【この記事でわかること】
・起業に失敗してしまう人の特徴
・起業を失敗することに伴うリスク
・起業に失敗してしまった事例
「起業したい!」と思っていても、失敗したときのリスクを考えるとなかなか一歩が踏み出せない方も少なくないでしょう。どんな人が起業に失敗しやすいのか、どんな失敗例があるのかを知り、起業に失敗することにどのようなリスクが伴うのかを学んで、対策を練っておきましょう。
起業に失敗してしまう人の特徴3選
起業に失敗してしまう人には、共通した特徴があります。
起業を志している方の中には紹介する特徴に当てはまってしまう方もいるかもしれませんが、事前に知っておくことで対策を練られるようになります。
【起業に失敗してしまう人の特徴】
1.起業することが目的になっている人
2.資金計画が立てられない人
3.経営者としての感覚がない人
起業に失敗してしまう人の特徴について、詳しく解説していきます。
1.起業することが目的になっている人
起業を目指す人の中には、起業すること自体が目的になってしまっている人もいます。
しかし、起業するにあたり大事なのは「起業によってどのようなことを成し遂げたいか」です。
つまり、起業はただの手段に過ぎないのです。起業が目的になってしまっている方は起業した後の方向性を見失いがちなので、軸をブラさないための信念が必要になります。
2.資金計画が立てられない人
起業するにあたり金銭感覚は重要で、初期費用以外にも会社を回していくためには十分な運転資金を確保しておく必要があります。
不十分な資金計画のまま起業してしまうと、早い段階で資金不足に陥りかねません。
3.経営者としての感覚がない人
起業をして経営者になると、会社員として雇われているときとは全く違う感覚が求められます。今までは経営層や上司が道標となってくれていましたが、経営者になったら事業をどのように回し収益化につなげていくのか、そのためには何をすべきなのかなどを戦略的に考えて行動していかなくてはなりません。
起業を失敗することに伴う3つのリスク
起業に失敗してしまうと、どのようなリスクを伴うのでしょうか。
借金してしまったり、家庭崩壊してしまったりなどのイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし起業を失敗した際における実際のリスクはイメージしたものとは異なるものもあります。
どのようなリスクが伴うのかを理解しておくことは、起業に挑戦するにあたり重要です。
【起業を失敗することに伴うリスク】
1. 自己破産するリスク
2. 周囲で噂されてしまうリスク
3. 再就職が難しくなるリスク
以上について、解説していきます。
1. 自己破産するリスク
上手く資金繰りができないと運用資金が足りなくなってしまい、場合によっては自己破産に至るリスクがあります。社長が個人名義で借金していたり、保証人になってしまっていたりすると、会社が倒産したときに経営者も自己破産してしまうリスクが伴います。
起業したばかりで実績がなく会社の信用がない場合、起業した経営者が会社名義ではなく個人名義で借金するケースがよくあります。
このような借金を作ってしまうと、会社が倒産してしまった後も個人名義の借金は残ってしまうので、返済ができないと自己破産に至ってしまうことが多いでしょう。
また、借金が会社名義であっても経営者が連帯保証人になっている場合、個人名義での返済義務が残ってしまいます。返済が滞れば自己破産以外の選択肢がなくなることを理解しながら、自己資金に余裕を持つこと、助成金や融資の活用をするなどリスクを減らすよう心掛けましょう。
2. 周囲で噂されてしまうリスク
親戚、友人、近隣住民などに起業に失敗したということが知られると、噂されてしまうこともあるでしょう。
世間体が気になるタイプの人の場合、周囲で噂されることが一番のデメリットになってしまうこともあるかもしれません。
特に日頃から大きなことを言っていた人は、知らぬうちに周囲の反感を買っていることがあります。
失敗してしまうと、反感を買っていた分だけ惨めな思いも強くなるかもしれません。味方を作り、支援してもらいやすい関係を構築することもリスクを減らすひとつの手段です。
3. 再就職が難しくなるリスク
起業に失敗してしまうと、しばらくの間は会社員やアルバイトなどをして生活費を稼ぐことになるでしょう。
しかし、一度でも「経営者」という経験をすると、会社員に求められるような組織的な働き方にはなかなか馴染めず、辛い思いをしてしまうこともあるかもしれません。また経営者としての経験があると、企業からも扱いづらいと思われてしまい、思うように就職先が決まらないという事態も起こりえます。
特に年齢を重ねるにつれて体力や適応力などが衰えてしまう傾向にあり、採用のハードルが高くなってしまうでしょう。起業する際、起業がうまくいかなかった際のライフプランも考えておくことをおすすめします。
起業に失敗してしまった事例3選
実際に起業に失敗してしまった事例をみてみましょう。
失敗例1.見込み顧客が顧客にならなかった
会社員時代、取引先や友人から「起業したら声をかけてよ!」と言われていたため、これだけの見込み客がいるなら盤石と起業を決意したAさん。いざ起業したら想定の半分以下しか顧客にならず、慌てて集客を検討することに。社交辞令を信じすぎて失敗してしまったケースです。
起業する前、就業中や副業中に見込み顧客を獲得して「これだけの見込み顧客がいれば起業しても安泰だ!」と思っていたとしても、実際に顧客になってもらえるという保証はありません。
起業する時期を見極める人の中には「見込み顧客がこれくらい獲得できたら起業しよう」と思っていた方もいるかもしれません。しかし、見込み顧客はあくまで”見込み顧客”であり、過大な期待をかけすぎないことが重要です。
「見込み顧客が顧客になってくれなかったときのための人脈」や「新規開拓のための集客手法」など次の一手を常に頭に入れながら起業準備を進めることで失敗のリスクを減らせるでしょう。
失敗例2.資金が底をつきてしまった
起業するなら最新システムの導入や内装にもこだわりたいと思っていたBさん。事業を拡大するためには投資も必要と起業当初に想定以上の資金を使っていたそうです。しかし、起業後もなかなか売り上げが上がらず、資金回収に苦しんだという失敗事例です。
起業するにあたり、大きな目標を掲げることは悪いことではありません。むしろ、最終目標は大きいに越したことはありません。
しかし、起業して間もない時期に実現可能ではないような大きな目標を掲げてしまうと、資金が回しきれなくなるリスクがあります。資金が底をつけば、それ以上、ビジネスを継続することができません。
目標が大きいと、それを達成するまでにかかる期間も長くなってしまいがちです。売り上げが上げられるようになるまでの期間、どのようにキャッシュを回していくかによって起業後の資金計画は大きく変わってくるでしょう。
アイデアばかりが先行しすぎて現実味のある施策を実施できないでいると、売り上げがないまま資金だけがなくなっていってしまいます。
起業して事業が軌道に乗るまでの期間は大きく稼げなくても良いので、毎月少額でも安定して売り上げが得られるような体制や事業内容でコツコツと積み上げていくと、資金が底をつきてしまうような失敗にも見舞われないのではないでしょうか。
失敗例3.うまい話に乗せられてしまった
自分の周りに先輩起業家がいないため相談相手を欲していたCさん。ブランディングやマーケティングに不安がある中、コンサルタント会社を経営している人と知り合いに。安く提案するという言葉に乗せられ、言われるがままに相談するうちに、高額の請求が来てしまったという失敗事例です。
起業するのはとても勇気のいることです。どうしても不安が大きく、誰かにすがってしまいたくなる場面もあるはずです。
そんな不安定なときだからこそ、気をつけたいのが”ひよこ狩り”と呼ばれる起業して間もない経営者を狙う悪徳ビジネスです。
ひよこ狩りでは「うちで集客します」「ブランディングは任せてください」「セミナーや説明会を実施しましょう」など、まるでコンサルティング会社のようなことを提案してきます。
しかし、これらの話に「自分ではできないからぜひお願いしたい!」と乗っかってしまうと高額請求されてしまい、結果的に十分なサービスが受けられないだけでなく、そのままお金だけを持ち逃げされてしまう事態に見舞われてしまうこともあります。
後から利益にならないことに気付いても遅いので「この業者は本当に大丈夫か?」と、疑い深く取引先を見極めることをおすすめします。
起業にリスクはつきもの!事前に知って対策しておこう
起業するにはたくさんの不安がつきまといますが、リスクは避けられないものです。
実際に起業を志している方は、このようなリスクがあることを理解し、できる限りの対策を準備段階で練らなくてはいけません。事前にリスクを知っておくことはときに怖いことかもしれませんが、万が一のためにも向き合っておきましょう。
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