修理・リペアビジネスは今、フランチャイズの中でも注目の分野といえます。特にスマートフォン修理の市場規模は2013年以降、急激な右肩上がりが続き、参入のチャンスともいうべき状態です。ただ、「未経験で修理なんてできるの?」「どのくらい稼げるの?」と不安な人も多いでしょう。そこで今回は、修理・リペアのフランチャイズに加盟するメリットや主要チェーン、成功の秘訣を紹介します。
修理・リペアのフランチャイズでの独立・開業とは
修理・リペアのフランチャイズは、住宅や家具、小物やスマートフォン・パソコンなどの修理を実店舗やWebで展開しています。フランチャイズとは、自分1人でお店を開くのではなく、フランチャイズチェーンとして事業を営むことです。
内装や小物修理などのフランチャイズは古くからあり、大手デパートの中に入っているお店もあります。最近ではスマートフォンやパソコンの修理を行う実店舗、Web店舗も増えました。
修理・リペアのフランチャイズに加盟する3つのメリット
修理・リペアのフランチャイズに加盟すれば、未経験でもリスクを抑えて独立できます。修理・リペアのフランチャイズには次のようなメリットがあるからです。
企業のブランド力・信用力を利用できる
修理・リペアのフランチャイズに加盟すれば、そのフランチャイズのブランド力・信用力の恩恵を受けられます。大切な自宅や家具、スマートフォンなどの修理を、腕の不確かな業者に任せたいと思う人はいません。
フランチャイズに加盟すれば、そのフランチャイズの「看板」が使えます。フランチャイズチェーンが積み重ねてきた「修理の腕前」への信頼があるため、集客も容易になります。フランチャイズによっては研修が充実している本部もあります。信用に足る腕前を習得できることや新技術の研修が加盟後にあるのも、加盟者にとって安心材料となるでしょう。
企業が培ったノウハウや修理道具・商材を紹介してもらえることも
修理・リペアのフランチャイズに加盟すれば、フランチャイズの培ったノウハウや修理に必要な道具などを提供してもらえることもあります。修理・リペアビジネスを自分1人で始めようとすれば、さまざまなことを学ばなければなりません。例えば同じ壁紙修理でも、お客様の要望や壁の状態によって対応方法も異なるでしょう。
フランチャイズに加盟すれば、フランチャイズ本部がこれまで培ってきたノウハウを、分かりやすくまとめたマニュアルが使えます。中には修理道具などを紹介してくれる企業もあるので、「どれを選べば良いか分からない」という心配もないでしょう。
開業するための資金やリスクが低め
修理・リペアのフランチャイズの中には、開業資金がそれほどかからないケースも多いです。開業までに用意する資金が少なくなるため、準備期間も短くなり、より早く開業できるでしょう。低資金での開業により、失敗するリスクも抑えられます。
修理・リペアのフランチャイズに加盟する3つのデメリット
修理・リペアビジネスで開業するには、仕事に必要な知識や道具を揃えたり集客戦略を考えたり、さまざまな準備が必要となります。これらの準備をフランチャイズ本部のサポートを受けて進められるのは心強いでしょう。
しかし、修理・リペアのフランチャイズに加盟することには、デメリットもあります。
ロイヤリティがあることも
修理・リペア業界に限らず、多くのフランチャイズには「ロイヤリティ」があります。ロイヤリティとはフランチャイズのブランドや仕入れルートを使ったり、ノウハウ提供を受けたりする代わりに支払うお金のことです。
金額は加盟するフランチャイズにより異なりますが、「月々の売上の何%」や「月額何円」と固定額のところが多いです。ロイヤリティを支払う分、手元に残るお金は減ってしまいます。
ただ、何の後ろ盾もない状態で修理・リペアビジネスを開業し、事業を軌道に乗せるのは簡単ではないでしょう。フランチャイズ本部の培ったノウハウを提供してもらったり、フランチャイズのブランド力を使わせてもらったりした方が売上を伸ばしやすく、最終的に手元に残るお金も確保しやすくなることが多いです。
契約期間がある場合も
修理・リペア業界に限らず、たいていのフランチャイズには「契約期間」があります。契約途中で解約する場合は違約金がかかるため、もし、ビジネスが上手くいかなかった場合でも簡単には辞められません。
解約後に「競業避止義務」が定められているフランチャイズもあります。これは「解約後も一定期間は同業種で開業してはならない」とするもので、平たくいえば「フランチャイズ本部のノウハウの流出」を防ぐためのものです。
ルールに縛られるケースも
フランチャイズにはそれぞれ、その会社のルールがあります。加盟する前に会社のルールやマニュアルをよく確認しておかないと、「独立して、自分の好きに仕事をしたかったのに」と後悔するかもしれません。
ただ、ルールがあるのは加盟店の成功率を上げるためや、知らないうちに法律違反をしてしまうことがないよう、設定してあるものです。不自由に感じるかもしれませんが、未経験者にとっては安心材料といえます。
主要な修理・リペアのフランチャイズチェーン紹介
修理・リペアのビジネスを展開するフランチャイズには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、修理対象別に紹介していきします。
【内装修理】A社
自社オリジナルの手法で壁紙張替えを行っている企業の利益率は脅威の90%。真剣に取り組めば、未経験者でもしっかり稼げます。一例として、未経験で開業し、5年で年商1,100万円となった人もいます。
開業後はフランチャイズの公式ホームページに店舗の紹介ページが掲載されます。フランチャイズ本部に入ったお客様からの依頼や問い合わせは、そのお客様の近隣エリアにある加盟店に紹介してくれるので、自ら営業をかける必要はありません。
【内装・家具修理】B社
住宅の内外装や家具、車のホイールなどの修理・リペアを行うフランチャイズでは、加盟後に独自技術を教えてもらいます。作業1時間で1万円稼ぐ人も多いようです。
住宅関係の分野において、幅広い修理サービスを提供するのが強みといえます。そのため法人からの依頼(住宅メーカー、不動産仲介会社、車買取店、ホテル、鈑金塗装店など)も多く、まとまった収益と顧客を得やすいです。
【小物修理】C社
街中だけではなく、デパート内などにも出店しているフランチャイズです。以下のような多種多様な小物の修理・ケアを行っています。
一生モノのスキルとして、これらの修理・ケアの「手仕事の技術」が身に付きます。
【スマートフォン・パソコン修理】D社
スマートフォンの修理、販売などを行うフランチャイズでは、修理だけでなく、中古買取や新機種への交換など、さまざまなビジネスを展開しています。お客様一人に30分程度の時間をかけ、4万円の利益を上げる方もいます。
お客様から買い取ったスマートフォンは、フランチャイズ本部が買い取ってくれるので、「販売」の手間がありません。スマートフォンの修理を含めた幅広いビジネスを、自宅で展開できます。
【スマートフォン・パソコン修理】E社
「どんな修理も断らない」がウリのフランチャイズでは、フランチャイズ本部に加盟店向けのサポートスタッフが常駐し、加盟店が修理で困った際に、いつでも電話相談できます。フランチャイズ本部がレアパーツの仕入れや難しい破損の修理代行もしてくれるので、お客様からの相談・依頼を断らずに済みます。
実力のある、しっかりしたブランドとして知名度が高いため、信用力を武器にビジネスを伸ばしています。
修理・リペア業界のフランチャイズのこれから
これからも修理・リペアのフランチャイズは伸び続けていくでしょう。その理由は主に3つ挙げられます。
修理・リペアビジネスの市場規模は右肩上がり
住宅系の修理・リペアビジネスの市場は安定しています。スマートフォン系の修理ビジネスに至っては、2013年以降、大幅な右肩上がりが続いています。
格安SIMの台頭
菅前内閣の「携帯料金引き下げ政策」もあり、格安SIMの台頭が続いています。3大キャリアのショップでスマートフォンを買い換える時代も終わりを迎え、今後はSIMフリー状態にした1つのスマートフォンを修理しながら、長く使っていく時代に変わっていくでしょう。
新しい生活様式の定着
新しい生活様式の定着により、スマートフォンやタブレットを使う時間、持つ台数は増えました。また、端末に利用している素材が希少化するなどにより、端末が高額化していることや、格安SIMの台頭による「端末の買い替えではなく修理しながら使うことへの移行」もあり、修理対象となる端末の台数はますます増えていくと考えられます。
修理・リペアのフランチャイズの市場
次のグラフを見ると、住宅リフォームの場合に限っても、リフォームする理由の84%は「更新・修繕」となっています。長く使う物・高額な物は修理をして利用する方向にあることがうかがえます。
参照:我が国の住生活をめぐる状況等について|国土交通省(P.50より)
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スマートフォンの修理で見れば、故障時に端末の買い替えをする人よりも修理をする人の割合が高く、特に携帯電話事業者やメーカーによる修理よりも割安な、街の修理店がユーザーの支持を集め店舗を拡大させていることが分かります。格安SIMがさらに伸びてくるであろう今後を考えると、市場規模はますます拡大するでしょう。
参照:スマートフォンの修理サービス利用実態調査|株式会社MM総研
進化し続ける修理・リペアのフランチャイズ
修理・リペアは、古くから安定したニーズのあるビジネスです。「物を大切にする精神」の強い日本人にとって、大切なものを修理しながら長く使うのは、当たり前のことといえます。断捨離やミニマリズムの浸透により、「良いモノだけ買って、長く使う人」が増えたのも、修理・リペアビジネスの追い風となるでしょう。
そんな修理・リペアビジネスを展開するフランチャイズも、さまざまな工夫を凝らすしています。本部での修理代行や、中古の携帯電話の買い取りなど、加盟店の利益を上げるようなシステムも増え続けています。
まとめ
修理・リペアビジネスの市場は、特にスマートフォン修理の分野において、今後も伸び続けるでしょう。しかし、スマートフォンのような精密機械の修理は難しく、自分1人で独立を目指すのは容易ではありません。修理・リペアビジネスでの独立を目指すなら、サポート体制のしっかりしたフランチャイズに加盟するのがおすすめです。
アントレでは、様々な修理・リペアのフランチャイズビジネスを掲載しています。
まずはどんなフランチャイズがあり、それぞれどうやって加盟店の利益を高めているのか、チェックしてみてください。気になるフランチャイズがあれば、そのまま説明会に申し込むこともできます。
<文/赤塚元基>