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「夢と狂気」の人生求め三井不動産から地方起業へ<アントレ本誌:2019年冬号より転載>

生ボイス

会社が嫌いなわけじゃない。

仲間がいた。安定があった。愛着があった。

でも独立しないと、できないことがある。手に入らないものがある。

そんな思いで、会社を「卒業」していった先輩起業家に、話を聞いた。

慣れ親しんだ環境から一歩踏み出す時、胸に去来したものは。

山形県鶴岡市で地域主導の街づくり/山中 大介さん

「デカいことがしたい」と思って入社した三井不動産です。スケールが大きい仕事をさせてもらいました。

でも「なんでショッピングモールをつくるんだっけ?」という葛藤が日増しに強くなりました。

この人口減少の日本に、新しい価値を提供できないかとよく同僚と議論してました。

「夢と狂気」の人生求め三井不動産から地方起業へ<アントレ本誌:2019年冬号より転載>

そんな時に出合ったのが庄内サイエンスパーク。人口減少に苦しむ鶴岡市が立ち上げた、学術と産業の集積地です。

そこに集まるベンチャーたちの、純粋に社会をよくしたい、それができれば成功しないわけがないという情熱に感動しました。

勢いで会社も辞めて、庄内に移住。離職する人も転職する人も少ない職場だったので、同僚からは相当おかしいヤツ扱いです。

でも僕は「人生は夢中と狂気」だと思ってます。会社のなかにそれが見つからないなら、外に出るしかない。

「夢と狂気」の人生求め三井不動産から地方起業へ<アントレ本誌:2019年冬号より転載>

地域とのハブになるホテル「SUIDEN TERRASSE」やこども用施設「KIDS DOME SORAI」をサイエンスパーク内に開発した。現在は農業も手がける。

でも鶴岡市のネジの外れ方も半端じゃないです。サイエンスパーク内に残る用地14haの開発を、資本金たった10万円で始まった僕の会社に任せるなんて。

でもそれだけ地元の人たちは僕に、サイエンスパークに期待している。その期待に応えたいんです。

「山中くんはリスクをとっていない」と地元の人に言われたのが悔しくて、こっちに家も買いました。

目の前に困っている人がいて、自分にできることがあるなら、やるのが運命でしょう?

PROFILE

山中 大介さん(33歳)

ヤマガタデザイン(株)/山形県鶴岡市
慶應義塾大学SFCを卒業後、三井不動産に入社。ららぽーと物件など大規模商業施設の開発・運営を担当した。2014年に庄内地方に移住し、創業。わずか2年で23億円を調達。株主は全員地元住人。完全地域主導型による地域づくりを行っている。

 

構成・文/東 雄介
撮影/刑部友康、片桐 圭、阪巻正志、宮田昌彦
アントレ2019.冬号
「安定、肩書、仲間・・・雇われるよさもあったけど『私、会社を卒業しました!』」より
※本記事は取材当時の情報を基にしており、団体名、サービス名、法令等が現在と異なる可能性があります。しかし、取材時の想いや状況を正確に伝えるため、内容をそのまま掲載しています。ご了承ください。

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