働き方やライフスタイルのヒントをお届けするポッドキャスト番組『安居楽業 ライフとワークを整える』。前回に引き続きゲストは、元フィロソフィーのダンスのメンバーであり、現在はキャリアコンサルタントや執筆・芸能活動など幅広く活躍する十束おとはさん。
今回は、会社員として働いた経験や、国家資格取得に挑んだ背景、そして“ゲームのように学び、人生を進める”という独自のスタンスに迫りました。趣味と仕事の境界が曖昧だからこそ楽しめる働き方や、「楽業」に込めたリアルな想いについてお話を伺いました。
フィロソフィーのダンスからキャリアコンサルタントへ|安居楽業〜ゲスト十束おとはさん(前編)
立ち止まるより、今すぐ動きたい
西川あやの:
2022年にアイドルグループを卒業されましたが、その後はどんな選択をされたんですか?
十束おとは:
すぐに会社に入りました。元々ゲームが好きだったので、eスポーツ関連の仕事がしたくて。裏方としてイベントの企画運営をしながら、「キャリアコンサルタントの資格を取る」と決めていたので、学校にも通おうと。上司に相談して、働きながら通学して、表の活動も並行して、 まさに3足のわらじでした。足、足りないんですけど(笑)

※ご本人提供
西川:
もう、めちゃくちゃ忙しいじゃないですか(笑)。でもまず、会社員になったんですね。
十束:
はい、なりました。
西川:
アイドルを卒業されたら、少しインターバルを取る方も多い印象ですが、休む時間は取らなかったんですか?
十束:
10日間だけ取りました。
西川:
短い!(笑)アイドルを辞めると「しばらくゆっくりしたいな」とか「半年はお休みして」って人も多いですよね。
十束:
そうなんですよ。でも私は個人事業主だったので、そもそも失業保険もないですし。あとは性格的に止まれないタイプなんです。なので「働こう」って。12月1日には、もう働き始めていました。
西川:
早い……! その頃は出社していたんですか?
十束:
はい。リモートもOKでしたが、出社して先輩とコミュニケーションを取る日もあれば、リモートで仕事する日もありましたね。
社会人を“1からやり直す”ことで見えたこと
西川:
「資格を取りたい」っていう思いは以前からあったと思いますが、どうしてまずは会社員になろうと思ったんですか?
十束:
元々キャリアコンサルタントを取ることを決めていたので、それを仕事に活かすにあたって、社会人経験が圧倒的に足りてないなと思って。もう1回社会に出て、自分が1からビジネススキルや仕事の仕方とか、「社会人とはなんぞや」っていうのを学びたいって思ったのが1つです。
あと、やっぱり好きなことを仕事にしたいっていう気持ちは引き続きあったので、eスポーツの裏方に興味があって、タイミングと運がよくて入れていただけたので、そこで頑張ってみようかなと思ったのがきっかけでしたね。
西川:
実際に会社員生活が始まってみて、どうでしたか?
十束:
楽しかったです。でも、「できないことだらけだな」って思いました。たとえば企画書の作り方がわからないし、一番下のポジションだったので議事録も担当していたんですが、最初は「アジェンダ」って何?っていうところからのスタートで(笑)
西川:
会議の内容をちゃんと理解しながら記録しないといけないですよね。
十束:
そうなんです。「これはどういう意味なんだろう?」って思いながら調べたり、聞いたり。ビジネス用語って、学生時代に使っていた言葉とまったく違っていて。会議の展開もすごく早くて、しかも話が大きいから「ちょっと待ってー!」って思いながら、議事録を取ってました。
西川:
Excelの使い方とかも?
十束:
そうですね。Excelの基本も自分で調べて、少しずつできるようになって。自分には必要な時間だったなと思っています。芸能活動とはまったく違う世界だったので、どっちも経験してみて初めてそれぞれの良さも大変さもわかるなって。
西川:
逆に、アイドル活動で培ったスキルが会社員生活に役立った部分ってありました?
十束:
すごくありました。特典会で何千人もの方と話してきたので、初対面の人との会話はまったく緊張しませんでしたし、芸能の現場って基本1人で乗り込んでいくことが多いから、どんな人とでもある程度うまくやれるスキルが知らぬ間に身についてたんですよね。
西川:
あと体力おばけだし(笑)
十束:
(笑)それもありますね。働きながら学校に行く生活も、全然苦じゃなかったです。
西川:
そこなんですよ。だって初めてのことがいっぱいの社会人生活で、しかも大学を卒業されて新卒で入ったときとはまた違う経験だったと思うんですよ。その中で、キャリアコンサルタントの資格を取ろうとして。これって国家資格ですよね?
十束:
そうです。学校に通って、その後に実技の練習もして、ようやく合格しました。
西川:
芸能活動も続けていたわけだから、まさに3足のわらじですね。その生活はどれくらい続いたんですか?
十束:
資格を取るまでに1年弱くらいかかりました。










