パソコン教室は、パソコンとインターネット環境、机と椅子さえあれば開業できます。飲食店や小売店などと比べて開業のリスクが少ないため、「パソコンは得意だし、特技を活かして独立したい」と考える人も多いのではないでしょうか。ただ、パソコン教室のフランチャイズに加盟する際は、加盟先を慎重に選ぶ必要があります。その理由やパソコン教室のフランチャイズの主要チェーンを紹介します。
パソコン教室のフランチャイズでの独立・開業とは
他業種と比べ、パソコン教室のフランチャイズは多くありません。スマートフォンの普及やインターネットの利用者数増加により、機器の操作に慣れた人が増えたからでしょう。
以前はWordやExcelなどの使い方を覚えるために、パソコン教室に通う人も多くいたため、パソコン初心者や高齢者からのニーズも高く、パソコン教室の収益はそれなりに見込めました。
しかし、最近では「パソコンを全く扱えない初心者」はほとんどいません。学生は義務教育のうちにパソコン操作を一通り習う上に、アルバイトなどでもパソコンに触れる機会があるでしょう。高齢者でも、仕事でパソコンを使っていた人は増えています。
何より大きいのが、スマートフォンの普及です。スマートフォンはパソコンの操作と感覚的に近いので、パソコン初心者が「試しにパソコンを使ってみよう」と、パソコンを始める時の心理的ハードルも下がりました。パソコン操作で分からないことがあっても、スマートフォンで検索しながら使い方を覚えられます。
このような理由から、パソコン教室のニーズ自体が減っていることは事実かもしれません。とはいえ、ニーズが全くないというわけでもありません。小学生や学生向けにオンライン講座を開いたり、高齢者向けに出張パソコン教室を実施したりと、対象者や場所を変えて時代に適応していっています。
小学生のプログラミングが必修科目となるなど追い風になる制度の変化もあり、魅力のある市場ともいえます。このように従来のパソコン教室のイメージからは変化しながら、今後も形を変えて残り続けるでしょう。
まずはフランチャイズの仕組みを知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
パソコン教室のフランチャイズに加盟するメリット
ここまでパソコン教室の市場について話をしてきました。一般にも普及したパソコンやスマートフォンにより、パソコンの操作に慣れた人たちが増えている中で、パソコン教室を開始するために必要なことは、よりニーズにマッチした情報を早く手に入れるかがポイントとなるでしょう。
効率的に情報や知識をアップするためには、フランチャイズというシステムを活用することをおすすめします。
ここからはフランチャイズに加盟するメリットを紹介していきます。
フランチャイズに加盟すれば、その企業が培ってきた「ノウハウ」や「信用力」を活用して、未経験でもスムーズに開業できるでしょう。資金調達をする場合などは、企業の看板があるため、一人で起業するよりも借り入れがしやすい傾向にあります。
開業に必要な道具についてですが、パソコン教室は「パソコン」「インターネット環境」「机と椅子」さえあれば、十分に開業できます。
しかし、フランチャイズに加盟した場合は、企業が培ったノウハウを得ることができます。例えば教材やカリキュラムです。教材については、生徒のレベルに応じ何種類も必要となりますし、どのレベルの人にどこまでを教えるべきかなど、カリキュラムがもう出来上がっているので、運営がスムーズになります。どのレベルの人にどの操作を次に教えるとステップアップしやすいのか、満足してもらえるのか、リピーターになってもらうためにはどうした良いか、など経験値やデータも共有してもらえるでしょう。
パソコン教室のフランチャイズに加盟するデメリット
パソコン教室は市場性がないと思われている方もいるでしょう。そのため、次のような「フランチャイズに加盟するデメリット」が気になるかもしれません。
フランチャイズに加盟する最大のデメリットは、ロイヤリティや加盟金が発生することです。ロイヤリティとは、企業のノウハウやフランチャイズチェーンとしてのブランドを使う対価のようなもので、「月の売上の何割か」や「毎月固定額」などのタイプがあります。中にはロイヤリティや加盟金がかからない企業もあるので、加盟検討時に確認するようにしましょう。ロイヤリティはブランド力や本部からのサポートの対価となるため自分に必要なサポートとロイヤリティの金額が見合うかなどを判断基準にするとよいでしょう。
また、企業によっては、独自のルールの縛りがあります。ルールが定められているので、ゼロからルールを作っていく必要がない分、楽ですが、こだわりがある方は加盟前に確認するようにしましょう。
主要なパソコン教室フランチャイズチェーン紹介
パソコン教室を展開するフランチャイズには、どのようなものがあるのでしょうか。主要なフランチャイズチェーンを4つ紹介します。
A社
最大級の加盟教室数を誇るパソコン教室です。Microsoft Officeのソフトや動画編集、ホームページ製作など、パソコンの基本操作から専門的なことまで教えられることを強みとしています。「ロボット・プログラミング」についても教えられるため、子ども向けの教室としても向いているでしょう。
B社
パソコン初心者向けの「オリジナル教材」に力を入れているフランチャイズです。Microsoft Officeのソフトに強く、特に「Microsoft Office Specialist」の公認パートナーとして最大級の試験会場数を有しています。
C社
オンラインレッスンに対応したパソコン教室です。対面ではなくオンラインで教えたい人、教室ではなく在宅ワークのような働き方の人に向いているでしょう。
D社
資格取得から小学生のプログラミング対策まで、幅広いニーズに対応したフランチャイズです。資格を取得したい人やMicrosoft Officeのソフトを使いこなせるようになりたい人、趣味でPCを使いたい人など、ターゲット層が広いのが強みです。
これからのパソコン教室のフランチャイズ
これからの時代、パソコン教室の運営は厳しくなっていくといわざるを得ません。パソコンを扱える人は増え続けています。以前はメインターゲットだった高齢者のパソコンスキルも上がっていて、若者よりもパソコンに精通している人を見かけることもあります。
パソコン教室のフランチャイズの市場規模
パソコン教室の市場規模は、170億円ほどといわれています。パソコン教室の数も全国で6,000校程度といわれ、数字だけを見ると「パソコン教室もまだまだ需要が高そうだな」と思うかもしれません。
ただ、これは「パソコンだけを教える教室」の話ではありません。需要が高く、教室数が多いのは、「スマートフォンの操作からプログラミングまで、さまざまなことを教えられる教室」です。Microsoft Officeのソフトやインターネットの使い方など、基本的なパソコン操作しか教えられない教室では、競合に太刀打ちできない場合もあります。市場とニーズをきちんと見極め、将来性などに納得がいくかを十分に検討しましょう。
進化し続けるパソコン教室のフランチャイズ
「パソコンの基本操作だけを教えるパソコン教室」には、明るい未来はないでしょう。これからはパソコン教室よりも、「プログラミングスクール」の時代といえます。
特に、小学校でプログラミングが必修化された2020年以降、子ども向けのプログラミングスクールへの需要が高まっています。
中にはプログラミングだけでなく、「英語の早期教育」や「想像力・論理的思考力を育める」などほかの講座とプログラミングの講座を、併せて教えている教室もあります。このような教室なら、「幼児期から中学・高校まで」のような、長期契約も見込みやすいです。
まとめ
「パソコンを使えるようになりたくて、パソコン教室に通う人」は、今後も確実に少なくなっていくでしょう。
「IT系の教室を開きたい」と考えるなら、子ども向けのプログラミングスクールがおすすめです。子ども向けプログラミングスクールにはフランチャイズも多く、早めに参入すれば先行者利益も期待できます。
アントレではパソコン教室や子ども向けのプログラミングスクールのフランチャイズ募集も掲載しています。長期契約やプランのアップグレードなど、戦略的に利益アップを狙えるスクールも多いので、ぜひ参考にしてみてください。
<文/赤塚元基>