2015年12月18日更新

起業とお金に関するお話の第26回目。創業融資の獲得を前提とした事業計画書の書き方のお話を続けます。前回の続きで事業コンセプトの9つの要素を一つひとつみていきます。
あなたはその商品・サービスを「どれだけ」提供するのでしょうか?
言い換えると、どんな規模で、どのくらいの資金で、どれだけの売り上げを見込むのでしょうか?これを決めるには2つのアプローチがあります。1つは経営方針としてどこを目指すかです。例えば、あなたはこれから整体サロンで開業するとしましょう。
1)自分一人が食べていけるだけの売り上げでいい。基本的に施術は一人で行うか、アルバイトを一人雇用する程度で考えている。プライベートの時間とバランスを図りつつ、ガツガツと売り上げを伸ばすことは考えていない。
2)どうせやるなら、会社をどんどん大きくしていきたい。なるべく早い段階で社員をたくさん雇用してみんなが幸せになれることを目指したい。
どちらも「あり」ですよね。どちらが正解ということもないです。その人が人生において何を目指すかで違ってくるということです。もう一つは、資金力からのアプローチです。自己資金が少ない、借入れができない何らかの理由がある、借金までしたくないなどです。資金的な限界があれば、自ずと、展開できる事業規模が決まってきてしまいます。上記の例でいけば、自己資金内で自宅で開業するとか小さなマンションの1室で開業するなどです。借入れをするにしても、借入可能金額によって、都心か郊外か? 地上階か高層階か? 面積は? 内装は? 雇用する人数は? 雇用形態は? などが変わってきますよね。このようにして、事業の規模感を決め、事業コンセプトに反映する必要があります。規模感により、展開するビジネスは全く異なるものになるからです。目指す規模感が明確になっていないと、当然ながら、目指す方向があいまいになり、事業コンセプトも、ボヤけたものになってしまいます。それでは伝わらないどころか、審査を突破できません。
さて、次回ですが、長々と話してきた事業コンセプトの話も終わり、事業計画書を書くうえで大事な「論点」について個別に見ていきます。お楽しみに!