起業したいと考えている人の中には、「何から始めていいか分からない」、「起業するための資金がない」という方もいるかもしれません。起業の方法や資金調達の仕方はいくつかあるので、自分に合った方法で起業するのをおすすめします。本記事では、起業する方法や起業する際の資金調達の仕方をそれぞれメリット、デメリットなどを交えながら紹介していきます。
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起業の方法には2つのパターンがあります。それは個人事業主として起業する方法と法人として起業する方法です。まずは、起業の方法とそれぞれのメリット、デメリットについて紹介していきます。
個人事業主として起業する
個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人を指します。個人事業主として起業する方法には、“雇用関係がなく特定の企業に属さない”“個人事業主の事業収入はそのまま自身の所得になる”という特徴があります。
個人事業主と混同されやすい働き方にフリーランスがあります。フリーランスは、特定の法人や団体に属さず仕事を請け負う“働き方”を意味する言葉です。それに対し、個人事業主は継続して事業を行う個人のことであり、税法上の区分を表す言葉であるという違いがあります。
法人を立ち上げて起業する
法人とは、“自然や人以外で、法律によって“人”として定められているもの”で法人格とも呼ばれます。日本では“人・財産から成る組織に権利能力が与えられたもの”を法人としています。”権利能力”は、法律行為を含む経済活動を指します。法人では、個人事業主とは異なり、収入を給与という形にします。そして、それを経費として計上できるので節税を行いやすいという特徴があります。
個人事業主として起業するメリット・デメリット
個人事業主として起業するメリットは、起業する際に税務署に「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(開業届)を出すだけであることから、起業するための手続きが法人に比べると容易でハードルは低いでしょう。税理士などに頼まなくても経理ソフトなどを使えば簡単に確定申告で納税できることもメリットの1つです。
デメリットとしては、法人に比べると社会的信用度が低いことが挙げられます。顧客獲得やさまざまな契約をする際には法人の方が有利でしょう。また、個人事業主の所得にかかる所得税は累進課税制のため、一定以上の所得を得るようになると法人よりも税金面の負担が大きくなってしまうというデメリットもあります。
法人を立ち上げ起業するメリット・デメリット
法人を立ち上げて起業するメリットは、信用度が高いとされることです。個人事業主に比べ、定款の認証や登記などの複雑な手続きを行っているため社会的信用度が高くなることが多く、顧客の獲得などにつながりやすいでしょう。
また、法人税は税率が2段階に分かれており、基本的に固定です。そのため一定以上の所得を得ることができれば、節税につながるというメリットもあるでしょう。デメリットとしては、設立の手続きに費用がかかってしまうことが挙げられます。法人税の最低税率は所得税よりも高いことから、ある程度の所得がないと税金で損してしまう可能性があるという点です。
個人事業主として起業する方法
メリットとデメリットを理解した上で、個人事業主として起業したいと考える方に向けて、個人事業主として起業する方法を具体的に紹介していきます。
税務署に開業届を提出する
個人事業主として起業するには、事業開始日から1ヵ月以内に開業届を納税地の税務署に提出します。
年商が上がったら“法人成り”も考える
法人成りとは、個人事業主として起業していた人が、法人を設立し、個人事業主から法人へ事業を引き継ぐことです。
個人事業主が”法人成り”することで節税や信頼性の向上につながるでしょう。特に個人事業主は所得税、法人は法人税がかかりますが、個人事業主が納付する所得税は累進課税です。ある程度の所得を得ることができるようになると、固定税率である法人税を納税する方が節税につながるでしょう。
法人を立ち上げて起業する方法
法人を立ち上げて起業する方法は、個人事業主として起業する方法よりもハードルが高く感じられるかもしれませんが、この方法を具体的にみていきましょう。
STEP1.会社の基本情報を決める
まず会社の形態を“株式会社”“合同会社”“合名会社”“合資会社”の4種類から事業内容や将来性などを加味して決定しましょう。株式会社と合同会社は有限責任でリスクをある程度小さくできるという点でおすすめです。
商号(会社名)は、商標登録されている名称はNGなど基本的なルールはあるものの、事業内容を想起させるものや自分の名前に関連したものなど自由に決めることができます。
事業目的は、設立した会社で具体的にどのような事業を行うのかを決めるためのものです。これは会社のルールを定めた定款に記載する必要があり、この定款に定められていない事業は、開業後に行うことはできないので将来を見据えて記載するようにしましょう。
次に、本店所在地を決定しましょう。事業を行っている場所だけではなく自宅やレンタルオフィスを登録することも可能です。
STEP2.会社としての印鑑を用意する
法務局で、法人設立の登記をする際や起業後に、3種類の印鑑が必要になります。
1つ目は会社実印で、代表者印、法人実印などとも呼ばれているものです。会社実印は、法人設立の登記はもちろん、起業後のさまざまな契約書面などで使用されます。大きさの制限はありますが、形状などは自由であり、一般的には、直径18mmの丸印を用いることが多いです。
2つ目は銀行印で、銀行届出印などとも呼ばれているものです。銀行印は、銀行の口座開設をする際に必要となります。銀行印として、会社実印を代用することは可能ですが、紛失や悪用を防ぐためには、銀行印と会社実印は別々にした方が良いでしょう。
3つ目は角印で、社印などとも呼ばれているものです。角印は、請求書や領収書などの、会社実印よりも重要度の低い書類に使用されることが多いでしょう。角印も形状などは自由ですが、正方形の形状のものが使われることが多いです。
STEP3.資本金を用意する
資本金が1円以上あれば、会社を設立することは可能です。しかし資本金が少ないと、社会的信用度が下がってしまい、取り引きをしてもらえない可能性もあります。資本金は多いに越したことはないですが、初期費用のほかにも、ある程度、事業を続けられるほどの金額が必要になってくるでしょう。
また、資本金が1,000万円未満の会社は設立から2年間は消費税が免除されるというメリットがあります。
STEP4.定款を作成する
定款とは、基本的な会社のルールを定めたものをいいます。法人として起業する場合、定款を作成する必要があります。
この定款には、必ず記載しなければならない絶対的記載事項があります。「商号」「事業目的」「本店の所在地」「設立に際して出資される財産の価額またはその最低額」「発起人の氏名または名称及び住所」の5項目は、記載必須事項であり、これらの設定がない場合は定款が無効になってしまう可能性があるので注意が必要です。
STEP5.定款の認証を受ける
作成した定款は、公証役場の公証人から認証を受けます。定款認証は、本店の所在地を管轄する法務局または地方法務局の所属公証人しかできません。
例えば、東京都内に本店を置く会社等の定款は、東京法務局所属の公証人(東京都内の公証役場の公証人になります)が認証し、それ以外の地域に所属する公証人は認証できません。
合同会社の場合は、定款の作成は必要ですが、公証人による認証の手続きは不要となります。
STEP6.資本金の払い込みをする
資本金の払い込みは、定款が認証された日以降に行います。発起人の個人名義の銀行口座を用意して、そちらに振り込みをします。発起人が複数いる場合は、誰か1人の口座にまとめて振り込みます。
登記申請の際に、資本金が振り込まれたことを証明する払込証明書とともに、以下のものが必要になるため表紙・表紙の裏のページ、資本金の振り込みが記帳されているページをコピーしておきましょう。
払込証明書には、「払込があった金額の総額」「払い込みがあった件数」「1株の払込金額」「日付」「本店の所在地」「商号」「代表取締役の氏名」の7項目が必要になります。
これを上から、「払込証明書」「通帳のコピー(表紙)」「通帳のコピー(表紙の裏のページ)」「通帳のコピー(資本金の振り込みが記載されているページ)」の順にホチキスで綴じて、各ページの境目に代表者印を押印します。
これで資本金の払込証明書の作成が完了です。
STEP7.法務局での登記申請
登記申請の際に必要な書類は以下です。
・登記申請書
・登録免許税分の収入印紙を貼付した台紙
・登録すべき事項を保存したCD-R
・定款
・取締役の就任承諾書
・資本金の払込証明書
・印鑑届出書
・発起人の印鑑証明書
・代表取締役の就任承諾書
・取締役の印鑑証明書
となります。これらの書類をそろえて、代表取締役が登記申請を行います。
STEP8.登記事項証明書の取得
会社設立が無事に完了すれば、登録事項証明書を取得できます。登録事項証明書は、銀行で法人口座を作るときや税務署へ各種届け出をするときに必要になります。
登録事項証明書の発行には手数料がかかりますが、会社の設立直後は使う機会が多くなるため、複数取得しておくと良いでしょう。法務局に行って直接申請する方法や郵送・オンラインでの申請の仕方もあります。
STEP9.印鑑カードの取得
印鑑カードは、会社の印鑑証明書を請求するときに必要です。印鑑証明書は、金融機関に提出を求められたり、さまざまな契約を締結したりする際に必要になります。そのため会社設立の完了後、法務局に印鑑カード交付申請書を提出しましょう。印鑑カード交付申請書は、各法務局に置いてありますが、法務局のHPからダウンロード後郵送するという方法もあります。
印鑑カードを取得したら、法務局で印鑑証明の交付を申請します。
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起業した後に必要な手続き
ここまで起業する方法についてそれぞれ説明しましたが、起業後にも必要な手続きがあるので紹介していきます。
個人事業主の場合
起業後はさまざまな届け出が必要になります。まずは各都道府県税事務所と市区町村役場に個人事業を開始したことを知らせる「事業開始等申告書」を提出します。
そして税務署に確定申告の際に青色申告を行うための「所得税の青色申告の承認申請書」を提出します。場合によっては、青色申告を行う際に家族従業員に対する給与を経費としてもらうための「青色事業専従者給与に関する届出書」なども起業後に必要になります。
●東京都の場合
法人の場合
法人の場合も、会社設立後にさまざまな届け出を行わなくてはなりません。
税務署に届け出が必要な書類は、以下です。
・会社を設立したことを知らせるための「法人設立届出書」
・確定申告の際に青色申告を行うための「青色申告の承認申請書」
・給与を支払うための「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」
・毎月納める所得税を半年に一度にまとめて納めることをできるようにする「源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書」
さらに年金事務所に届け出が必要な書類は、会社が社会保険の適用の対象になったことを知らせるための「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」、それと同時に提出する「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」です。
また、従業員を雇った場合は、労働基準監督署で労働保険の加入手続きが必要になります。労働基準監督署に届け出が必要な書類は、以下です。
・会社が労働保険の適用対象となったことを知らせる「労働保険関係成立届」
・従業員を雇った場合に提出する「概算保険料申告書」
・適用事業報告書や従業員が10名以上になった際や、就業規則を変更した際に提出する「就業規則(変更)届」
労働基準監督署での手続き後、ハローワークに雇用保険の適用を受けるための「雇用保険適用事務所設置届」と従業員を雇用保険に加入させるための「雇用保険被保険者資格取得届」を従業員を雇用した10日以内に提出する必要があります。
「[手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」(国税庁)
「[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」(国税庁)
「事業所を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」(日本年金機構)
「主要様式ダウンロードコーナー (労働基準法等関係主要様式)」(厚生労働省)
「雇用保険適用事業所を設置する場合の手続きについて」(厚生労働省)
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起業するときの資金調達の仕方
起業する際、重要なのが資金調達です。起業の際の資金調達の方法として3つの方法を説明します。
出資を受ける
起業時の資金調達方法1つ目は出資を受けることです。出資を受けるということは、企業や事業の成長を期待して資金を提供してもらうことです。出資の例としては、ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家などが挙げられるでしょう。
ベンチャーキャピタルは高い成長が予想されるベンチャー企業やスタートアップ企業など未上場企業に対して、ハイリターンを狙って出資を行う投資会社です。
エンジェル投資家は、スタートアップ企業などの起業家に資金提供を行い、企業や事業を援助する個人の投資家のことをいいます。
ベンチャーキャピタルはさまざまな投資家から資金を集めるので、数億円ほどの大規模な出資になるでしょう。エンジェル投資家は個人のため数百万円から数千万円ほどの出資になるでしょう。出資は、“融資”と違い、基本的には返済義務がないというメリットがあります。しかし、ベンチャーキャピタルからもエンジェル投資家からも、有望な会社でないと起業直後の資金調達は難しいとされています。また起業家自身が保有する株の比率が下がるため、経営について投資家が強く関与してくるというデメリットもあります。
融資を受ける
起業時の資金調達方法2つ目は融資です。
融資とは、金融機関などから資金を借り入れる資金調達方法です。返済する際には借り入れ元本と併せて利息も支払います。融資を受けるには、事業計画書を作成し、審査をクリアすることが必要です。融資にはさまざまな方法がありますが、主なものを紹介します。
まず、日本政府金融公庫の国民生活事業の「新創業融資制度」があります。起業前でも申し込みができる点や借入金額にもよりますが、無担保で融資を受けられるなどのメリットがあります。
銀行からの融資は、顧客などの情報を聞くことができるなどのメリットがあります。また信用金庫からの借り入れは銀行よりもハードルは低いですが、どちらも金利の負担が発生したり、起業直後には利用することが難しかったりするというデメリットがあります。
補助金・助成金を活用する
起業時の資金調達方法3つ目は創業補助金です。創業補助金とは、国や地方自治体による制度で、起業する人や起業して間もない企業が利用できる補助金です。基本的には返済不要の場合が多いことや起業前、起業後のどちらでも申請することができることが多いという利点があります。各補助金・助成金には、さまざまな条件が設定されており、申請しても必ず受給できるわけではありません。
起業する方法も開業費用も人により異なる
起業の方法や資金調達の仕方は人によって異なるでしょう。自分に合った方法で起業していくことが大切です。また、起業すること自体は誰でも可能ですが、事業を存続していくことがとても大事です。事業内容や規模によっては、資金調達が必要になる場合もあるため、起業する前に事業計画や資金調達などの準備をしておきましょう。
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