「脱毛する男性はまだ少数派だし、市場が小さくて儲からないのでは」と思っていませんか?メンズ脱毛は、見た目の効果が高く美容整形よりも費用が安いなどコストパフォーマンスに優れています。また、近年では脱毛需要が高まって市場が拡大しており、施術による医療的なリスクが比較的低いことが魅力ですが、需要に店舗数が追いついていないブルーオーシャンです。そのため今から参入するメリットが大きいジャンルの1つといえるでしょう。
メンズ脱毛は儲かる?気になる市場の動向
自撮りやSNS投稿が当たり前になりつつある昨今では、男性でもスキンケア・メイクアップ・プチ整形をする方が増えています。この見た目に関する意識の高まりに応えるように、メンズ脱毛サービスの需要は高まっています。
しかし、多くの男性がムダ毛処理に悩んでいるものの脱毛サービスの利用者はまだ少数で、多くの方は具体的な行動を起こせずにいます。そのため、良質なメンズ脱毛の情報を求めている潜在顧客は多い現状です。
女性用脱毛サロンはすでに成熟状態にあり価格競争が起きていますが、メンズ脱毛は未開の市場です。このようなサービス黎明期は特に情報が少なく、早急な法整備により市場の正常化がなされていくと予想される業界です。
メンズ脱毛で開業するメリット
メンズ脱毛で開業すると以下のようなメリットがあります。
メンズ脱毛はブルーオーシャン
メンズ脱毛の需要が増えてきているとはいえ、現時点ではまだブルーオーシャンであり、顕在的な需要に対しての供給が不足しています。したがって、これから発掘できる潜在的な市場規模を考えれば、新たな参入メリットが大きい段階にあるのです。
ただし、メンズ脱毛も簡単に成功するほど甘くはありません。成功確率を上げるためにも、立地調査やその土地でのブランド力といったフランチャイズのノウハウを活かすことを検討するとよいでしょう。
リピーターを獲得しやすい
ひげ脱毛など濃い毛の施術は、効果を実感するまでにある程度の施術回数が必要です。ただし、ムダ毛が目立ちやすい男性は脱毛による見た目の変化が大きいため、総じて施術経験者の満足度が高くなる傾向にあり、男性は特にリピーターになりやすいともいえます。
また専門機材と薬剤は、ドラッグストアや家電量販店で購入したものよりも、専門的な機能や成分によって脱毛効果が高いことも、専門サロンに繰り返し通いたくなる理由の1つです。
スタッフが集まりやすい
女性の脱毛サロンは女性スタッフに限られますが、メンズ脱毛を行うスタッフは男女ともに施術できます。そのため、スタッフの確保がしやすく、スキルが高いスタッフを即戦力として採用しやすいでしょう。また、スタッフ募集はフランチャイズ本部がサイトに掲載して支援してくれることもあります。
女性の脱毛よりも単価が高い
施術回数が多い男性は、女性の脱毛サービスに比べて顧客単価が2倍ほどになることも珍しくありません。ですから、フランチャイズ本部が行うSEO/MEOの対策をしたメディア戦略と、自分たちが行うSNSの発信で集客と施術に専念していれば、高単価のビジネスが構築しやすい場合があります。
男性ならではの悩みを理解しやすい
オーナーが男性でスタッフも男性が多ければ、男性特有の悩みに気づいて寄り添いやすく、顧客もスタッフに悩みを打ち明けやすいでしょう。そして、脱毛以外のサービスや副商材へも水平展開させやすいというメリットがあります。
下記記事ではフランチャイズの仕組みを解説しています。参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
メンズ脱毛サロンを開業する際の注意点
客商売で重要なのは開業場所ですが、それ以外にも注意する点がいくつもあります。
集客に工夫すること
女性の脱毛サービスはすでに成熟していて、競合店とサービス内容が差別化しづらい傾向があります。しかし、男性の脱毛サービスはまだ店舗の絶対数が少なく、特に地方都市ではあまり見かけないため、メンズ脱毛は美容サービスの中でも差別化がしやすいといえます。
集客が少ないと強引な勧誘になりやすく注意が必要です。まずは初回キャンペーンや体験プランなどで多くの来店を獲得しましょう。そして、満足度の高いサービスを提供して安心や信頼を得て、リピートや紹介の積み上げによって地域No.1店を目指すとよいでしょう。
口コミは、本当に良かったと感動した場合と不快に感じた場合に書き込まれることがほとんどです。不快な要素を排除して期待を超えるサービスで良い口コミを集め、新規顧客の店舗選びで候補に残る可能性を上げましょう。
フランチャイズに加盟していれば、フランチャイズ本部が店舗を紹介してくれることもありますが、今なら自分で手軽に発信ができるSNSがあります。SNSで店舗の雰囲気やスタッフの人となりを紹介し、施術内容の公開やイベントの告知などにも活用するとよいでしょう。
開業場所によって注意することがある
戸建ての自宅をサロンにするなら近隣への周知で足りますが、賃貸マンションならオーナー、分譲マンションなら管理組合からの許可が必要です。
自宅サロンはプライベート空間の一部を提供するため、顧客に自宅が知られてしまうリスクがあります。また、マンションなどでは不特定多数が出入りする場合の法的規制や屋外広告物(看板)の規制も併せてご注意ください。
さらに、商売は近隣住民の協力が欠かせないので、早朝深夜の騒音・ゴミ捨て・集客チラシなどを原因とするトラブルにも注意しましょう。
民間の資格で差をつける
脱毛には医療脱毛と美容脱毛があり、強力なレーザーやニードルで皮膚や毛根を壊して、2度と毛が生えてこないようにする医療行為としての脱毛を行う際には、国家資格である「医師免許」が必要です。
なお、上記以外で美容脱毛の範囲内の施術を行う場合には特に何の資格も必要ありません。ただし、顧客への信頼感を増すために、下記の資格の取得を推奨しているサロンがあります。
- JEPA(日本エステティック振興協議会)認定の「美容ライト脱毛エステティシャン」資格
- AEA(米国電気脱毛協会)認定の「CPE:認定電気脱毛士」資格
- JESA(日本脱毛安全普及協会)認定の「美容脱毛士(3級・2級・上級)」資格
また、顧客の施術内容を決めるためにまずカウンセリングを行うなど、エステティシャンは知識や分析スキルが必要です。そのため、下記のような日本エステティック協会の認定資格を取得するのも効果的です。
- 認定エステティシャン
- 認定上級エステティシャン
- 認定トータルエステティックアドバイザー
もしも、自分が オーナーとして運営側に専任するなら、スタッフの知識・技術の習得や対顧客の信頼性向上に適切な資格が取りやすいように、資格取得の援助や資格手当などの制度を整えることも必要でしょう。
関連する法律はしっかり理解しておく
脱毛でも、医療行為の範疇として行う場合には医師の国家資格が必要です。医師法第17条には「医師でなければ、医業をなしてはならない」とあり、脱毛サロンができるのは光脱毛とワックス脱毛だけです。
また、誇大広告を排除するために、医療脱毛を連想させる「永久脱毛」や「医学的」や「医療用器具」などは広告に使用できないと薬機法で規定されています。
さらに、費用などの誤解を生む表現についても景品表示法第5条で一般消費者を保護するルールが設けられています。
【メンズ脱毛】独立するなら?フランチャイズと自力独立を徹底比較
初めからお金をかけてスタートすることはせず、事業は小さく始めて徐々に拡大していくほうがよいでしょう。
自力で独立
自力で独立する場合の開業資金は300万円が目安で、下記のような費用がかかります。ただし、各項目への費用のかけ方で開業資金が大きく変動することを覚えておきましょう。
ランニングコストとしては、家賃、人件費、脱毛機器のリース代もしくは分割支払い、水道光熱費、消耗品費、広告宣伝費などがかかります。開業時には、経営が安定するまでのランニングコスト約6ヵ月分を目安に確保しておきましょう。
自力で独立する場合には、集客活動や許認可申請および消耗品や施術機器などすべて自分で調べて交渉して調達しなければならないため、決断に迷うこともあります。しかし、自力で開業する場合にはフランチャイズのルールを守る必要がないため、すべてにおいて自由な経営ができるという魅力があります。
フランチャイズ独立
フランチャイズに加盟すれば、フランチャイズ本部が用意している開業パックを利用して、格安で少ない準備期間で開業ができます。また、フランチャイズ本部が選んだ機器や消耗品などが安定して確保できるため、業界未経験からの開業でも自力の独立より手間や失敗リスクが少ないといえます。
また、フランチャイズ本部や他の加盟店が築いてきたブランドイメージを利用して、開業と同時に繁盛店にすることもできます。そして、スマホからの予約や運営サポートのシステム利用で、時代への適応や業務の効率化が比較的容易にできるのもメリットです。
フランチャイズに加盟すると、初期費用として加盟金や研修費用、ランニングコストとして毎月本部に支払うロイヤリティなどが加わります。利益の一部をフランチャイズ本部へ渡すので利益全額が自分のものにならないものの、継続した広告や集客、経営分析と改善提案、材料や備品の安定供給など、経営ノウハウを得ながら手間やコストを排除できます。
まとめ
メンズ脱毛はまだまだブルーオーシャンのジャンルで、参入して自分のエリアを築き上げると収益の安定や他店舗展開がしやすくなるでしょう。
ただし、関連法案を調べてリスク対策をとる必要があったり、競合他社が増えれば熾烈なエリアになる可能性もあるため、決して容易なビジネスモデルではありません。
ブランド力を活かした広告戦略や、変化する業界や法令への対応など、専門的なノウハウを効率よく入手したい方にはフランチャイズ加盟が適しているといえそうです。
<文/柴田敏雄>