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飲食店が潰れる割合は?データが示す飲食業の厳しさと、生き残る方法

飲食店が潰れる割合は?データが示す飲食業の厳しさと、生き残る方法 独立ノウハウ・お役立ち

将来は独立して飲食店を経営したいという方も多いのではないでしょうか。自分のお店を持って、常連さんと素敵な関係を築くことを想像するだけでも最高ですよね。ただ、現実的な問題も把握しておかなければいけません。みなさんは飲食店が潰れる割合をご存知でしょうか。飲食店は数ある業種の中でも潰れる割合が高くなっています。

本記事では、飲食店が潰れる割合をデータと交えながら紹介してきます。飲食業界の現実に直面するかもしれませんが、もちろん、飲食業界で生き残る方法も紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

飲食店は最も潰れる割合が高い

みなさんは「あらゆる業態の中で、飲食店は最も潰れる割合が高い」のをご存知でしょうか。何となく、飲食店は潰れる割合が高いという印象がある方も多いと思います。では、実際にデータではどうなっているのでしょうか。

日本政策金融公庫が2016年に発表した『新規開業パネル調査』によると、最も潰れる割合が高いのは飲食店、宿泊業で18.9%でした。調査対象業種の潰れる割合の平均が10.2%なので、平均の2倍ほど潰れる割合は高い状況です。

参考:日本政策金融公庫『新規開業パネル調査~アンケート結果の概要~
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開業年数ごとの飲食店の潰れる割合

では、開業してからどれくらいの期間で飲食店は潰れることが多いのでしょうか。ここでは、飲食店の開業年数ごとの潰れる割合を紹介していきます。

飲食店の6割が開業3年未満に潰れている

『居抜き情報.COM』を運営する株式会社シンクロ・フードの調査(※2014~2016年度)によると、飲食店の6割が開業3年未満に潰れていることがわかりました。さらに特徴としてあげられるのは、店舗の広さが20坪以下の飲食店は潰れる割合が52.7%と非常に高いということと、立地が最寄り駅から徒歩5分以内の飲食店が潰れる割合が高いことです。

駅の近くは飲食店が乱立していることが多く、小規模の飲食店が多いです。そのため、競争も激化している上に、立地がよいため賃料が高いことから、潰れる割合が高くなっているのではないでしょうか。

参考:居抜き情報.COM『閉店しやすい飲食店の特徴は!?居抜き情報.COMが過去に閉店した飲食店の傾向の調査結果を発表![2014-2016年版]

3年持ちこたえた飲食店はなかなか潰れない

飲食店が潰れる割合は?データが示す飲食業の厳しさと、生き残る方法

逆に3年以上持ちこたえた飲食店の潰れる割合は低くなっています。上述した調査によると、開業してから3~5年の飲食店の潰れる割合は13.9%で、同様に6~10年が14.1%、11年以上が10.2%となっています。この数値は開業3年未満の数値と比較しても大きく差があります。

飲食店が潰れるのは、運転資金が尽きるから

なぜ、飲食店は潰れてしまうのでしょうか。

その主な要因は運転資金が尽きてしまうからです。開業したての半年ほどは、ほとんどの飲食店が赤字であるため、独立する前に必ず運転資金を確保しておくことが大切です。飲食店の場合は大掛かりな設備投資が必要になるため、開業資金だけでもかなりの高額になります。「とりあえず、開業してからなんとか考えよう」という甘い気持ちを持つことは非常に危険です。必ず、開業資金と運転資金の両方を準備するようにしましょう。

ここでは、開業資金の内訳と運転資金の内訳を紹介するので、みなさんに当てはめて計算してみてください。

開業資金の内訳

日本政策金融公庫が実施した『2020年度新規開業実態調査』によると、開業資金(全業態)は500万円未満が43.7%と最も高い割合になっています。続いて多いのが、500万~1,000万円未満で27.3%でした。なお、開業費用の平均値は989万円となっています。では、実際に開業資金はどのようなものに使うのでしょうか。ここでは、代表的なものをいくつか紹介します。

・物件取得費
・居抜き譲渡代
・内装工事
・厨房機器
・備品

開業資金がないと、そもそも開店すらできないので、独立前に必ず資金は用意しましょう。

参考:日本政策金融公庫『2020年度新規開業実態調査~アンケート結果の概要~
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運転資金の内訳

主な運転資金の内訳は以下の通りです。

・商品の仕入れ
・人件費
・家賃
・テナント保障料
・生活費

忘れてはいけないのは生活費を含めることです。最初から黒字で運営できる飲食店はほとんどありません。日本政策金融公庫の『創業の手引+』によると、開業後軌道に乗り始めた時期の調査で、約6割の企業が店舗を安定させるまで半年以上かかっていることがわかりました。

せっかく独立して飲食店を始めたのに、半年でお店をたたむことになるのは後悔してもしきれませんよね。余裕をもった店舗運営をするためにも、運転資金は生活費を含めて最低でも6ヵ月分は確保してから開業することをおすすめします。

参考:日本政策金融公庫『創業の手引+
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一般家庭の外食費の割合は?

飲食店が潰れる割合は?データが示す飲食業の厳しさと、生き残る方法

厚生労働省が2016年11月に発表した『飲食店営業(一般食堂)の実態と経営改善の方策』によると、1世帯当たり外食費年間支出額の平均(※2014年度)は、12万5,438円でした。ここからさらに、年収別の外食費の支出額と、年代別の外食費の支出額が算出されているので、紹介していきます。

参考:厚生労働省『飲食店営業(一般食堂)の実態と経営改善の方策
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【年収別】家計に占める外食費の割合

上述した調査では『世帯主の年間収入(5分位階級別)外食費支出額』と題して、世帯主の収入階層別にみた外食費支出額が算出されています。傾向としては当たり前かもしれませんが、世帯主の収入が高いほど年間の外食費支出額が多くなっています。

世帯主の収入が最高レベル『737万円~』世帯は、同最小レベルの『~244万円』世帯の約3.5倍になる外食費を支出しています。

外食の料理ジャンル別に内訳を出すと、和食が2万2,313円、洋食が1万7,425円、中華食が4,552円でした。この結果だけをみると中華食への出費が非常に少なく、中華料理屋の潰れる割合が非常に高いのではないかと思いますよね。ただ、街中をみる限り中華料理屋はたくさんあります。この要因として、人件費を低く抑えられていることがあげられます。いわゆる町中華などは、一人で料理、接客をしているお店もあるほど、少ない人数で店舗を運営できています。だからといって、すごく儲かっているのかというと、そうでもありません。

肝心なのは『自分がどんな目的で飲食店を開くのか』という軸を定めることです。大金を稼ぐのではなく、自分の料理で自分が生活できるお金を稼ぎたいのであれば、家賃と人件費を抑えるためにも小さい店舗を契約すればいいですし、たくさん利益を出すために繁盛店でたくさんのお客さんに来店してもらいたければ、大きな店舗を契約すればよいということです。これを守るだけで、潰れる割合は大きく下がるでしょう。

【年代別】家計に占める外食費の割合

世帯主の年代別にみた外食費支出額はどうなっているのでしょうか。ここでは、世代を以下の6通りに分類しています。

1.~29歳
2.30歳~39歳
3.40歳~49歳
4.50歳~59歳
5.60歳~69歳
6.70歳~

結果としては、1~4の4区分が、全世帯平均を上回っていました。

このことを踏まえて、店舗の立地によって、コンセプトを決めるのも一つの手段です。ある程度年齢層が高めの、高所得者が多いオフィス街なら、接待にも使えそうな『高級志向の居酒屋や定食屋』を、若い夫婦が多く暮らしている庶民的な住宅街なら、安めで住民の好みに合ったディナー店を、主婦(夫)層多め・リモートワーク多めの住宅街ならカジュアルでおしゃれなランチに重点をおいたお店がいいかもしれませんね。

店舗のターゲットを決めて、それに沿った立地、店舗規模を選択することによって、潰れる割合は大きく下げることができます。上述した軸に加え、ターゲットによる立地の選択も忘れずに行いましょう。

「飲食は潰れる」だからこそ、小さな差別化が活きる

飲食店が潰れる割合は?データが示す飲食業の厳しさと、生き残る方法

飲食店は潰れます。そのため、潰れる割合が最も高い飲食業だからこそ、実績やデータを駆使した分析が必要です。どのような飲食店をどこに出すのかというのは、店舗の将来を左右する非常に重要な選択です。もちろん飲食店のスタイルは町中華でも、おしゃれなイタリアンでも、デリバリーオンリーでも構いません。

失敗するリスクを抑えるために、フランチャイズという選択肢もあります。フランチャイズの最大のメリットは何といっても本部のサポートがあることです。これにより、自分のお店が潰れる割合もかなり低くなることが期待されます。

もし、フランチャイズに興味がある方は、アントレをチェックしましょう。アントレでは、フランチャイズの情報や、独立に関する情報、様々な業種や業界のビジネスの情報を掲載しています。まずは、情報収集からやってみてください。

<文/TOM>

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