2016年2月5日更新

さて、起業とお金に関するお話の第29回目。今回も事業計画書上に記載する各項目について、気付きになるようなヒントを書いていきたいと思います。
最初に問題です。創業融資を借りるために書く事業計画書で、一番重要な箇所はどこだと思いますか?ぜひ、考えてみてください。理念?起業の目的?競合分析?いろんなことが思い浮かんだと思います。この解答は、ズバリ!「数字」の部分です。いくら良い文章を書いても、数字の部分がダメなら融資審査は突破できない。それが真実です。銀行や公庫などは、数字を重視します。数字は正直であり、ごまかすことができないものです。そして、その人の経験や能力、経営センスまで、どんな数字の予想をするかを見れば、一目瞭然となるからです。また、予想した各数字が、審査を突破できる最低ラインをクリアできているかも非常に重要です。各数字同士のつじつまが合っていることも求められます。
ここまで聞くとたじろぐ人もいるかと思います。会社員時代ではあまり数字に触れることがなかったためか、実際に、文章の部分はスラスラ書けるのに、いざ数字の部分に入ると全く書けない……などの声はよく聞きます。ですが、心配しないでください。最初は書けないのが普通です。そんな全くの初心者の方のために今回と次回で、事業計画書で書く数字の部分の基本についてお話ししたいと思います。
まず、覚えておいてほしいことがあります。経営上、数字として予想しておく必要がある数字には2種類があります。一つは「儲かるかどうか(損益)」、もう一つは「お金が足りるかどうか(資金繰り)」です。この2つを別々に押さえる必要があることを覚えてください。
「勘定足りて銭足らず」「黒字倒産」といった言葉を聞いたことがあるかと思います。いくら儲かっていても現金がなくなったら倒産します。儲かるかどうかと、お金が足りるかどうかは、別々に把握しておく必要があるのです。ごっちゃにしてしまうと融資の審査も経営自体もうまく行かなくなるのでご注意ください。まずはここを頭に入れておきましょう。
次回、この点をもう少し詳しく見ていきます。お楽しみに!