目的と手段。
何が目的で、そのためにどんな手段を講じるべきなのか。日頃の業務に追われていると、ついうっかりこの目的と手段を履き違えてしまいますよね。
今回お話を伺ったのは、ウォーキング講師の今村大祐さん。
今村さんは独自のメソッドで、モデルから一般の方までを幅広く教える「歩き方」のプロフェッショナル。
過去、ミス・ユニバースなどミスコン日本代表を10名以上輩出するなど、その実力は折り紙付きです。
そんな今村さんですが、かつてはホームレス生活をおくらなければならないほど、苦労をされたそうです。
今回は今村さんのキャリアについて伺うとともに、今村さんの持つ強烈な「目的意識」の真髄を取材しました。
今村大祐さん
Best proportion 天神スタジオ主宰
日本プロポーショントレーニング協会代表
パーソナルクリエイター/ウォーキング講師
ミラノコレクションウォーキングディレクター
美姿勢・美行歩・マインドセットのスペシャリスト講演、企業研修、ランウェイ演出構成、健康器具監修、出版など。年間指導は700本以上、指導数は延べ10万人を超える。
ミラノ、NY、台湾など、指導は海外にも及び、現在は文化人タレントとしてメディアでも活躍中。最新刊「人生変わった!体幹コアウォーキング」はベストセラー中。
どんな職業に就くかではなく「どんな自分になっていたいか」を考えた。今村さんがウォーキング講師になった理由
―現在に至るまでの経歴を教えてください。ウォーキング講師をされている今村さんですが、元々運動はお好きだったのでしょうか?
はい、こどもの頃から体を動かすのが好きで、スポーツや運動ばかりしていました。また、父親が体育教師だったこともあり、大学生になる頃まではぼんやりと教員になろうかなと思っていたんです。
―大学は何を専攻されていたんでしょうか?
福岡にある大学でスポーツ関連の学部を専攻していました。スポーツの学部を専攻しているといっても、自分が何らかのスポーツの「プレイヤー」としてプロになることは考えていなかったので、スポーツを「教える」仕事に就こうと思ったんです。
こどもの頃は体育教員の道しか思いつかなかったんですが、大人になってもっとたくさんの人に教えたいなと。
そこで選んだのがウォーキング講師の仕事でした。
―なぜそこからウォーキング講師という仕事を選んだのでしょうか?
漠然とですが、自分のなりたいものを思い浮かべて、そして何のジャンルだったら自分が勝負できるのか、を徹底的に考えてみたんです。僕はまず、どんな職業に就くかよりもどんな自分になっていたいかを考えてみました。
「スポーツが好きだから、スポーツ業界で働いていたい」
「雇われるよりも独立した生き方を選択したい」
「できれば“◯◯の業界に今村大祐あり”と、名が知れ渡るくらいの存在になりたい」
そういう自分の欲求を書き出してみて、次はどんな仕事だったらそうなれるかを考えてみました。
「今まで何かのスポーツでプロだったわけでもない」
「普通の体育大学出身の自分が何であれば戦えるのか」
を考えてみたら、僕が知るジャンルのスポーツは無理そうだなと。僕より上手くて経験値のあるライバルが多すぎたんです。
そこでひらめいたのが「歩き方」でした。
歩く、というのは誰もが毎日欠かさず行う動作ではあるけれど、それを極めているプロフェッショナルはそんなにいないだろうなと。
「これならライバルは少なそうだし、需要も多そうだ。しかも今の自分の経験値でもきちんと勉強すれば勝てるかもしれない」
そう思ったら即行動、大学4年の春から自分でウォーキングに関して猛勉強をスタートさせました。
また当時、数が少なかったウォーキングの本を出版されていた、ある有名なウォーキングトレーナーに、弟子入りをさせてもらったんです。