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“想い”の継承と、客観性の両立。「コエドビール」2代目社長だからこそできたこと

生ボイス

事業承継。

ゼロから開業するだけでなく、すでに動いている事業を引き継ぐこともまた、独立・起業の形です。

今回お話を伺ったのは、朝霧重治さん。朝霧さんは、埼玉県川越市のクラフトビール「コエドビール」などを販売する、株式会社協同商事を義父から引き継ぐ形で、同社の2代目社長となりました。

今回は朝霧さんが会社を引き継ぐまで、そして2代目社長だからこそ大切にしていることを伺いました。事業承継を考える方、必見の内容です!

<プロフィール>
朝霧重治さん
株式会社協同商事 代表取締役大学を卒業後、三菱重工業株式会社に就職。海外向け輸出プラントに従事する。
就職してから1年半後、義父が経営していた、株式会社協同商事に入社。入社後は同社の主幹事業である、クラフトビール事業(コエドブルワリー)に注力し、人気商品「コエドビール」。2009年に同社の代表取締役に就任。

現在同社ではコエドビールを始め、さまざまな事業を展開している。

わずか1年半で、大企業から義父の会社に転職した理由

――「小江戸」の愛称で親しまれる、埼玉県川越市でクラフトビール「コエドビール」を販売する株式会社協同商事(以下、協同商事)。朝霧さんはその代表を務められていますが、朝霧さんが起業した会社ではないそうですね。

朝霧さん
はい。会社を創業したのは妻の父で、私はその跡を継いだ2代目社長になります。

――お義父さまの会社と事業を受け継ぐことになったと。その経緯から伺ってもよろしいですか?

朝霧さん
大学を卒業した私は三菱重工業に入社したのですが、入社してすぐに先代から「うちの会社を一緒に経営してみないか」と声をかけていただいたんです。自分のキャリアプランを見つめた時に、起業を含めて「経営者になってみたい」という目標がありました。仮に大企業の中で経営者になろうとするなら、途方もない時間がかかってしまう。経営者になりたいと思っている上に、せっかくこうして声をかけていただいているなら、挑戦してみようと、1年半で三菱重工を退職。協同商事に転職をしたんです。

――「経営者になる」という目的を達成するためとはいえ、せっかく新卒で入った大企業を退職することに対して、躊躇いはなかったのでしょうか?

朝霧さん
周りからはとても反対されましたね(笑)。でもやめる決断への躊躇いや、悩んだりすることは特にありませんでした。現在はコエドビールなどの事業も行っていますが、元々協同商事は有機農産物の専門商社、つまり農業の会社です。農家の人から農作物を買い取り、小売店に卸す、卸売業や物流といった仕事を主幹事業にしてきました。

そこから派生して現在は、クラフトビール事業や、オーガニック野菜専門店の経営など、事業の範囲は時代に応じて変わっています。

朝霧さん
しかしどんな形であれ、農家さんと連携してチーム(=協同)として消費者へ農作物を届ける、というのが先代のポリシーでした。僕自身、実は実家が農村であったこともあり、先代の理念がとても素敵だなと思ったんです。転職した理由は「経営に挑戦してみたい」と思うのと同じくらい、理念に共感できたのも大きかったですね。そして1998年に転職して、2003年から副社長に。代表取締役に就任したのは2009年ですね。

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理念を守りながら、冷静な視点で会社を見つめる。2代目社長だからこそできること

※本記事は取材当時の情報を基にしており、団体名、サービス名、法令等が現在と異なる可能性があります。しかし、取材時の想いや状況を正確に伝えるため、内容をそのまま掲載しています。ご了承ください。

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