海外進出する日本人を応援するビジネスを24年も続けてきた、海外研修ビジネスの第一人者、豊田圭一さん。
何かをやりたいという熱意だけで入社3年目に大手建設会社から無謀にも飛び出したあと、うまく軌道に乗せた会社を手放し、また新たな会社である株式会社スパイスアップ・ジャパンを創業。
現在はスパイスアップグループを国内外で9社束ねているが、マネジメントはしないと言い切ります。
マネジメントをしない経営とは? 海外でのビジネスで成功するにはどうすればよいのか? など、海外でのビジネスの経験から豊田さんが学んだこと、心がけていることについてお伺いしました。
株式会社スパイスアップ・ジャパン 代表取締役 豊田圭一さん
「海外で活躍する日本人を創りたい」という思いで、大手建設会社から独立し、先輩社員たちと留学支援の会社を1994年に設立。十数年の苦労ののち、軌道に乗った会社を仲間に譲渡。
2011年に、株式会社スパイスアップ・ジャパンを新たに創業した。
スパイスアップ・ジャパンは、海外での実地研修を軸に国際人材の育成を主に行う。現在では国内3社、インド、タイ、シンガポール、ベトナム、スリランカ、カンボジアなどの複数のグループ会社を持つグローバルな会社で、各国の事業展開はさまざまではあるが、研修事業を主軸にしている。マネジメントをしない経営者であり、起業家を目指している。
株式会社スパイスアップ・ジャパン
https://spiceup.jp/
グループ会社
Spice Up Academia, Inc.
Spice Up Woman, Inc.
Spice Up Singapore Pte Ltd
Spice Up Vietnam Co., Ltd.
Spiceup India Pvt. Ltd.
Spice Up Lanka Corporation (Pvt) Limited
Spice Up Cambodia Co., Ltd.
Spice Up (Thailand) Co., Ltd.
海外で仕事がしたいという熱意だけで独立
ー豊田圭一さんの独立したきっかけを教えてください。
1992年バブル期に清水建設株式会社に入社しました。ですが、約3年で退社しました。バブルが崩壊し、海外赴任という道が狭き門に変わってきたからです。
私は海外での仕事がしたくてこの会社に入ったのですが、海外赴任の機会が無さそうな雰囲気を感じました。そして、同じような思いを持っていた先輩社員と一緒に海外留学をサポートする会社を設立することになりました。
今となってはお恥ずかしい限りですが、当時は勢いだけで何も考えていなかった。
海外で仕事がしたいという熱意だけしかなかった(苦笑)。ですから、10年くらい、苦労しながら会社を軌道に乗せていくことになりました。
ーその会社が豊田さんが現在、代表を務めるスパイスアップ・ジャパンですか?
いえ、違います。
約10年かけて軌道に乗せた会社は全て仲間に譲って、新しく私1人で立ち上げた会社がスパイスアップ・ジャパンです。2011年に創業しました。また、ゼロからのスタートです。
ー軌道に乗せた会社を手放したのはなぜですか?
実は、最初の会社は数名の先輩との共同経営だったのですが、途中から先輩たちが抜け、私が中心になって経営することになったのです。そのときに、自分の能力の限界と注力すべきことに気がついたのです。私はリーダーシップはあるが、マネジメントが得意ではないと。ですから、限界を感じたマネジメントはせずに、私の得意で注力すべきリーダーシップのみに特化した会社の形を模索するべきだと。