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【フランチャイズ】移動販売で開業するメリット|開業の具体的な流れも解説

フランチャイズ業種別

【この記事で学べること】

  • 移動販売のフランチャイズで陥りがちな失敗パターン
  • 失敗を回避し、成功を掴むための具体的な対策
  • 開業資金の目安や必要な資格、具体的な開業ステップ

移動販売(キッチンカーなど)での開業は、初期費用を抑えやすく本部のノウハウを活用できるフランチャイズが有力な選択肢です。

しかし、フランチャイズのメリットだけを見て安易に加盟を決めると「こんなはずではなかった」と後悔してしまう可能性もあります。

本記事では、移動販売のフランチャイズ開業で陥りがちな失敗事例を分析し、その原因と対策を徹底解説します。

未経験からでも着実に事業を成功させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

  1. そもそもフランチャイズとは?仕組みを解説
  2. 移動販売(キッチンカー)業界の現状と市場動向
  3. キッチンカーで人気の商材とそれぞれの特徴
    1. 低資金・高利益率を狙える「スイーツ・カフェ系」
    2. ランチ需要に強い「食事・軽食系」
    3. オペレーションが簡単な「パン・焼き菓子系」
  4. フランチャイズに加盟して移動販売(キッチンカー)を始めるメリット・デメリット
    1. フランチャイズに加盟して移動販売を始めるメリット
      1. 初期投資の抑制
      2. 経営ノウハウの提供
      3.  ブランド力の活用
    2. フランチャイズに加盟して移動販売(キッチンカー)を始めるデメリット
      1. ロイヤリティの支払い
      2. 自由度の制限
      3. 本部への依存
  5. 移動販売(キッチンカー)のフランチャイズで失敗するパターン
    1. フランチャイズ本部の選び方が悪い
    2. 運転資金不足
    3. 計画不足
    4. 客単価が低くて儲からない
    5. 体調管理が大変
  6. 移動販売での開業に必要な資金の目安
    1. 初期費用(開業資金)
    2. 運転資金
    3. 移動販売(キッチンカー)での開業に必要な資格と許可
  7. フランチャイズで移動販売(キッチンカー)を開業するまでの流れ
    1. フランチャイズ本部選び・説明会参加
    2. 加盟申込み・契約
    3. 研修・キッチンカーの準備
    4. 資格・営業許可の取得
    5. 開業
  8. 移動販売(キッチンカー)のフランチャイズで失敗しないために
    1. 出店時の人流や客層を考えて商品を提供する
    2. 客単価を上げる
    3. まずは副業からリスクヘッジして始める
  9. 移動販売(キッチンカー)のフランチャイズに関するよくある質問
    1. Q1.未経験からでも本当に成功できますか?
    2. Q2. 移動販売の車両はどうやって準備すればいいですか?
    3. Q3.移動販売は「儲からない」と聞きますが、実際のところは?
  10. キッチンカーのフランチャイズ成功はフランチャイズ本部選びがカギ

そもそもフランチャイズとは?仕組みを解説

フランチャイズとは、加盟店(フランチャイジー)が本部(フランチャイザー)と契約を結び、そのブランド名や商品、経営ノウハウなどを利用して事業をおこなうビジネスモデルです。

自力でゼロから開業する場合と異なり、本部の成功事例やサポートを活用できるため、未経験からでも短期間で事業を軌道に乗せやすいのが特徴です。

フランチャイズビジネスの市場規模やメリット・デメリットなど、基本的なことから知りたい方は、まずこちらの記事をご覧ください。

関連記事:https://entrenet.jp/magazine/25755/

移動販売(キッチンカー)業界の現状と市場動向

参考:J-Net21

近年、移動販売(キッチンカー)業界は著しい成長を見せています

コロナ禍を経てテイクアウト需要が定着したことに加え、イベントやランチ出店の機会も増加しており、都市部・地方を問わずニーズが高まっているのです。

また、市場では定番メニューのキッチンカーに加えて、SNS映えするユニークな商品や、ヴィーガン・オーガニックなどの特定のコンセプトを持つキッチンカーが人気を集める傾向にあります。

他店との差別化を図り、独自の価値を提供できるかが成功の鍵だと言えます。

キッチンカーで人気の商材とそれぞれの特徴

キッチンカーで扱う商材は多岐にわたります。

ここでは、読者の方が以降の項目を理解しやすいように、代表的な3つの業種を紹介します。

低資金・高利益率を狙える「スイーツ・カフェ系」

移動販売で最も人気なのが、「クレープ」「タピオカドリンク」「コーヒー」などのスイーツ・カフェ系です。

これらの業種は原価を抑えやすく、高い利益率を狙えるのが魅力です。

見た目が華やかな商品が多いので、SNSでの拡散も期待できるのが人気の理由でしょう。

ランチ需要に強い「食事・軽食系」

ガッツリ食事ができる「からあげ」「カレー」「丼もの」「ピザ」などの食事系も根強い人気があります。

オフィス街やイベント会場でのランチ需要を掴めば、安定した売上が見込めるでしょう。

スイーツ系に比べて、客単価を上げやすいのも人気の理由の一つです。

オペレーションが簡単な「パン・焼き菓子系」

「メロンパン」「サンドイッチ」「焼き菓子」などは、調理工程が比較的シンプルな点に惹かれて始める人が増えています。

一人でのオペレーションがしやすく、仕込みの負担も少ないため、未経験者でも始めやすいジャンルと言えるでしょう。

フランチャイズに加盟して移動販売(キッチンカー)を始めるメリット・デメリット

フランチャイズ加盟を検討する際は、メリットとデメリットの両方を正しく理解し、自身のリスク許容度と照らし合わせる必要があります。

こちらでは、フランチャイズに加盟して移動販売を始めるメリットとデメリットを解説します。

フランチャイズに加盟して移動販売を始めるメリット

フランチャイズに加盟して移動販売を始めるメリットは、主に以下の3点です。

初期投資の抑制

フランチャイズでは、本部が開業に必要な移動販売車や設備を一括で提供してくれる場合が多いため、個人で一から揃えるよりも初期投資を抑えることができます

また、仕入れ先の確保やメニュー開発の手間も省けるため、コストと時間の両面で効率的です。

経営ノウハウの提供

フランチャイズに加盟すると、本部が培ってきた成功ノウハウの共有研修を受けられるため、飲食業や経営が未経験の方でも安心して移動販売を始められます。

効果的な集客方法やオペレーションなど、具体的なアドバイスを積極的に求めましょう。

 ブランド力の活用

フランチャイズなら知名度のあるブランドを使えるため、開業初日から一定の集客が期待できます。

ブランドが持つ信頼性を活かすことで、スムーズにスタートを切れる点は大きな強みです。

フランチャイズに加盟して移動販売(キッチンカー)を始めるデメリット

続いて、フランチャイズに加盟して移動販売を始めるデメリットについて解説します。

ロイヤリティの支払い

フランチャイズ契約では、売上の一部をロイヤリティとして本部に支払う必要があります。

これは固定費として経営を圧迫する可能性があり、収益性に直接影響します。

フランチャイズ加盟時は、事前にロイヤリティの割合や支払い方法を十分に確認しておきましょう。

自由度の制限

フランチャイズに加盟すると、メニューや価格、デザイン、出店場所など、多くのことを本部の規定に合わせる必要があります。

独自のアイデアを活かしたくても、ブランドイメージを維持するために制限がかかるケースがほとんどなので注意しましょう。

本部への依存

フランチャイズでは、本部の経営状況やブランドイメージが自店の業績に直結します。

本部が不祥事を起こしたり、経営方針が変わったりすると、加盟店もその影響を受けざるを得ません。自分の力だけでは解決できない問題が発生するリスクがあることは把握しておきましょう。

移動販売(キッチンカー)のフランチャイズで失敗するパターン

フランチャイズは、加盟すれば成功が保証されるわけではありません。

ここでは、キッチンカー経営で陥りがちな失敗パターンを解説します。

フランチャイズ本部の選び方が悪い

移動販売ビジネスを扱っているフランチャイズ本部は、提供するフードやドリンクの種類のみならず、お店のコンセプトもさまざまです。

また、契約内容もフランチャイズ本部によって大きく異なります。

  • 加盟金、研修費
  • キッチンカー車両や設備の指定
  • ロイヤリティなど月々の経費
  • 店名や商品開発の自由度
  • 契約期間と開業後のサポート内容

なので、フランチャイズに加盟する場合は必ず「ロイヤリティ」「研修・サポート」「契約内容」など、細かな部分を比較検討してから選ぶようにしましょう。

「加盟金0円」などのわかりやすいメリットだけで判断するのではなく、総合的に判断することが重要です。

運転資金不足

移動販売事業で最も多い失敗理由が「運転資金不足」です。

失敗を避けたいのであれば、開業資金とは別に運転資金と生活費を半年〜1年分は用意することをおすすめします。

特にキッチンカーなどの移動販売は、「車両費」「食材費」「出店料」「ガソリン代」などがかかります。また、売上は天候に大きく左右され、悪天候が続けば収入がゼロになる日も珍しくありません

余裕のない資金計画では、想定外の事態に対応できず廃業に追い込まれてしまうので注意しましょう。

関連記事:https://entrenet.jp/magazine/13980/

計画不足

「本部に加盟したから大丈夫」と安易に考え、事業計画の作成を怠ると失敗につながります。

本部はあくまでパートナーであり、経営の最終責任はオーナー自身です。「どのエリアで、誰に、何を売りたいのか」「収益目標と達成計画は現実的か」といった計画は、オーナー自身で主体的に立てなければなりません。

計画が甘いと、売上が伸び悩んだ際に行き詰まってしまうでしょう。

客単価が低くて儲からない

キッチンカーは客単価が1,000円以下になることも多く、薄利多売になりがちです。

「想定より客数が伸びず、利益が全く残らない」という失敗は後を絶ちません。

売上が立たない日でも、ロイヤリティや食材費などの支払いは発生します。客単価の低さと売上の不安定さを理解し、単価を上げる工夫や、悪天候でも売上を確保する対策が必要です。

体調管理が大変

キッチンカーの労働環境は、夏は酷暑、冬は極寒と非常に過酷です。

また、長時間の立ち仕事や狭いスペースでの作業は、身体に大きな負担をかけます。特にオーナー1人で運営する場合、休憩時間を確保することさえ難しいのが現実です。

体調を崩して休業すれば、その間の収入はゼロになります。自分の身体が最大の資本であることを自覚し、無理のないスケジュール管理と健康維持を徹底しましょう。

移動販売での開業に必要な資金の目安

開業には「初期費用(開業資金)」「運転資金」が必要です。

金額は本部や車両の仕様で大きく変動しますが、こちらでは一般的な目安について解説します。

初期費用(開業資金)

開業時に一度だけかかる費用です。総額で250万円~500万円程度が目安となります。

  • 加盟金:0円~100万円
  • 車両製作費:200万円~400万円(中古車やリースで抑制可能)
  • 研修費:0円~30万円(加盟金に含まれる場合あり)
  • その他:約20万円(調理器具、初回仕入れ、許認可取得費など)

運転資金

事業を継続していくために毎月かかる費用です。最低でも半年分(100万円~150万円程度)は確保しておきましょう。

費用の例は以下の通りです。

  • ロイヤリティ: 売上の3~10% or 固定額
  • 食材費:売上の30~40%
  • 出店料:1日数千円~数万円
  • その他:駐車場代、ガソリン代、保険料、販促費など

移動販売(キッチンカー)での開業に必要な資格と許可

キッチンカーで移動販売をおこなうには、以下の資格と許可が必須です。

  • 食品衛生責任者
    • 各都道府県の食品衛生協会が実施する講習会を受講すれば取得可能。
      店舗に1名いることが義務付けられている
  • 営業許可
    • 出店したいエリアを管轄する保健所で取得
      地域によって基準が異なるため、事前に必ず確認が必要
  • 運転免許証
    • 使用するキッチンカーのサイズに応じた運転免許証が必要

これらの資格や免許は、取得まで時間がかかるものもあります。必ず事業を開始する日から逆算して、無理なく取得するようにしましょう。

フランチャイズで移動販売(キッチンカー)を開業するまでの流れ

こちらでは、フランチャイズに加盟してから実際に営業を開始するまでの、一般的なステップを紹介します。

フランチャイズ本部選び・説明会参加

まずは複数のフランチャイズ本部の資料を請求し、比較検討しましょう。

気になる本部が見つかったら、説明会に参加して事業内容やサポート体制について詳しい話を聞きにいきます。

加盟申込み・契約

加盟を決めたら、申込書を提出します。

その後、審査を経て、契約内容を十分に確認した上でフランチャイズ契約を締結します。

契約書で不明な点があれば、必ずその場で質問・解消しましょう。

研修・キッチンカーの準備

フランチャイズ契約が無事に締結されたら、本部の研修プログラムに参加し、調理技術や経営ノウハウを学びます

並行して、本部の仕様に基づいたキッチンカーの製作・準備を進めましょう。

資格・営業許可の取得

研修まで完了したら、「食品衛生責任者」の資格を取得し、出店エリアを管轄する保健所で営業許可を申請します。

許可が下りるまでには数週間かかる場合があるため、早めに準備を始めましょう。

開業

全ての準備が整ったら、いよいよ開業です。

本部と相談しながら出店場所を確保し、営業をスタートさせます。

移動販売(キッチンカー)のフランチャイズで失敗しないために

こちらでは、キッチンカーのフランチャイズで失敗しないための具体的な対策を3つ紹介します。

出店時の人流や客層を考えて商品を提供する

キッチンカーの強みは、顧客がいる場所に移動できることです。

このメリットを最大限に活かすために、「出店場所の人流」「時間帯」「客層」を徹底的に分析し、ニーズに合った商品を提供しましょう。

たとえば、平日のオフィス街なら安くて早いランチメニュー、休日の公園ならファミリー向けのシェアできる商品や子供が喜ぶメニューが求められます。

競合のキッチンカーを調査し、自店の強みをどう打ち出すか戦略を立てることも重要です。

客単価を上げる

利益率を高めるには、客単価の向上が不可欠です。

看板商品に加えて、利益率の高いサイドメニューやドリンクとのセット販売を強化しましょう。
「チーズ増量」「アボカドトッピング」など、追加料金で満足度を高める工夫も有効です。

また、その場で食べるだけでなく、お土産として持ち帰れる冷凍商品や焼き菓子を用意するのも良い方法です。本部のルール内で、どのような工夫ができるか常に考え、提案してみましょう。

まずは副業からリスクヘッジして始める

いきなり専業で始めることに不安があるなら、まずは週末限定の副業としてスタートするのも賢明な選択です。

本業の収入があれば、「絶対に稼がなければ」という精神的なプレッシャーから解放され、落ち着いて経営経験を積むことができます。

週末のイベント出店から始め、少しずつ固定ファンを掴み、事業が軌道に乗ったタイミングで本業に切り替えることで、失敗のリスクを大幅に下げられます。

移動販売(キッチンカー)のフランチャイズに関するよくある質問

最後に、移動販売(キッチンカー)のフランチャイズに関するよくある質問と回答を紹介します。

Q1.未経験からでも本当に成功できますか?

A1.可能性は十分にあります。

多くのフランチャイズ本部が充実した研修やマニュアルを用意しているため、業界未経験者は大きなハンデになりません。

本部任せにしないオーナー自身の主体性と行動力が成功の鍵なので、未経験であることが不安なのであれば、とにかく主体性をもって行動することを心がけましょう。

Q2. 移動販売の車両はどうやって準備すればいいですか?

A2.フランチャイズ本部が指定・提供するケースがほとんどです。

本部によってはリースや中古車を提案してくれる場合もあるので、個人で一から製作するより初期費用を抑えられることも少なくありません。

契約前に車両の準備方法と費用を必ず確認しましょう。

Q3.移動販売は「儲からない」と聞きますが、実際のところは?

A3.「適切な本部選び」「綿密な資金計画」「戦略的な出店場所の選定」といった基本を徹底すれば、十分に収益を上げることは可能です。

本記事で解説した「失敗パターン」を避け、成功のポイントを着実に実行していけば、成功の可能性は格段に高まるでしょう。

キッチンカーのフランチャイズ成功はフランチャイズ本部選びがカギ

キッチンカーのフランチャイズ、失敗例や対策を紹介

移動販売(キッチンカー)のフランチャイズビジネスを始めてみても少なからず失敗してしまうパターンはあります。

少しでも失敗の確立を下げるために、「自分の考える独立スタイルに合っているか「無理な資金計画になっていないか」「フランチャイズ本部のサポートはどれくらい受けられるのか」について、事前に確認することが成功の鍵です。

経営者としての自覚を持ち、最適なフランチャイズ本部をパートナーに選び、移動販売のビジネスモデルを成功に近づけましょう。

独立・開業支援サイト「アントレ」は、さまざまな業種のフランチャイズや代理店募集の情報を掲載しています。気になるフランチャイズ事業がある方は、ぜひ一度サイトをご確認ください。

https://entrenet.jp/dokuritsu/C03/M27/?cbn=mgzdlist0001
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<文/北川美智子>

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