声優の福山潤さんと立花慎之介さんが立ち上げた、株式会社BLACK SHIP。
前編では、声優一筋20年のお2人が、なぜ起業という選択肢を選んだのかをお伺いしました。
声優・立花慎之介と福山潤が、共同経営で起業した理由【BLACK SHIP・前編】
後編の今回は、いよいよ株式会社BLACK SHIPの事業について、そしてBLACK SHIPで叶えたい夢を、徹底的に語っていただきました。
“黒船”に乗せた2人の夢とは、一体何なのでしょうか?
超人気声優のスペシャルインタビュー、後編です。
福山潤さん(トップ画像右)
声優/株式会社BLACK SHIP代表取締役1997年に『月刊Asuka』のラジオCMナレーションでデビュー。青二塾大阪校13期1組卒業。1999年に青二ジュニアを退所。フリー期間を経て、ぷろだくしょんバオバブに移籍。
2011年4月1日、アクセルワンに移籍。
2018年3月31日、アクセルワンを退所。同年4月1日に、立花慎之介とダブル社長という形で株式会社BLACK SHIPを開業する。
出演作品は、「コードギアスシリーズ」(ルルーシュ・ランペルージ)「黒執事」(グレル・サトクリフ)「マクロスF」(ルカ・アンジェローニ)「革命機ヴァルヴレイヴ」(アードライ)「おそ松さん」(松野一松)「暗殺教室」(殺せんせー)「ユーリ!!! on ICE」(西郡豪)「PERSONA5 the Animation」(雨宮蓮)など。
立花慎之介さん(トップ画像左)
声優/株式会社BLACK SHIP代表取締役青二塾東京校18期卒業。2003年テレビアニメ『E’S OTHERWISE』のキョウ役で声優デビュー。2011年6月よりアクセルワン所属。
2018年3月31日、アクセルワンを退所。4月1日に、福山潤とダブル社長という形で株式会社BLACK SHIPを開業する。
出演作品は、「DD北斗の拳」(ケンシロウ)「メカクシティアクターズ」(カノ)「ハイキュー!!」(夜久衛輔)「D.Gray-man」(ハワード・リンク)「Go!プリンセスプリキュア」(プリンス・ホープ・グランド・カナタ)「石膏ボーイズ」(メディチ)「東京喰種トーキョーグール」(滝澤政道)「ビッグオーダー」(柊義経)など。
経営と両立するからこそ、あえて声優業に軸足を置く理由
―株式会社BLACK SHIP(以下、BLACK SHIP)の事業内容について、教えてください。
声優やナレーターなどの養成、タレントマネジメントの全般、制作協力業務などを行っています。業務内容自体は、一般的な声優プロダクションとさほど変わりありません。
仕事の内容もさほど大きくは変わっていませんね。経営者としての仕事ももちろんありますが、基本的にはほとんどが声優やナレーター業など、独立する前の仕事と同じです。
―てっきり声優業より、経営者の仕事に力を入れていらっしゃるのかと思っていたので、意外です。声優業に力を入れている理由はなんでしょうか?
やはり僕らの職業が声優だから、ですね(笑)。たしかに独立した以上、経営に力を入れていかなければなりませんし、僕たちの成し遂げたいことは経営を上手く回してこそ、成し得るものです。
ですが、会社を立ち上げてまだ2カ月ほど。まずはしっかりと会社に力をつけていかないといけません。
僕たち2人はこの会社の代表ですが、同時に現段階では唯一お金を稼ぐことのできる「商品」です。
声優として、まずはいただいたお仕事できちんとクオリティを出すことが、最も重要だと考えています。
―自分のやりたいことをやるためにも、まずはきちんとキャッシュを作っていかなければならない、と。
はい。そしてこの期間を使って、経営者として基礎的なトライアンドエラーを繰り返しています。例えば僕たち2人を含めて、現在BLACK SHIPの従業員数は4人です。この4人を養うためにはいくら必要なのか、現状の収益はどれくらいでどれほど必要経費がかかり、どれほどお金が手元に残るのか。
また、自分たちのやりたいことをやるためには、どれくらいお金が必要で、どれくらいの時間と人員が必要になるのか。
今はそうしたタスク出しと収益のモデルを洗い出している最中です。
お話してきたとおり、声優としては20年キャリアを積んでいても、経営者としてはまだまだ初心者です。
だからこそ、今の等身大の自分たちに何ができて、何ができないのかを冷静に見極めることが重要だと思っています。
―冷静に自分たちにできることを分析した結果、まずはしっかりと声優業に軸足を置くことにした、ということですね。
対外的な取り組みとしてはそうですね。軸足を声優において、しっかりと地盤を固めつつ、社内ではトライアンドエラーを繰り返して、できるところから徐々にやりたいことにも注力していく予定です。