立・起業の理由を明確にし、選んだ事業の背景を説明します。
必要な資金や調達方法、収益計画も具体的にお伝えし、リスクヘッジ対策も合わせて示します。
生活や教育資金への影響について説明し、家事や育児の分担について話し合い、協力を取り付け、定期的に状況を報告して不安を解消する必要があります。
反対意見にも耳を傾け、パートナーの不安や心配を理解し、共感しながら一緒に問題解決に取り組む姿勢を示しましょう。
”パートナー(夫・嫁)ブロック”と回避法についてもっと知りたい方は、こちらもご覧ください。
参考:家族・パートナーとしっかり話し合っておこう!【起業前にやっておきたい5つのこと⑤】
人脈を作る
独立・起業の準備と併せて、人脈作りも進めていきましょう。
具体的には、以下の行動がおすすめです。
Webとリアルな場を組み合わせることで、効率的に人脈を広げることができます。
人脈があれば商売を有利に進めるための情報が集まってきたり、困ったときに助けてもらったり、さまざまなメリットがあります。
”起業してからの方が人脈を作りやすいのでは?”と思うかもしれませんが、起業する前だからこそ作れる人脈もあります。
ちなみに、”リスクヘッジとして副業でスモールスタートしてみる””家族を安心させるために副業から始めてみる”というのは、人脈作りにも有効です。
副業として続けながら人脈や取引先を作っておけば、スムーズに独立できるでしょう。
“独立・起業したい”と打ち明ける
まずは自分の”起業したい””こんな事業を起こしたい”という意思が、第三者の目に留まるようにしましょう。
- Webを活用した人脈作り
- 地域の交流会や勉強会への参加
- 情報の精査
SNSや配信サービスへの投稿で自分の事業や想いを発信し、共感してくれる人を見つけましょう。
起業家・フリーランスが集まるオンラインサロンへ参加することで、同じ志を持つ仲間と交流し、情報交換やコラボレーションの機会を得ることができます。
間違った情報や詐欺まがいの話も存在しますので、情報を鵜呑みにせず、慎重に精査しつつ積極的に行動しましょう。
同じような境遇の人を見つける
孤独になりがちな独立・起業の準備は、以下の方法で仲間を見つけましょう。
仲間を見つけることで、孤独感を解消し、情報や刺激を得ることができます。
- 起業セミナーやイベントに参加する
- 起業家コミュニティに参加する
- SNSでつながる
- 起業スクールを活用する
起業スクールは、目的に合ったスクールを選ぶことが重要です。
例えば、すぐにでも事業を起こしたい人には「WILLFU(WILLFU社会人講座)や「キャッシュエンジン」「グロービス経営大学院」などがあります。
参照:【厳選7校】起業スクールの選び方や活用のコツ、独立までの7ステップ
ビジネスシーズをつかんでおく
日々の生活の中で、ビジネスシーズを見つけましょう。
- 消費者目線と経営者目線の両方で考える
- 仮説を立てて調べる
- 起業家と交流する
商品やサービス、広告を見かけたら、消費者として「なぜこれが魅力的なんだろう?」経営者として「この仕組みでどうやって利益を出しているんだろう?」など、両方の視点で考えてみましょう。
「なぜ?」という疑問から、自分なりの仮説を立てて調べます。
起業家の先輩や起業を目指す仲間と交流することで、経営者としてのセンスを磨きましょう。
独立・起業を失敗しないための注意点
安定した会社員としての生活を捨てることに不安を感じるのは当たり前です。
独立・起業で失敗しないための注意点と、起業家としての心構えをもつためにできることを紹介します。
資金計画は入念に、慎重に
入念な資金計画と、最悪のケースへの備えが、独立・起業の成功を左右します。
1. 悲観的なパターンでシミュレーション
2. 自己資金と補助金・助成金
3. 生活資金は1年分
4. 収入確保の手段を確保
楽観的な計画は避け、最悪のケースを想定した資金計画を立てましょう。
現実的に用意できる自己資金と、補助金・助成金に頼らない計画を立てましょう。
事業の運転資金とは別に、最低でも半年、できれば1年分の生活資金を確保しましょう。
事業が軌道に乗るまでの間、収入確保の手段を確保しておきましょう。
今の職場・取引相手には不義理を働かない
いずれ独立するからといって、今の職場や取引相手に不義理を働いてはいけません。
彼らは将来、自分の事業の取引先になるかもしれません。
そうでなくとも、不義理を働いたことが原因で悪い噂が立つかもしれません。
何より、経営者にとって誠実であることは重要です。
誠実な経営者の元には仕事が集まり、困ったときに助けてくれる人も多いでしょう。
今のうちから”誠実であること”の練習をすること、誠実な行いを習慣づけることを心がけましょう。
最初から稼げると思わない
独立・起業して最初から稼げると思ってはいけません。
多くの場合、起業から収益化までには時間がかかります。
焦りは失敗の原因となります。
中長期的な視点で経営判断を下せるように、余裕を持って資金を準備しましょう。
具体的には、生活費+事業運営費+予備費を確保しておくことをおすすめします。
独立・起業後の計画もしっかりと
独立・起業は簡単ですが、継続するのは容易ではありません。
スモールスタート、資金計画、事業以外の収入源など、継続のための工夫を忘れずに取り組ましょう。
合格点はどこ?目標を見失わない
独立・起業を成功させるためには、具体的な目標設定と撤退基準の設定が重要です。
目標設定
定量的な目標: 年商、店舗数など、具体的な数字
定性的な目標: 社会貢献度、顧客満足度など、数字で表せない目標
撤退基準
資金繰りが悪化した場合
目標達成の見込みがなくなった場合
モチベーションが維持できなくなった場合
心身の健康を損なう可能性がある場合
実際に独立・起業した先輩事例10選
実際に独立・起業した先輩の事例を5つのカテゴリーから10個紹介します。
早期退職後、脱サラで成功
ストック型のビジネスモデルで売り上げを伸ばし続ける迫田達夫さんは、大手製薬会社で約20年活躍した後、早期退職制度で退職。
製薬会社でのキャリアや、8年間入院していた母をマッサージし続けた父を見てきた経験を活かし、在宅マッサージのフランチャイズに加盟し独立・起業しました。
全く動かなかった母の手が父のマッサージで少し動くようになったこと、同じ病室に同じような患者さんがいたことから”これは大きなニーズがある”と考えたといいます。
身近な出来事からニーズを捉え、独立・起業に結びつけた成功事例です。
たばこメーカーの営業職として20年勤務した後、早期退職のタイミングで独立を決意した安井丈晴さんは、友人たちが隣県まで買いに行く”フルーツサンド”に勝算を見出し、今では開業初月から月収100万円、毎日30分で売り切れるフルーツサンド店を経営しています。
加盟チェーンの”短時間で売り切れる”というコンセプトに半信半疑なところもありながら、”加盟金を回収できるよう、本部がしっかりフォローする””将来フルーツサンドが下火になっても新しいビジネスを提案する”という、本部社長の誠実な人柄が加盟の決め手になったといいます。
早期退職で成功した先輩起業家の事例はこちら
副業で成功
長年パチンコ業界で働き、店長として活躍してきた高橋和義さんは、会社員を続けながら副業を始め、その1年後にフランチャイズに加盟しポップコーン販売で起業しました。
最初は副業のつもりだったものの、あまりの売れ行きに作業が追いつかず、開業2日目に脱サラを決意したといいます。
実は、高橋和義さんはポップコーン販売の前にもウォーターサーバーを販売する副業をしていました。
副業として経験してみることで見えてくることもあったのでしょう。
ポップコーン販売を始める際は事前に疑問を洗い出し、社長に100項目ほどの質問をし、トータルで7時間は話したといいます。
動きながら考えること、すべての疑問と不安を解消するために遠慮せず質問と相談をすることで、手堅いビジネスを見極めた事例です。
IT機器メーカーに勤務しながら、会社員の仕事を終えた夜の2時間に副業タイムを設けていた永野嘉之さんは、自らの結婚経験を機に結婚相談所のビジネスに興味を持ち、まずは副業としてスタートしました。
40歳で奥さんと出会い子どもも生まれ、幸せを実感しているという永野さんは、自分の支援で幸せを感じる人が増えるならという想いで結婚相談所に興味を持ったといいます。
自分と同じような幸せな人を増やしたいという想いが軸にあるからこそ、クライアントも信頼して相談できるのでしょう。
副業で成功した先輩起業家の事例はこちら
夫婦、親子で成功
遠藤一己さん・峰子さん夫妻は、夫が病気を患ったのを機に”2人で一緒にできる事業”を探し、スマホ・ブロードバンド総合代理店の事業を始めました。
スマホやタブレットの販売だけでなく修理も行うこの事業。夫は器用で細かい仕事が得意、妻は営業経験があるという、2人の強みを活かした事業を展開しています。
2人が重視したのは”体の負担が少ない働き方””副業として始められる””低資本で始められる”ことです。
お互いを思いやる気持ちと、ライフワークバランスの優先順位を明確にした事業選びが功を奏し、公私ともに充実した生活を送っているといいます。
役者を目指す息子と2人で開業した関根明俊さん親子は、ふすまや障子、網戸の張替えビジネスを始めました。
父・明俊さんは30年にもおよぶ営業職の経験を活かし、自分に合った事業を見極めたといいます。
事業選びの基準は”自宅で開業できること”と”低資本で始められること”に加え、”これから伸びるシニア向け事業であること””競合が少ないこと”です。
さらに、自宅はベッドタウンとして40年経つ街であり、ビジネス・商材に適したエリアだったといいます。
30年かけて磨いてきた営業としての勘を活かし、戦略的に事業を選んだ事例です。
二人で成功した先輩起業家の事例はこちら
女性起業家の成功
コロナ禍を機に”定年に関係なく働ける仕事をしよう”と独立を決意したクレープ&カフェ移動販売事業のオーナー。
ちょうど子どもが小学生になるタイミングで”やりがいのある仕事に挑戦したい””だけど社会が落ち着くまでフルタイムの仕事はあきらめるしかないのかも”と思っていたときに、独立という働き方に出合ったといいます。
パートの仕事をしていた頃は参観日で休むことが難しく、勤務日数を減らせば収入も下がるというジレンマを抱えていました。
路面店やテナントと違い、移動販売の仕事は自分でスケジュールを決められるのが良かったといいます。
ライフステージや理想の生活スタイルを軸に、自分に合った方法で独立した事例です。
スマホやタブレットの販売や本部買取、修理を行う総合代理店に加盟したオーナーは、会社員時代に感じた限界を、独立・起業で乗り越えたといいます。
以前は自動車関連企業の事務として働き、業務の一環で携帯販売もしていたというオーナーは、企業という枠組みでは対応しきれないことも少なくないと感じていました。
”解消しきれない困りごとに応えられるビジネスがあれば成功できるのではないか”と、販売・買取・修理から法人向け通信商材の提案まで、臨機応変な対応ができるこの事業に魅力を感じたといいます。
個人・小規模だからこそできる”小回りのきく対応”を武器に、前向き思考でビジネスを進めています。
”類は友を呼ぶ”というように、自分が前向きだからこそ出会うお客さまも前向きな人ばかりで、お客さまとの”縁”に感謝しながら日々を過ごしているそうです。
女性起業家の成功事例をもっと読みたい方はこちら
事業承継で成功
キャンプ用品等のEC事業を個人M&Aで引き継いだオーナーは、コロナ禍をきっかけに独立を志します。しかし、事業をゼロから始める年齢でもないと考え、フランチャイズや事業承継での独立にシフトしたといいます。
半年ほどをかけて情報収集し、フランチャイズのセミナーにも参加したものの、いまいち響くものがありませんでした。”もう少しオリジナリティを出しながら成功を目指せるものがやりたい”と考え、事業承継実践プログラムに参加を決めました。
時間と労力をかけて入念に情報を集めることの大切さ、自分の気持ちに正直でいることが事業成功につながることを教えてくれる事例です。
大手食品メーカーに20年半勤務し、事業部長も勤めていたというレストランオーナーは、地元地域を元気にしたいという想いから退職を決意。地元に戻り独立を目指したといいます。
親戚が地元で商売をしていて、”社長”という役職に漠然とした憧れを持っていたオーナー。地元を元気にするには事業承継がいい手段だと思ったものの、手順がわからず不安だったことから事業承継のセミナーに参加しました。
M&Aについてきちんと学び、見るポイント・考えるポイント・聞くポイントのコツが掴めたといいます。セミナーは専門家にいつでも相談できる伴走スタイルで、腹を割って相談できたことでエントリー、トップ面談に進めました。
わからないことをそのままにせず学ぶこと、専門家に相談することの大切さを教えてくれる事例です。
事業承継で成功した先輩起業家の事例はこちら
参考:【個人M&A支援プログラム受講生の成約事例】 滋賀県の40代男性が創業126年の食肉・惣菜加工品の販売会社 「株式会社カネ吉ヤマモトフーズ」の5代目社長に就任
まとめ
独立・起業を成功させるには、事前準備が大切です。
しかし、独立・起業にはさまざまな方法があり、資金も必要です。1人でやりきるのは大変でしょう。
そんな方におすすめなのが、独立・企業に役立つツール・コンテンツが無料で使い放題の”アントレ”です。
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よくある質問
Q:独立・起業を準備するベストなタイミングは?
A:最低でも起業の1年前から
独立・起業の準備は、最低でも起業の1年前から始めておきましょう。
準備期間に余裕があれば、営業リストを多めに用意し、それぞれの営業先に合った戦略を立てたり資料を用意したりすることもできるでしょう。
Q:独立・起業に向いている人/向いていない人の特徴とは?
A:向いている人は「行動力と思考力があり、時にリスクをとる選択ができる人」
向いていない人は「成功の裏技や近道を信じて疑わない人、リスクをとることが難しい人」
独立・起業に向いている人と向いていない人の主な特徴は以下のとおりです。
【独立・起業に向いている人の特徴】
・行動力がある
・リスクを取れる
・自分の頭で考えられる など
【独立・起業に向いていない人の特徴】
・考える前に人に聞いてしまう
・成功の裏技や近道があると思っている
・”絶対大丈夫”という確信がないと動けない など
独立や起業に絶対の正解はありません。
同じ業種で起業するとしても、起業するタイミングや自分の強み・リソースによってベストなやり方は異なります。
わからないことがあるとき、まずは自力で調べて、自分の頭で考えてみましょう。
自分なりの仮説を立ててから起業の先輩に相談してみることで、より自分に合った答えが見つかるはずです。
Q:一人でも独立しやすい仕事って何?
A:自分のスキルや経験を活かせる仕事
資格や免許が必要ない仕事
初期投資が少ない仕事
競争相手が少ない仕事
もっと詳しく知りたい方はこちらを読んでください。
参考:独立とは|一人で独立しやすい仕事と向いている人の特徴、注意点なども解説!
自分の性格や活かしたいスキル、理想の働き方により、独立の方法は変わってきます。
独立・起業の方法や性格ごとにおすすめの職種、働き方について紹介するので、自分に合った方法を探してみましょう。
Q:独立・起業する方法とれぞれの特徴を知りたい
A:自力/フランチャイズ/フリーランス/個人M&A
独立・起業には、大きく4つの方法があります。
どの方法が自分に合っているかは、自身の性格、スキル、経験、目標などを考慮して選ぶことが大切です。
1. 自力で起業・独立
自分のお店や会社を自分で作る
自由度が高い
集客やブランディングなど、全て自分でやらなければならない
世の中にない新しいことに挑戦したい人、やりたいことが明確な人、自分で考えたり行動したりするのが好きな人に適している
2. フランチャイズ・代理店加盟
フランチャイズや代理店に加盟して独立する
未経験の分野で独立したい人、サポートを受けながら事業を拡大していきたい人に向いている
フランチャイズ本部からノウハウやサポートを受けられる
成功率が自力での起業に比べて高い傾向
フランチャイズ本部にロイヤリティを支払う必要がある
運営方法に制限がある
参照:フランチャイズは儲かる?開業するメリットやデメリットまとめ
3. 業務委託・フリーランスとして独立
自分のスキルを活かして、企業や個人の業務を委託される
独立のコストが比較的低い
失敗のリスクも小さい
ライター、デザイナー、プログラマーなど、様々な職種がある
自分一人で営業から実務、事務作業までこなす必要がある
収入が安定しない
参照:フリーランスになるには?向いている職種と知っておくべきメリット・デメリット
4. 個人M&A・事業継承
既存の事業を引き継いで独立する
経営経験が豊富な人、事業を通して社会に貢献したい人に向いている
事業規模をすぐに拡大できる
後継者不在問題の解決に繋がる
M&Aの種類には、株式譲渡、事業譲渡、合併、会社分割などがある
参照:「事業承継とM&Aの違いとは? M&Aのメリット・デメリットを紹介」
また、いきなり独立するのではなく、会社に勤めたまま、まずは副業として事業を始める方法もあります。
今の生活・収入を保ったまま事業を起こし、人脈や実績を作ったり資金を貯めたり、独立に向けた準備を進められます。
ただし、期限や目標を決めて取り組まないと、準備がなかなか進まなくなってしまうため、”取引先〇件””時給換算で〇円””本業の月収を超えたら”など、独立の条件を具体的に決めることが大切です。
Q:独立・起業におすすめな職種は何?
A:性格によって選ぶのもあり
どんな職種で独立・起業するか迷っているなら、自分の性格を軸に考えてみるのもいいでしょう。
人とかかわることが好きな人は”営業・接客業”
人とかかわることが好きな人には”営業・接客系”の職種がおすすめです。
特定の相手と密な関係を築くのが好きな人、人の悩みを解決するのが得意な人には営業系が、たくさんの人とかかわりたい人には接客系が向いています。
・営業代行
・飲食業
・小売店
・買取販売
・結婚相談所 など
コツコツ作業することが好きな人は”職人系”
コツコツ作業することが好きな人には”職人系”の職種がおすすめです。
職種によっては、フランチャイズを活用すれば未経験でも独立しやすいものもあります。
・リペア、修理
・家事代行
・ハウスクリーニング
・ハンドメイド など
チームワークに自信がある人は”店舗運営”
自分のお店を持ち、スタッフと協力しながら売り上げアップやリピーター獲得を目指していく店舗運営は、チームワークに自信がある人におすすめです。
自分が気に入った相手と一緒に働ける、仲間と協力して働くことでしか得られない達成感があるなど、何かとメリットのある方法です。
・学習塾
・飲食店
・小売店
・エステサロン
・介護施設 など
人の話を聞くことが好きな人は”コンサルタント・インストラクター”
クライアントの悩みや目標を聞き、アドバイスをしながら二人三脚で解決・達成を目指す”コンサルタント・インストラクター”は、人の話を聞くことが好きな人におすすめです。
人から感謝されることが多く、やりがいがあるでしょう。起業に必要な資金が少なく、商品の仕入れもないため、利益率が高く低リスクで始められるのもメリットです。
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アントレ流働き方診断|独立・開業・フランチャイズ募集の【アントレ】
<文/赤塚元基>