小さい頃から新聞の折り込みチラシで絵本を包んで遊ぶような少女だったという。いつかは…と思い描いた夢を実現し、2014年6月に「雑貨とラッピングのお店アジト」をオープンしたオーナーの増田智枝美さんに開業までの道のりを伺いました。
──いつ頃から雑貨やラッピングに興味があったのですか?
増田:雑貨は物心ついた頃からずっと好きでした。ラッピングは、小さい頃から絵を描いたり何かをつくったりすることが大好きで、新聞の折り込みチラシで絵本を包んで遊んだりしていました。今思えばそれが原点ですね。
──そうなんですね。社会に出てすぐに雑貨の道へ進んだのですか?
増田:工業高校のデザイン科を卒業後、カーテンショップを母体とするインテリア雑貨店で働き始めました。キッチン雑貨やタオル・バス用品など幅広く扱っているお店でした。店長は、「将来、自分のお店を持ちたいんです」と言う私に接客やディスプレーはもちろん、店の成り立ちや流通の仕組み、仕入れのノウハウまでいろいろ教えてくれました。
初めてギフトショーに連れて行ってもらったときは、世に出る前の雑貨がこんなにたくさん!と興奮したことを覚えています。あのときの店長との出会いがなければ、今の私はないかもしれません。
結婚・出産・離婚人生の転機を乗り越え、再び雑貨の道へ
──出産で一度退職して、どれくらいで仕事へ復帰されたのですか?
増田:こどもが1歳半のときに離婚をしたので、生活のために働く必要がありました。
でも、できることなら雑貨屋さんで働きたい…。勤務可能エリアのインテリア雑貨店を調べて、片っ端から「スタッフ募集していませんか?」と電話を掛けました。
でも、そう簡単にはみつからず、ファミリーレストランで働いたりもしました。そうして何カ月後かに電話を掛けた先のお店から「まだお仕事を探していますか?」と連絡がきたんです。電話を切った後、履歴書を書いてその足ですぐ面接へ飛んで行きましたよ。
──これはもう縁としかいいようがありませんね。
増田:そうなんです。2店舗目に勤めたのはキッチン雑貨店だったのですが、店長のディスプレーのセンスが抜群で、毎日が勉強でした。その後、3店舗目となる勤め先はロングライフデザインをコンセプトとしたお店で、このお店では定番商品の販売が中心。
季節によって商品が入れ替わるわけではないので、どういう切り口で見せるか、あの手この手でディスプレーを変えて、いつも違った印象を持ってもらえるように工夫しました。
──今のご主人との出会いはそのころですか?
増田:知り合ったのは最初のお店で働いていた頃です。雑貨メーカーの営業マンでした。2店舗目で働いているときに再会して、まずは文通からスタートして(笑)お付き合いすることになりました。