2016年4月1日更新

起業とお金に関するお話の第33回目。今回も事業計画書上に記載する各項目について、気づきになるようなヒントを書いていきます。
前回は、事業計画書を作成するときには必ず、キャッシュ残高の推移を月ごとに予測した資金繰り表を作り説明することが大切だというお話をしました。倒産しないためには、一定のキャッシュを手元に残しておく必要があるからです。
では、残高はいくら必要なのでしょうか?これは業種などによりますが、少なくとも会社の口座残高が100万円を切るようであれば、経営者として不安ですよね。また仕入の支払いや給料の支払いに使う資金が手元に残るようにコントロールしなければなりません。事業計画書上でも、ちゃんとコントロールできることを示す必要があります。そこで考えておきたいのが、回収条件と支払条件です。
例えば、飲食店で全ての売り上げが現金払いだとしたら、日銭が入ってきて、資金繰りはラクだということになります。一方、半分がクレジットカードによるものだとしたら、カード会社の締日で金額が集計され、15日後、1カ月後などに、ようやく売上金を回収できるということになります。
事業計画書を書くにあたり、まずは、現金回収と掛回収(カード回収など)の割合がどのくらいになるのか、クレジットカード払いや請求書発行による掛回収を採用する場合は、何日締めの何日払いなのかをよく確認しておきましょう。業種によっては手形払いなどで、さらに現金回収が遅くなる可能性もあります。下請け仕事で、相手側の取引条件に完全に従わなければならないという場合は仕方ありません。そうでない場合は、交渉次第で資金繰りが少しでも楽になることを意識しておきましょう。起業当初に決めた回収条件、支払条件をあとで変更するのは難しいということをよく意識してくださいね。
次回も、この点をもう少し詳しく見ていきます。お楽しみに!