今や生活必需品であるスマートフォンですが、価格が高騰していることから修理の需要が絶えません。好調なスマホ修理の業界で、独立を検討し始めた人もいるかもしれません。小さな空きスペースと少額の開業資金を使って、安定した需要があり将来の市場規模拡大が望める「スマホ修理サービス」は、フランチャイズ加盟で開業することができます。この記事では、スマホ修理業界の将来性やフランチャイズの仕組みと、フランチャイズ本部を選ぶ際のポイントや加盟までの流れを解説しています。フランチャイズに加盟して独立するなら独立開業情報に特化した「アントレ」を活用し、情報収集しましょう。
iPhoneなどのスマホ修理は需要がある
スマートフォンは、世帯の保有割合が88.6%、個人の保有割合が74.3%と老若男女問わず全世代が持つほどに生活に浸透しています。(※23年6月時点)今では連絡手段だけではなく、各種手続きや決済などもスマートフォンの機能を使って実施できるようになりました。
万一の故障やトラブルの場合でも、通信キャリアやメーカーの故障対応を使えば問題ありませんが、時間がかかるうえに高額の支払いが必要です。そのため、たとえメーカーの保証対象外になっても、故障やトラブルを素早く格安で復旧させられるサービスへのニーズは急激に高まっています。
つまり、iPhoneを含むスマートフォンのスピード修理への需要は非常に高く、今後ますます安定した需要が続くビジネスの1つといえるのです。
iPhone・スマホの修理とは
iPhoneやスマートフォンの修理とは、故障や損傷を元の状態に修復する作業ですが、基盤の微細な部品をハンダ付けするような専門的な作業はなく、パーツの交換だけで復旧できるような範囲での作業がほとんどです。
主な修理内容としては下記のような業務があります。
iPhone・スマホの修理は稼げる?
iPhoneやスマートフォンの修理ビジネスは、修理需要の高さと市場の拡大が顕著であるため、修理業者は安定した利益を上げることができます。
iPhoneやスマートフォンの修理ビジネスが稼げる理由は下記のとおりです。
需要の高さと市場規模の拡大
スマートフォンに故障や損傷が生じた場合には、おおむね買い替えか修理の2択です。ただし、スマートフォン性能の向上とともに本体価格が上がり、買い替えには多額の費用がかかります。そのため、修理をして使い続ける人が増えました。同じ本体の使用継続期間が長くなることで、スマートフォンの修理需要が増えるので市場が拡大しているのです。
メーカーや通信キャリアとは競合しない
スマートフォンを修理するには専門的な知識と技術、そして修理器具や部品の調達も必要なため、ユーザーが自分で修理する場合はごく少数です。また、メーカーや通信キャリアの正規の修理対応は高価で時間がかかります。またメーカーや通信キャリアに修理を依頼した際、基本は本体交換となります。端末に残したデータをそのまま取っておきたい人は、データ消滅のリスクが低い修理業者を選んだりすることもあります。
一方で、スマホ修理業者に依頼する方の多くは、メーカーや通信キャリアの保証対象外になってでも格安の修理専門業者に依頼して早急に復旧したいのです。つまり、安くて早く直すサービスはメーカーや通信キャリアとはほとんど競合せず、スマホ修理専門業者の準独占的な市場といえます。
別商材の抱き合わせ販売が可能
修理業者は修理以外にも関連商材やサービスを提供することもできます。例えば、ガラス保護フィルムや耐傷コーティング、データの移行やバックアップサービスなどです。利益率が大きいこれらの商材の抱き合わせ販売することで、収益をより大きくすることができます。
スマホ修理のフランチャイズに加盟して開業するメリット・デメリット
フランチャイズビジネスの仕組みやフランチャイズに加盟して開業するメリットとデメリットを見ていきましょう。
フランチャイズの仕組みとそのビジネスモデル
まず、フランチャイズビジネスとはフランチャイズ本部(フランチャイザー)からのサポートに対して加盟店(フランチャイジー)が、加盟金などの開業資金や、毎月のロイヤリティを支払うという権利義務からなるビジネスモデルです。
フランチャイズ本部(フランチャイザー)が提供するもの
ブランドイメージの形成・世相や時節に合った商品の開発・さまざまな媒体での広告で集客を一手に行います。スマホの修理を手掛けるフランチャイズ本部であれば、タレントやオリジナルキャラクターを起用して販促品を用意したり、流行っているスマホアクセサリーを仕入れたりといったことができます(※サポート内容はフランチャイズ本部によって異なります)。
また、マニュアルやトレーニングプログラムなどでスタッフの知識を補うため、サービスレベルが全店舗で一定になります。そして、在庫管理と受発注や売り上げ集計とデータ分析システムを提供し、加盟店の日々の運営業務をサポートします。
加盟店(フランチャイジー)が提供するもの
加盟店は、フランチャイズ本部が提供するサポートやブランド利用の権利を活用して、スマホ修理や別商材の販売で収益を上げます。収益の中からロイヤリティを毎月フランチャイズ本部へ支払うことで本部に利益を提供します。
また、加盟店は加盟時に一度だけフランチャイズ本部に対して加盟料を支払うケースが多いです。
スマホ修理業界のフランチャイズに加盟して独立するメリット
加盟料やロイヤリティの負担は決して安くはないものの、巨大資本でしか実現し得ないブランド力・集客力・商品開発力など、専門的なノウハウを加盟者誰もが利用できる点が「スマホ修理業界のフランチャイズに加盟して得られるメリット」といえます。
そして、開業に必要な商材・機材・内外装・業務サポートシステムなどの一式がパッケージ化されており、自分で個別に発注するよりも開業までに費やす手間やコストを格段に少なく抑えられます。さらに、修理部品などはフランチャイズ本部の仕入れルートによって、安くて安定した供給が可能です。
また、フランチャイズ本部は全国から集まる多くのデータを分析し、日々ブラッシュアップした成功しやすいビジネスモデルを生み出しています。そのため、自分で試行錯誤や失敗を経験しながら長期間かけてビジネスを育てるよりも、明らかにビジネスの成長が早くリスクが少なくて済むのです。
しかも、法令遵守やトラブル対応など、実際にあった事例や対策方法などの情報ストック量が多いため、加盟店は余計な方面へ手間と時間を分散させずに、本業の経営へリソースを集中させられるというメリットもあります。
スマホ修理業界のフランチャイズに加盟して独立するデメリット
開業間もない時期や売り上げが不振な場合には、加盟金やロイヤリティなどの負担が重くのしかかります。ロイヤリティの金額が歩合制の場合、収益が少ない場合には少額になるものの、毎月必ず支払うべき経費です。そのため事前の予算や計画の読みが甘い場合には、思うような金額が手元に残らない場合があります。
また、フランチャイズは加盟店全店で品ぞろえやサービスが同じであることが前提です。そのため、自分で勝手に商品やサービスの内容を変えられず、フランチャイズ本部が示す一定のルールやガイドラインに従わなければならないのです。
ただし、企業でいう親会社と子会社のような強制的な主従関係にはなりません。フランチャイズ本部も加盟者も、同じ「経営者」の立場であり、ビジネスパートナーです。経営に関しての責任は、フランチャイズ本部ではなく加盟者自身にかかってきます。
もしもすべて自分で決定して自由な経営がしたい場合には、フランチャイズ加盟は不向きといえるでしょう。
まずはフランチャイズの仕組みを知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
フランチャイズ本部の選び方
フランチャイズに加盟するにも、まずはいくつかある中から自分に合ったフランチャイズ本部を選ばなければなりません。フランチャイズ本部を選ぶ際には下記の点に注目しましょう。
- ブランドイメージ:ブランドイメージとは「集客力やイメージや業界でのポジションなどのブランド力」です。特に知名度や信頼度を含むブランドイメージは、ビジネスの安定した継続に大きく影響する大切なポイントです。
- 他の加盟店の成功事例:他の加盟店が経験している成功事例を参考にすれば、フランチャイズビジネスのメリットの確認や、採算化のスケジュール及び利益金額のシミュレーションが開業前に実施できます。
- サポート体制の内容:フランチャイズ本部が提供するサポート体制には、事業の運営マニュアルやトレーニングプログラム、マーケティング支援、トラブル時の対応ノウハウなどがあります。
- ロイヤリティの仕組み:ロイヤリティとは、フランチャイズ本部に月々支払うブランド利用料のことです。定額制の場合と、歩合制の場合があります。支払時期なども含め、契約前に確認するようにしましょう。
- フランチャイズ本部との契約内容:フランチャイズ本部との関係や条件など法的拘束力を含め詳しく確認しましょう。例えば、契約期間と各種条件、契約違反行為、契約解除条件、競業避止義務などです。
スマホ修理業界のフランチャイズ3社
以下に、スマホ修理業界のフランチャイズ3社について、特徴や強みをご紹介します。
※2023年6月時点の情報です。最新情報は各サービスのホームページでご確認ください。
A社
iPhone修理のみ対応というブランドが多いなかで、Android修理にも対応しているA社であれば、iPhone修理とAndroid修理のダブル収益が見込めます。
Webサイト閲覧数月間PV100万以上を誇るA社のWebマーケティングチームが、店舗への集客を強力に後押ししてくれます。また、テレビ・雑誌・Webなど複数のメディアから取材を受けて知名度を広げています。
専任の担当者による接客・技術サポート体制が完備されています。手元を映すWebカメラを使い、遠隔サポートで修理やトラブルの対応をサポートしてくれるのも特徴的です。
B社
B社では、iPhoneやAndroidに加えて、ポータブルゲーム機・ノートパソコン・時計など幅広い修理サービスを提供しています。
大規模な複合商業施設のテナントを紹介してもらうことも可能で、既に地域顧客の集客が整った立地で開業できます。
また、創業10年のブランド力で培われた実績から、フランチャイズ加盟にあたっての商圏/競合調査、収益シミュレーションなどを無料で行ってくれます。
C社
C社は、クラウドを活用した独自の店舗運用システムを持っているのが特徴です。受付でのお客様情報から業務日報、部品の問い合わせ・管理・発注まで、トータルでデータ化して管理しています。 その詳細なデータを用いた業務分析で、さまざまな運用支援策を提供します。
また、リピーターや紹介の連鎖を生むために、定期的なクーポン付きDMの配信や小冊子の配布によって、お役立ち情報とキャンペーン企画を浸透させています。
顧客情報や修繕履歴の照会、業務日報、在庫管理、受発注、修理マニュアルなどがタブレット1台にすべて集約される業務支援システムがあり、パソコンを使えない人をアルバイトとして雇っても問題なく使えるようになっています。また、業務支援システムではフランチャイズ本部が全国から集めた故障やクレーム対応のノウハウを加盟店へ展開しているので、初期対応のミスやクレーム回避にも役立てられます。
開業までの具体的な準備・開業準備のコツ
フランチャイズに加盟して開業するには下記の手順があります。
まとめ
スマホ修理サービスは需要が高く成長著しい市場であるため、誰にでも稼ぐチャンスがありますが、独立開業を安全に行うならフランチャイズに加盟することをおすすめします。ただし、フランチャイズ加盟はメリットとデメリットを理解したうえで、自分に合ったフランチャイズ本部を選択してゆとりのある資金を確保してはじめましょう。
https://entrenet.jp/magazine/41517/
<文/柴田敏雄>