2015年9月25日更新

起業とお金に関するお話の第20回目。創業融資の獲得を前提とした事業計画書の書き方のお話を続けます。前回の続きで事業コンセプトの9つの要素を、一つひとつ見ていきます。
「どこに」その商品・サービスを提供するのでしょうか。対象となる市場はどこか、そして参入する業種・市場の中での自社の位置づけはどこか、市場全体で見たときのポジショニングの確認作業です。例えば、価格は平均より高いのでしょうか、低いのでしょうか? 商品・サービスのクオリティは良いものでしょうか、普通でしょうか? 扱っている商品・サービスは珍しいものでしょうか、ありきたりなものでしょうか? その他の項目も市場の競合他社と比較して、どんな位置を目指すのでしょうか? このことを事前に決めておく必要があります。
当然ながら、ライバルがひしめき合うゾーンを目指してはいけません。激しい競争の中で起業したばかりの会社が生き残るのは至難の業だからです。できる限りライバルがいないゾーンを模索し、そこで勝負をしましょう。 失敗事例としてありがちなのは、ポジショニングを考えずにライバルだらけのゾーンで勝負してしまうケースです。例えば、大手企業が多数参入している安価が売りの居酒屋と競合するような店を、すぐ近隣で出店してしまうというようなケースです。何の工夫もなく大手企業と張り合っても勝てる見込みは少ないですよね。 そのようにならないためには、市場全体の今の情勢や近未来の情勢をよく分析しましょう。そして、競合他社がどんな展開をしているのか、市場をよく見極めましょう。ポイントは他社にないような自社の強みを生かしたときに勝てるゾーンを見つけることです。
さて、次回も事業コンセプトについてのお話を続けていきます。お楽しみに!