結婚、出産、子育てを経て、「やっと少しずつ自分の時間が持てるようになってきた」「これからの生き方や働き方を見直したい」と考える女性が増えています。
これまで家族や仕事を優先してきたからこそ、「自分のために新しいことを始めてみたい」と思う瞬間が訪れることは自然なことです。しかし、いざ行動しようとしても、何から始めればいいかわからないと悩む方もいるのではないでしょうか。
本記事では、女性のセカンドキャリアの考え方について解説します。
女性にとってのセカンドキャリアとは?

まずは、「セカンドキャリアとは何か」から確認していきましょう。
- セカンドキャリアの意味とは?
- 昔と今で違う「人生100年時代」の働き方
セカンドキャリアの意味とは?
セカンドキャリアとは、人生の転機に始める、新しい仕事や生き方を意味します。
具体的には、定年退職後や子育てが落ち着いた後など、一度区切りをつけたライフステージの後に、これまでの経験やスキルを活かして新たな仕事や役割に再挑戦することを指します。
自分の経験を活かし、社会との新たな接点を持てるのが、セカンドキャリアの大きな特徴です。
昔と今で違う「人生100年時代」の働き方
時代の流れとともに、キャリアの考え方は大きく変化しました。
以前は会社勤めを続け、定年を迎えて引退するのが一般的でした。しかし、現代は「人生100年時代」です。定年後も働き続けることや、多様な働き方を選ぶことが当たり前になりつつあります。
フリーランス、起業、副業、在宅ワークなど、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が浸透したことにより、自分に合ったスタイルで新しいキャリアを築く人が増えているのです。
女性にとってのセカンドキャリアとは?

女性の人生には、結婚、出産、子育て、介護など、仕事との両立が欠かせないライフイベントが多くあります。
ここでは、女性のセカンドキャリアの始まりやすい時期に焦点を当てて解説します。
出産後
出産後、多くの方は就業規則に定められた産休・育休制度を活用し、出産前と同じ職場に復帰します。
ただ、もし元の職場に戻れたとしても、育児との両立の中で、働き方や求める福利厚生は徐々に変わっていきます。「子育てと仕事を両立するために、新しい働き方に挑戦してみたい」と考えるのは、自然なことです。
子育てが落ち着いてから
子どもが成長し、働く時間が確保できるようになったタイミングも、セカンドキャリアを考える絶好の機会です。
特に、子育て世代に注目されているのが「プチ起業」です。プチ起業とは、少ない資金やリスクで始められ、家事や育児と無理なく両立できる小規模なビジネスのことです。在宅ワーク、SNSを使ったハンドメイド販売、オンライン講師など、自身の経験や得意なことを活かせる分野が豊富にあります。
プチ起業の魅力は、初期投資が少なく始めやすい点、仕事内容や作業時間を自分でコントロールしやすい点です。子どもが小さいうちは短時間から始め、成長に合わせて働く時間や規模を拡大できる柔軟性が、子育て世代に支持される理由です。
定年退職後
かつて定年は60歳とされていましたが、現在は法律で「65歳までの雇用確保」が義務づけられたことで、65歳まで働く選択肢が多くの会社で用意されています。
また、政府は定年後やセカンドキャリアを見据えたさまざまな支援制度を進めています。
| 制度・支援名 | 内容・特徴 | 補足・関連情報 |
| 高年齢者雇用安定法 | 65歳までの雇用確保が義務。70歳までの就業機会確保が努力義務 | 多くの企業が65歳まで雇用継続措置を導入 |
| 再就職支援・職業訓練 | 早期退職者や再就職希望者対象の職業訓練・キャリア相談・再就職支援。ハローワークやジョブカフェなどで実施 | 公的機関や一部民間で無料/低価格相談が可能 |
| 副業・兼業支援 | 副業・兼業の規制緩和、在宅ワーク・フリーランスなど多様な働き方の推進 | 副業を許可する企業も増加 |
| 起業・独立支援 | 創業補助金・助成金、自治体や国の創業支援窓口、専門家相談、事業承継支援等 | 初期資金やアドバイスなどサポート体制が充実 |
| リスキリング・職業訓練 | 新たなスキルや資格取得、成長産業へのキャリアチェンジのための研修、講座、助成金 | 成長産業・IT・医療など重点分野 |
昨今は、公的機関の情報を活用することで、安心してセカンドキャリアに挑戦できる環境が整っています。
ライフイベント別|40代・50代女性のセカンドキャリアの具体例
子育てや介護と両立したい場合
まずは、子育てや介護と仕事を両立したいときに考える、働き方の具体例を見ていきましょう。
オンライン事務代行(秘書代行)
企業や個人事業主の経理・スケジュール管理などをリモートでおこなう働き方です。
高いPCスキルやコミュニケーション能力が活かせます。
完全リモートでも対応できるので、日中に仕事から離れるタイミングが多い方にも適しています。
Webライター
これまでの人生で得てきた経験や専門スキルを活かして、専門ライターになる働き方です。
時間や場所を選ばないので、スキマ時間を活かして働くことが可能です。出産や子育てに関する記事を担当すれば、現状をそのまま仕事に活かすことも可能です。
ECサイト・フリマサイト運営
自身の審美眼や発想力を活かして、商品の仕入れ・販売をおこなう働き方です。
初期投資が少なくて済むので、誰でも始めやすいことが特徴です。前述の「プチ起業」がこれにあたります。
企業での経験を活かし、安定的に働きたい場合(再就職・転職)
続いて、再就職や転職を考える方向けのセカンドキャリアの具体例を紹介します。
キャリアコンサルタント
自身のビジネス経験や人生経験を活かし、若手や同世代のキャリア相談に乗る仕事です。
キャリアコンサルタントとして働くには国家資格が必要なので、難易度は高いですが、その後の安定は見えやすいでしょう。
インサイドセールス(内勤営業)
オンラインで顧客とコミュニケーションを取り、商談設定までをおこなう仕事です。
体力的な負担が少なく、営業経験が活かせることが特徴なので、出産前ほどバリバリは働けないものの、これまでの経験を活かしたい方におすすめです。
介護・福祉関連職
人との関わりを重視する、社会貢献性の高い仕事です。
資格取得支援制度を利用しやすいため、未経験からキャリアアップを目指しやすい職種です。従事する職種によって労働環境はバラバラですが、しっかり稼ぎつつ、長く働ける仕事を探している方にはおすすめです。
女性のセカンドキャリア|よくある不安と対策は?

セカンドキャリアに踏み出す多くの女性は、「年齢的に遅いかも」「スキルがない」といった不安を抱えがちです。
ここでは、具体的な悩みと合わせて、前向きに一歩を踏み出すための対策まで紹介します。
「年齢的にもう遅いかも…」という不安
セカンドキャリアに年齢制限はありません。
「人生100年時代」といわれる今、40代・50代で新たなチャレンジをスタートする女性は少なくありません。これまでの人生経験や、家事・育児で培った経験はそのまま強みになります。
実際に50代や60代で起業や再就職に成功している例も多いため、「遅すぎる」ということはありません。「思い立ったときがベストタイミング」と捉え、前向きに挑戦することが大切です。
スキルや資格がない私でも大丈夫?
特別な資格や専門スキルがないと自信を持てない方もいますが、心配は不要です。家事や子育てで培ったコミュニケーション力、調整力、計画性なども立派なスキルです。
最近は未経験からチャレンジできる仕事や業界が増加しており、オンライン講座などで学び直しをする人も多くいます。まずは「今」できることから始め、必要な知識やスキルは働きながら身につけていけば十分です。
出産・育児で長く仕事を離れていたけど再スタートできる?
ブランクが長いことを不安に感じる方もいますが、子育てや家庭での経験は社会に出ても十分に活かせます。再スタートは、パートや在宅ワーク、ボランティアなど、小さなステップから始めるのがおすすめです。
SNSや情報収集ツールで最新情報をフォローしたり、学び直し(リスキリング)を活用すると自信につながります。子育て経験者を歓迎する企業や、ママ向けの起業・仕事支援も増えているため、焦らずに社会との接点を広げていきましょう。
家庭との両立はできる?
「仕事を始めたら家庭のことがおろそかになるかも」という不安に対し、現在は女性が柔軟に働ける選択肢が増えています。
両立のコツは、完璧を求めすぎず、家族にも協力をお願いすることです。一人で背負い込まず、無理のないペースを意識し、自分と家族にとって「ちょうどいい働き方」を見つける気持ちが大切です。
セカンドキャリアで起業の選択肢も
オンライン化が進んだ現代では、パソコンやスマホがあれば自分のビジネスができる環境が整うため、「起業」を選択肢に入れる女性が増えています。
ハンドメイド販売、WEBライター、ネットショップ運営など、女性のセカンドキャリアで人気の高いジャンルは多岐にわたります。特に、自分の専門知識や資格を活かして独立する女性も増加傾向にあります。
「一人でゼロから始めるのは不安」という方には、フランチャイズという選択肢もおすすめです。確立されたビジネスモデルやサポート体制を活用してスタートできるため、初めての方でも着実に事業を育てやすくなります。
どのような働き方があるか気になる方は、独立開業を後押しする日本最大級の独立・開業専門メディア「アントレ」をご確認ください。
セカンドキャリアを成功させるための事前準備とは

「セカンドキャリアのビジョンが見えない」という方は、転職エージェントに登録してみましょう。すぐに転職する予定がなくても、現在の不安や今後のキャリアプランを相談できるので、客観的な視点から自分の経験やスキルの価値を知れます。
転職のプロの意見を聞きながら、ゆっくりセカンドキャリアについて考えてみましょう。
セカンドキャリアで求められるものは?

セカンドキャリアを形成する際に、求められるものは何なのでしょうか。こちらでは、スキル以外の心構えや姿勢に焦点を当てて解説します。
変化を受け入れ、自分に合った働き方を選ぶ力
社会や職場の環境、生活スタイルの変化に合わせて、自分に合った働き方を柔軟に見つけていく力が、これからのキャリア形成には必要です。
新しい分野への挑戦、リモートワーク、副業など多様な選択肢に目を向け、自分の得意なことや価値観に合わせてキャリアの形を変えていく柔軟性は、どの年代でも大きな強みとなります。
新しい知識や学ぶ姿勢
変化の激しい現代社会では、常に新しい知識を取り入れ、スキルをアップデートする「学び直し(リスキリング)」の姿勢が求められます。
国もリスキリングを強く推進しているので、再就職やキャリアチェンジ、デジタルスキルの習得などを後押しする制度やサポート体制が整いつつあります。
年齢やブランクにとらわれず、柔軟に学び続ける姿勢が、自分らしいセカンドキャリアを築くための大きな力になります。興味ある分野から、オンライン講座や自治体の支援サービスなどを活用してみましょう。
【厚生労働省委託事業・キャリア形成・リスキリング支援センター】
コミュニケーション能力や発信力
セカンドキャリアでは、コミュニケーション能力や発信力がますます重要になってきます。
特に起業・独立をする場合は、SNSを活用して宣伝をおこなわなければ、仕事が発生しません。社会人だった頃の信用は一度手放しているため、高いコミュニケーションスキルと発信力を駆使して、新たな信頼を築いていきましょう。
セカンドキャリアが見えてくる、自分らしいキャリアの見つけ方
新しいキャリアを考えるとき、「私らしさ」を大切にしたい方は多いはずです。
ここでは、自分にぴったりのセカンドキャリアを見つけるための具体的な方法を紹介します。
自分の棚卸しをする
まずはこれまでの経験を振り返って、得意なこと、好きだったこと、嬉しかった瞬間などを洗い出し、自分の「強み」を見つけましょう。
棚卸のやり方がわからない方は、以下の流れで進めてみてください。
- 職務経歴・経験を書き出す
- 家庭や私生活で培ったスキルも余すところなく書き出す
- 仕事で楽しかったこと、やりがいがあったことを書き出す
- 苦手なこと、セカンドキャリアでは避けたいことも設定しておく
- 「どうなりたいか」というビジョンも書いておく
興味のある仕事や資格を調べる
自己分析ができたら、次に「やってみたい」と思う仕事や、興味のある資格・講座をリサーチしましょう。
オンライン講座やYouTubeなど、手軽に始められる学びの場は豊富にあります。もし気軽に体験できるものがあれば、躊躇せずに飛び込んでみましょう。
副業から始める
「いきなり転職や起業は不安」という場合は、在宅でできる副業から始めてみるのがおすすめです。
オンラインで仕事のやりとりができるクラウドソーシングサイトも多いので、まずは登録から始めてみましょう。
同じ目標を持つ仲間を探す
SNSやオンラインサロン、コミュニティは、情報収集や仲間づくりにとても便利です。
「#セカンドキャリア」などのハッシュタグで検索すれば、同じ目標を持つ新しい仲間との出会いもあるかもしれません。
自分の価値観に気づけば、“自分らしい”セカンドキャリアが始まる

女性のセカンドキャリアは、出産や育児といったライフイベントや年齢に大きく影響されます。しかし、そこにしかない経験や視点は、これからのキャリアの大きな強みになります。
まずは「何を大切にしたいか」「どんな生き方・働き方が自分らしいか」など、自分の価値観をしっかり見つめることから始めてみてください。
挑戦に「遅すぎる」はありません。どの年代からでも、自分のペースで新しい未来を描けます。あなたらしいセカンドキャリアを、心から応援しています。
<文/ちはる>










