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「基幹システム」とは? 業務システムとの違いやクラウド化、導入ポイントを解説

「基幹システム」とは? 業務システムとの違いやクラウド化、導入ポイントを解説

IT、ICT、IoT、AIなどデジタルテクノロジーの進化によって、現代では多くの作業が効率&自動化されるようになりました。特にリアルタイムで複雑に変化していく数字をデータで一元管理できる会計システムや在庫管理システムなどの基幹システム、業務システムは企業にとって欠かせない存在となってきています。
今回は、基幹システムと業務システム、ERPの違いを改めて解説し、導入のメリットやポイントについて紹介していきます。

基幹システムとは?

基幹システムとはどのようなものでしょうか?
実は一般的に基幹システムと呼ばれるものは、ある特定のシステムを指すわけではありません。基幹システムとは文字通り、それぞれの企業にとって「経営上必要不可欠な業務システム」のことを意味します。

具体的に説明しましょう。
世の中には無数のビジネスと企業が存在し、担っている役割や指標もそれぞれです。そのため、企業経営において必要不可欠なシステムも企業によって異なります。製造業を例に挙げると、在庫管理、仕入管理、販売管理が経営に直接影響します。つまり製造業にとっては、在庫管理システム、仕入管理システム、販売管理システムなどの業務管理システム(もしくはそれが一体となったもの)が基幹システムといえるのです。

つまり基幹システムは、企業のメイン業務の違いによって変化するということになります。下記は主な基幹システムの分類になります。

•生産管理システム
•顧客管理システム
•販売管理システム
•在庫管理システム
•人事管理システム
•営業支援システム
•財務会計システム
•給与管理システムなど

これらは企業によって、基幹システムにもなりますが、一方で業務システムともなりえます。
何が違うのか?
「経営上不可欠なシステム」である基幹システムに対し、業務システムは「業務を円滑に遂行するためのシステム」とも定義されています。しかし、前述したように企業によってどのシステムが基幹となるか、は異なりますので、厳密に言うと業務システムとは「基幹システム以外のシステム」と言えます。

ERPとは? 基幹システムと業務システムとの違い


これまで基幹システムと業務システムについて説明してきました。ここでは両者と同列で語られることが多い「ERP」について解説します。

ERPとは「Enterprise Resources Planning」の略称で、「基幹系情報システム」「総合基幹業務システム」と訳されることが多いです。これまで説明してきた基幹システムや業務システムは、従来はそれぞれが独立したシステムであったため、各システムの連携がビジネス上の課題・弊害となっていました。

ERPでは、基幹システム、業務システム、情報システムなど経営に必要な情報をオールインワンで管理することが可能です。また各拠点、各部門に点在している情報についてもシームレスかつタイムリーに把握することができるため、経営者にとって経営状態を可視化できる大きなメリットがあります。

元来、ERPは生産管理の手法から発展しました。生産管理の手法のひとつにMRP(Material Requirements Planning=資材所要量計画)というものがあります。そのMRPに改良が加えられ、人員計画、物流計画までカバーできるようになったシステムであるMRP2(Manufacturing Resource Planning=生産資源計画)が生まれ、さらに改良されたあらゆる経営資源を一元化する考え方がERPと言われています。現在は、テクノロジーの進化によってソリューションそのものを指すことが多くなっています。

ERPを導入している企業にとっては、「基幹システム=ERP」ということが言えます。

基幹システムを導入するメリットとは?

では、基幹システムを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
近年は、ビジネス環境の急速な変化と労働人口減少における人手不足の点から中小企業でも導入する企業が増えてきています。細かく分解するとメリットは多岐にわたりますが、企業の課題をクリティカルに解決する点において以下に大別できます。

①業務効率化・省人化・標準化
在庫管理、販売管理、仕入管理から給与管理、人事管理、勤怠管理などのバックオフィス業務は、ルーティンワークの割合が多い上に、ミスが許されないという特徴があります。加えて、中小企業にとっては属人化しやすい業務でもあります。各種システムを導入することで、業務効率化、省人化、さらに標準化も可能なため、情報共有や業務引き継ぎにおいても大きな価値を発揮してくれます。

②経営情報の可視化により、素早い決断が可能
テクノロジーの進化により、経営に関するあらゆる情報がリアルタイムでデータ化されるようになっています。売上、在庫、原価、利益のお金の動きから、ヒト・モノの動きの把握、分析が可能となるため、企業・経営戦略に必須であるスピード感とデータに裏付けされた的確な判断が下せるようになります。

また各事業部間で遮断されていた情報をすべて一元化できるのも経営上の大きなメリットです。部門間の連携強化により、企業の強み、弱みを把握でき、無駄の削減、機会損失を低減することができます。

「2025年の崖」? ERPはオンプレミス型からクラウド型へ

基幹システムについて説明をしてきましたが、実は経済産業省が企業に対して、ITシステム(基幹システム)の老朽化に警鐘を鳴らすレポートを発表していることをご存知でしょうか?

2018年9月に発表された「DXレポート」では、「2025年の崖」と表現される日本企業のデジタル化が急務であることが明記されています。

◎経済産業省:DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(サマリー)

具体的には2020年にWin7のサポートが終了し、2025年には多くの企業で導入されているオンプレミス型の基幹システムのサポートが終了するなど、世界的に基幹システムがクラウド型に移行するなかで、多くの日本企業がその対応に遅れ、莫大な経済損失が生じる可能性が指摘されています。2025年には基幹系システムを21年以上使用している企業が6割と試算されており、下記のようなデメリットが起きると考えられます。

•既存の基幹システムが老朽化しており、当時とはニーズも変化しており対応ができていない
•既存システムの保守運用に人的リソース、コストがかかり、最新テクノロジーの導入が遅れている
•既存の基幹システムが部門最適化で構築したことにより、全社横断的なデータ活用ができていない
•既存システムのメインフレームの担い手が退職・高齢化することにより、技術人材が不足し、既存システムの保守運用にコストがかかる
•独自のカスタマイズの繰り返しと技術人材の不足によりシステムがブラックボックス化し、メンテナビリティが落ちている
•技術人材の不足により、セキュリティリスクが高まる

つまり今後、基幹システム未導入の企業はもちろん、基幹システムを導入済みでもレガシーシステムに依存している企業も大きな変革が迫られているのです。オンプレミス型は自社運用をする必要があるため、継続的に使用していると保守運用に莫大なコストがかかります。そのためオンプレミス型は、中小企業にはコスト・人材面から導入のハードルが高くなっていました。

徐々にクラウド型が主流になってきた現在では、低コストで基幹システムを導入することが可能となっているのですが、多くの企業でその対応が遅れているのが現実です。

基幹システム導入のポイント

現在、オンプレミス型とクラウド型にそれぞれメリットとデメリットが存在します。その点も含めて、基幹システムを導入する際に留意するポイントを紹介します。

●導入の目的を明確にして、社内に周知する
基幹システムを導入するにあたって、まず明確にしなければいけないのは目的です。社内の業務のどこに課題があり、基幹システムを導入することでなにが解決できるのか。この点を精査していなくては、数多くある基幹システムのなかから最適なサービスを選択することはできません。
また全体にせよ、一部にせよ導入後は従業員の業務に変化が起きるため、理解を得ておく必要があります。「導入しただけ」になり、宝の持ち腐れにならないように事前に準備・調査をしておくことが重要です。

●適用範囲や運用形態を決める
上記のポイントと連動しますが、社内全体か部分的に導入するのか、もしくはオンプレミス型かクラウド型かなどの検討も大切なポイントになります。オンプレミス型は、自社サーバーを使用するためセキュリティ面は堅牢ですが、初期コストが高くなることや保守運用、バージョンアップなどを自社で行わなければならないため専門的人材が必要になります。
一方クラウド型は、インターネット上のシステムを利用するため、初期コストを抑えることができ、導入もスムーズです。アップデート、バージョンアップも自動で行われ、インターネット環境さえあればオフィス以外でも利用できる点もテレワークなど昨今の働き方改革とも連動します。導入後の運用やサポート体制についても、社内環境にフィットするサービスを選択する必要があります。

まとめ

基幹システムはクラウド型サービスの普及により、格段に導入しやすくなりました。世界的なデジタル化の波は今後も加速度が増していくなかで、経済産業省も危惧するように日本のデジタルツールを利用した業務効率化は、喫緊の課題です。
まずは自社の課題を冷静に把握して、コスト、運用面、効果を検証した後に導入へと進みましょう。

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元記事はこちら
https://keiei.freee.co.jp/articles/c0501619

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2020年2月20日

独立開業して事業が順調に拡大していくにつれて、関わるメンバーが増えていきます。ただ多種多様な人材が集まると、メンバーそれぞれに生産性の違いが見られるようになります。

そのため、チームの生産性を最大限に発揮するための「チームマネジメント」が欠かせません。

チームリーダーが理解しておきたい、チームマネジメントの手法と求められる能力について、以下ご紹介していきましょう。

業務効率化を実現する「チームマネジメント」

チームマネジメントとは、チームメンバーが持つ知識や能力を最大限に発揮させるためのマネジメント手法で、チームを率いるリーダーにとって重要な職務の一つです。

企業は、業務効率化を行いながら今まで以上に売上を拡大することで、事業を成長させようとします。しかし、以前のような「良いものを大量に作れば売れる」という時代はすでに終わり、カスタマーのニーズが多様化する中、新しいサービスの開発やイノベーションの創出が求められています。

一方、企業は人口高齢化による生産年齢人口の減少により働き手となる人材の確保が難しくなってきています。また昨今では長時間労働の規制も厳しくなっているため、今までよりも少人数かつ短期間で、今までよりも同様かそれ以上の成果を挙げることも求められています。

このように新たな価値の創出だけでなく、業務の効率化やスピード化も求められる中、「チームマネジメント」が有効であると注目を集めています。

特に大切なのは「目標設定」と「場の雰囲気づくり」

チームマネジメントの目的である「チーム生産性を最大限の向上」を実現するために、ネット上をはじめ世の中にはいろいろな手法が紹介されていますが、今回はその中でも特に大切な「適切な目標設定」と、「建設的な雰囲気をつくる」の2点についてご紹介します。

適切な目標を設定する

チームが一丸となって達成を目指すためには、まず適切な目標を設定する必要があります。目標が実現不可能なものであったり曖昧であったりすると、チームの存在意義が失われかねません。

設定する目標は、簡単に達成できてしまうレベルだとメンバーが頑張らなくなりますし、逆に高すぎるとメンバーが最初からあきらめてしまい、目標が形骸化してしまいます。個々のメンバーに「頑張ったら達成できる」くらいのレベルを見極めて、具体的な数値等で明確に目標を設定するようにします。

チームには多種多様の考えを持ったメンバーが在籍しています。そのため、リーダーは個々のメンバーの多様性を重視しつつ、メンバーひとり一人としっかりと情報共有を行い、メンバーが「その目標を達成したいと思えるか」「目標達成のイメージが描けるか」といったことを確認しながら設定していきます。

またゴールに向けて予定通りに進行しているかどうかを随時チェックすることも重要です。

建設的な雰囲気をつくる

メンバーを統率し、一つの目標に向かってチーム力を発揮するためには、チームの雰囲気作りが欠かせません。

時にはチーム内に批判や衝突が起きることもあると思います。それを皆で受け入れ、建設的な議論になるよう、メンバー間の信頼関係を構築することが重要です。

個々のメンバーの多様性を認め、ひとり一人が必ず発言できる機会を与え、コミュニケーションを活性化させます。誰もが自分の考えを発言し、意見を言い合える「場の空気」をつくりましょう。

成功するチームは、メンバーが批判や争いを恐れず、互いの脆弱性を認め「全員がチームに対する責任と権利」を持っています。その状態が実現できれば、メンバーがそれぞれのリーダーシップを発揮して、互いの弱みをカバーし、強みを活かすことを自然に求めるようになるでしょう。メンバーがモチベーションを維持し、目的と自主性を持って仕事に向かうからこそ生産性は高まるのです。

チームマネジメントに求められる4能力

チームマネジメントを行うリーダーに求められる能力は、大きく以下の①~④になります。

① 目標設定能力

リーダーに求められる能力の一つが、目標設定能力です。チームマネジメントにおける目標設定は、チームメンバー全員が納得できるものでなければなりません。ひとりでも目標に納得できないメンバーがいた場合、その時点で目標達成が困難なものとなります。

そのため、リーダーは設定した目標について、その目的や理由、理念も含めてメンバーに共有し、メンバーの目標に対する納得感を醸成することが求められます。

また達成難易度をギリギリ達成できるレベルに設定することで、チームメンバーのモチベーションや士気を高めます。

さらに中間目標を設定することで、チームやメンバーの進捗管理をしやすくなり、達成確率も高まります。

② コーチング能力

コーチング能力とは、メンバーの強みや長所というポジティブな面を見つけ出し、部下の成長を促し、達成感を与える能力です。

チームで目標を達成するには、各メンバーが自己の能力を最大限に向上させ、発揮することでチームに貢献してもらうことが重要です。そのため、チームリーダーにはメンバーの長所や強みを見つけ出し、それを活かすためのコーチングが求められるのです。

③ コミュニケーション能力

チームリーダーは、チームの目標や業務の目的を設定する段階で、メンバー全員が納得できる説明を行なわなければいけません。また、チームとして目標を達成するために、メンバーに的確な指示やアドバイスを伝える必要があります。

そのためには、リーダーにはメンバー間のコミュニケーションを密に行い距離感を近づけていくコミュニケーション能力が必要です。

コミュニケーション能力を発揮できると、メンバーに言われなくても察知できるほどにメンバーのことをよく知っておくことや、自分の判断が間違っていないと自信をもって言える「信頼関係の構築」も可能になります。

④ 業務遂行能力(スケジュール管理・課題解決能力)

チーム目標を達成するためには、適切にスケジュールを管理し、チームメンバーが予定通り業務遂行できるように補佐し、メンバーそれぞれに的確な指示やアドバイスを行なう必要があります。

チームが直面する課題や問題の中には、チームメンバーはもちろん、リーダーひとりだけでは解決できないものもあります。そのため、チームマネジメントで求められる課題解決能力は、チームメンバーを巻き込んで、適切に解決を促すファシリテーター(組織において、中立的な立場からチーム活動を支援する役割を持つ人材)能力に似たものとなります。

個々の能力をうまく引き出し、生産性向上を実現しよう

今後さらなる事業成長やイノベーション創出が求められる中、チームマネジメントはますますその必要性を増していきます。

しかし、チームマネジメントは合理的にメンバーや業務を管理していくだけでは生産性を向上させることは難しく、ひとり一人と納得した目標設定を行い、彼らの強みや長所を伸ばし、メンバーが一丸となって取り組むような雰囲気を醸成して目標達成していくことが求められます。リーダーはチームマネジメントに必要な能力や習得方法を適切に理解して最適なチームマネジメントを行うことで、チームの生産性向上を実現していきましょう。

PROFILE

HIDE

元大手広告会社で人事部長を経験。新卒・中途の採用から人事制度設計、労務管理まで人事業務全般を手がける。現在はその前職での経験を活かし、各種就職・転職セミナーの企画運営から企業の採用広報の企画設計等、幅広く活動中。

2020年2月18日

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