2016年2月19日更新

起業とお金に関するお話の第30回目。今回も事業計画書上に記載する各項目について、気付きになるようなヒントを書いていきたいと思います。
前回は創業融資の審査を前提とした事業計画書を書く上で一番大事なのは、数字の部分だというお話をしました。そして、経営上、予想しておく必要がある数字には2種類があることを説明しました。今回はこの点をもう少し詳しく見ていきましょう。
予想しておくべき数字の1つ目は損益。
言い換えれば、「きちんと利益が出せる事業かどうか」です。融資をする金融機関側から見れば、事業から生み出される利益が返済の原資。利益が出せない事業であれば、貸したお金を返してもらえる可能性が低くて貸すのはキケンということになります。貸して欲しい側の起業家としては、きちんと利益が出せる事業だということを、何としても金融機関に理解してもらう必要があります。具体的には、起業後1カ月目から毎月の損益を予想し、最低でも1年間の損益予想を示す必要があります。さらに進んで2年目、3年目と損益の予想も示すことで長期的な展望を示すことをしていきます。
予想しておくべき数字の2つ目はキャッシュフローです。
言い換えれば、「お金の入出金をベースとして、途中で資金の残高がマイナスになる(足りなくなる)ことがないかどうか」です。いくら利益が出る事業だとしても、途中でお金が枯渇するシーンがあれば、事業が破綻してしまうからです。起業家としては、予測損益計算書などで、きちんと利益が出ることを証明しつつ、途中でお金が足りなくなることがないかどうかを、資金繰り表などを使って説明することが求められます。キャッシュフローについても、1カ月ごとの入金、支出、残高を予想し、金融機関に示すことが必要です。こちらは最低でも半年から1年分は予想しておきたいところです。
次回、この点をもう少し詳しく見ていきます。お楽しみに!