2015年11月6日更新

起業とお金に関するお話の第23回目。創業融資の獲得を前提とした事業計画書の書き方のお話を続けます。前回の続きで、事業コンセプトの9つの要素を一つひとつみていきます。
あなたは、その商品・サービスを「いつ」提供するのでしょうか。単にあなたが会社を退職するからとか、起業したいと思ったから「今」なのでしょうか?
事業は参入するタイミングが非常に大事です。タイミングがピタリと合えば先行者メリットを享受しつつ大きな利益を上げることができるのです。
そのためにも、市場の成長カーブを意識しましょう。あなたが始めようとしているビジネスは、以下の4つの段階のどこに位置していると思われますか?
1)黎明期
全然世の中に知られていないけど、ひっそりと良い商品・サービスが生まれて存在している状態
2)成長期
その商品・サービスに注目が集まり、爆発的に売上、利益が伸びている状態
3)ピーク
儲かっている様子を見て、さまざまな会社がどんどん参入してきている状態。供給過剰気味で、激しい価格競争へと移行している
4)衰退期
競争についていけないところは脱落してきている状態。商品・サービス自体も古くなりつつあり、消費者も買わなくなってきている
起業する際、ピークを過ぎてからの参入がダメなのは誰でもわかることですが、1の黎明期にある商品・サービスで起業する場合も注意が必要です。まだ誰もやっていない商品・サービスに目をつけ、いち早く始めた時、先行者メリットはあるでしょう。将来、業界をリードできる存在になれる可能性もあります。
ただ、潜在ニーズがあるのに消費者がニーズに気づいていないとか、そもそもPRすることにお金や労力がかかるといった壁があります。その間、会社の維持費もかかりますし、自身の生活費も必要です。いつか芽が出る時を待ちながら、じっと持久戦を繰り広げる必要も出てきます。
金融機関としては、返済が始まるころに返済できるだけの利益が上がるかどうかを重視します。具体的には、融資を実行してから返済据え置き期間が終わる「半年後」の時点です。
長いスパンでのビジネスを考えている場合は、即時に売上が立つビジネスと組み合わせるなど、金融機関を説得する材料も考える必要がありますね。
さて、次回も事業コンセプトについてのお話を続けていきます。お楽しみに!