自分の好きなことでお金を稼ぐことができたら。
独立や起業を考えている人の大きなモチベーションは、好きなことを仕事にする、というところにあるのではないでしょうか。
今回お話を伺ったのは、作曲・編曲家・ブロガーである、こおろぎさん。
こおろぎさんは、生き残りの厳しい音楽業界において、プロとして、音楽だけで生計を立てています。こおろぎさんは、どのようにして「食える」ミュージシャンになったのでしょうか。
今回は、こおろぎさんの代名詞とも言えるブログやTwitterとの出合い、そしてプロとしての仕事の心構えについてお聞きしました。
プロフィール:こおろぎさん
中学時代、ギターを始めたことをきっかけに音楽の道を志すようになる。高校卒業後は仕事と音楽活動を並行していたが、独学に限界を感じて専門学校へ。
その後、アルバイトと音楽に明け暮れる毎日であったが、2010年頃からweb上での活動にシフトし、ブログもスタート。「音楽でメシ」の記事で成長を記録し続け、2014年には専業の作編曲家・ブロガーとなった。
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自身の収入も公開!音楽でメシを食うために力を入れた、ブログとTwitterの可能性
出典:ブログ『こおろぎさんち』より
http://kohrogi.com/
——こおろぎさんは作編曲家・ブロガーとして活動されていますが、まずは音楽の道を志すようになった経緯を教えてください。
音楽を始めたのは、中学時代にギターをやっていた友人を見て「かっこいいなぁ」と思ったのがきっかけです。
それまで音楽の経験はありませんでしたし、音楽を聴くことも大して好きではなかったんですけど、ギターに魅せられてそのまま友人に誘われてバンドをやるようになりました。
当時とても人気のあった『LUNA SEA』のコピーバンドをやったり、作曲に挑戦してみたり。
そのうちに、なんとなく「プロになれたら」なんて思うようになりました。そんな淡い思いがだんだん強くなっていって、高校卒業する頃にはもう「プロになろう」と決意していました。
——なるほど。しかし、いったんは就職されたんですよね。
はい。高校卒業後は工場に就職して、働きながら音楽活動をしていました。
当時の職場は残業などもなく、とても良い環境でした。しかし、ずっと独学で音楽活動をしていたので、次第に作曲などに行き詰まるようになりました。
そこで、専門学校に通うことを決意して、本格的に音楽を学ぶことにしたんです。
——専門学校を卒業した後は、晴れてプロとして活動を始めたんですか?
いえ、編曲の仕事など少しずつ請け負うようになりましたが、アルバイトをしながらのバンド活動に勤しむ毎日でした。
正直、音楽を専業にするまでには至りませんでした。
——決して順調ではなかったのですね。何か転機があったのでしょうか?
今振り返れば2010年頃、iPhoneとTwitterに出合ったことが、僕にとって大きな転機でしたね。
それ以前にもネットには触れていましたし、mixiなどのSNSも利用していました。
しかし、iPhoneとTwitterに出合ったときにとてつもない可能性を感じたんです。
スマホが持つ情報へのアクセスのしやすさ、世の中の情報がリアルタイムに飛び交うTwitterの世界観。
直感的に「僕の生きる世界はここなんだな」と、感じました。
その可能性を感じたことを機に、バンド活動をやめて、僕の音楽活動は徐々にWeb上にシフトしていきました。
——活動の場をネットに移したことをきっかけに、良い方向に進み始めたのですね。ブログを始めたのもその頃ですか?
そうですね。はじめはなんとなく日記感覚でやっていて、機材のレビューや活動の報告をしていた程度でした。
でも自分でブログを書いているうちに、他人のブログを読むのが好きになりましたし、PVが伸びるのも嬉しくなってきて(笑)。
自分も日記ではなく、メディアとしてのブログをやってみようと思うようになりました。
僕のブログには「音楽でメシ」というカテゴリの記事があるのですが、ここでは音楽でメシを食うために、自分の目標を宣言したり、その目標に向かう自分の現状をコンテンツにしています。
自分の月の収入までもそのカテゴリの記事に書いていたんですが、生々しさがよかったのか、それが意外とウケたんですよね(笑)。
正直、自分の収入まで詳しく晒すのには恥ずかしさもありましたが、それがこのブログ、ひいては僕のことを知ってもらうきっかけにもつながったんじゃないかと思います。
そして、Twitterやブログを通した仕事の依頼が増え始めて、2014年にようやく音楽だけで生活できるようになりました。