2016年4月29日更新

起業とお金に関するお話の第35回目。今回も事業計画書上に記載する各項目について、気づきになるようなヒントを書いていきます。
前回より、創業融資の審査では「職歴」が重視されるというお話をしてきました。フランチャイズの場合は本部からノウハウの提供を受けるためそれほどでもないですが、自力で起業する場合は、特にこの経験が大事な審査の要素となります。年数でいえば、基本的には3年以上の経験が欲しいところです。最低でも1年くらいは経験していないと厳しい戦いとなります。全くの未経験だと門前払いに近い対応をされる場合が多いのが通常です。
経験が大事とひと言でいっても、年数だけではなく、その経験の中身を問われます。例えば、飲食店で起業する人が、今までアルバイトだけを経験してきたのか、社員だったのか、店長まで経験したかで経験の質が違いますよね。さらには店長だったとしても、関東エリア1位とか、就任後1年で前年比130%の売上を達成したとか、輝かしい実績を残してきたかでは、これもまた経験の質が違うということなります。
どうでしょうか。
ここまでお話ししてきて、ピンときた方もいるかと思いますが、大事なのは、事業計画書の職歴欄を書くときに、上記のような誇れる経験や職歴をアピールすることなのです。
間違っても、何年何月に入社、何年何月に退職…などと、普通の履歴書を書くような文章にならないようご注意ください。かなり重要なアピールの場とお考えください。そのためには、まず、過去の職歴や経験を一度棚卸ししてみてから書き始めることです。そして、自分で読み返して「恥ずかしくなるくらい」のアピールをしてください。意識的にです。そのくらいでちょうどいいのです。奥ゆかしい文章を書いちゃダメですよ。たまに素晴らしい実績を持っているのに謙虚すぎるという人もいますからね。十分にアピールできているか、誰かに一度、読んでもらうのもいいですね。
次回も、職歴と起業、事業計画書への書き方について、もう少し詳しく見ていきます。お楽しみに!