2016年5月20日更新

起業とお金に関するお話の第36回目。今回も事業計画書上に記載する各項目について、気づきになるようなヒントを書いていきます。
前回、創業融資の審査では、職歴が重視されるというお話をしてきました。中には「自分の経験では借りられないのではないか」といったように、読んで不安になってしまった方もいるかもしれません。でも、その気持ちはとてもよくわかります。起業相談でも質問の多い項目の一つですから。
そんな不安を打開するため、今回はヒントを書いていきます。
業種未経験というケースでは、その業界に転職してから起業するとか、経験豊富な人を連れてきて共同経営者にするなど、いくつかの方法はあります。一方、全然足りないのではなく、十分な経験として認められるかどうかがやや不安だというケースもよくあります。そんな場合、一度やってみたほうが良いのは、自分の人生で培ったことの「棚卸し作業」です。
経験が大事とひと言でいっても、年数だけではなく、その経験の中身を問われます。例えば、飲食店で起業する人が、今までアルバイトだけを経験してきたのか、社員だったのか、店長まで経験したかで経験の質が違いますよね。さらには店長だったとしても、関東エリア1位とか、就任後1年で前年比130%の売上を達成したとか、輝かしい実績を残してきたかでは、これもまた経験の質が違うということなります。
ぜひ、まずは以下をやってみてください。
1)生まれてから今に至るまでの自分の人生を、年表のように書き出します。
2)年表を見ながら
●今までの人生で経験してきたこと
●自分が持っている属性(スキル、資格、性格など)
●自分が持っている人脈
●その他(好きなこと、趣味、特技など)
をそれぞれ書き出していきましょう。その中で気になる言葉をキーワードとしてチェックします。出現するキーワードの中からあなたの強みを発見しましょう。
例えば、
・50代の人生経験豊富な自分には、若者にはない説得力がある
・趣味のトレーディングカード集めでは、誰にも負けないノウハウがある
・人事部長として社員研修選びについてはかなりの自信がある
などといったように。
つまり、自分の強みは何かや、経験としてアピールできることが他にはないかを探し当てるための作業というわけです。自分にとっては当たり前にできることでも、他の人からみたら「スゴイ!」と思われるような経験だって実はたくさんあるはずです。それも経験としてアピールしてしまいましょう。
次回も、職歴と起業、事業計画書への書き方について、もう少し詳しく見ていきます。お楽しみに!