「まずは副業から始めてみたい」「コストをかけずに開業できそう」と、IT系ビジネスに興味を持つ人は多いでしょう。しかし、「ITって難しそう」「パソコン苦手だし…」と、初めの一歩を踏み出せない人も多いはず。そこで今回は、IT系のフランチャイズや代理店ビジネスについて、そのメリットやビジネスの種類を紹介します。
IT系フランチャイズ・代理店ビジネスで独立する5つのメリット
IT系のフランチャイズ・代理店ビジネスで独立することには、他業種にはない、次のようなメリットがあります。
店舗が要らない
IT系のフランチャイズや代理店ビジネスのほとんどは、店舗を用意せずに開業できます。店舗となる建物や土地にかかるお金を大きく節約できるため、まとまった資金がなくても始めやすいでしょう。初期費用が少ないくて済むということは、「やってみたけれど上手くいかなかった時」のリスクも小さいということです。
在庫を抱えるリスクが少ない
EC(ネットショップ)系を除き、IT系のフランチャイズや代理店ビジネスには、在庫を抱えるリスクがほぼありません。在庫を保管するための場所も必要ないので、自宅が狭くなったり、レンタルスペースや貸し倉庫の費用がかさんだりする心配もないでしょう。
未経験、副業でも始めやすい
IT系のフランチャイズや代理店ビジネスなら、未経験の人やまずは副業でチャレンジしたい人にとっても始めやすいです。必要なものはPCとインターネット回線、業種によってはスマートフォンひとつでビジネスを興せます。
IT系のスキルはビジネスを進めながらでも学んでいけますし、「始める前に勉強しておきたい」という場合も、インターネットを使って独学しやすいのも特徴です。ただ、フランチャイズや代理店ビジネスを活用すれば、すでに確立されたマニュアルによってスキルを習得することもできます。未経験でも安心して始められるのは大きなメリットです。
不労所得につながりやすい
IT系のフランチャイズや代理店ビジネスは、一度結果を出してしまえば、不労所得につながることも多いです。特に格安SIMの代理店や、サブスクリプション(月額などの定額制)のIT系商材の場合は、契約獲得数に応じて定期的にストック収入が入ってきます。
全国規模でビジネスを展開できる
IT系の最大のメリットともいうべきは、誰でも全国規模でビジネスを展開できることでしょう。出店する店舗の立地選びに悩む必要も、その土地の人口変動による収益減もありません。お客さんを全国から探せるので、ターゲットを絞り込むのも容易です。
IT系フランチャイズ・代理店ビジネスの3つのデメリット
インターネットの普及した現代において、IT系のビジネスは実店舗の必要なビジネスと比べて、低リスクで始められます。しかし、IT系だからこそのデメリットもあります。独立・開業する前に、次のようなデメリットについてよく考えておきましょう。
初期費用、ロイヤリティがかかる
IT系に限らず、多くのフランチャイズや代理店ビジネスでは、初期費用やロイヤリティ(月々の売上の数%や、毎月固定の金額をフランチャイズ本部に支払うなど)が発生することもあります。
IT系でないビジネスの場合は、フランチャイズ本部のブランドやノウハウがかなりの強みになりますが、IT系の場合は個人でも十分に勝負できます。IT系の仕事をしてきた人なら、場合によってはフランチャイズや代理店に加入しない方が、開業資金がかからない可能性もあります。
企業独自のルールに縛られることも
これもIT系に限ったことではありませんが、フランチャイズや代理店に加盟すると、その企業独自のルールに縛られることになります。人によっては「自分のやり方の方が上手くいくのに」「企業のやり方は自分にとってやりにくい」と感じるかもしれません。
ただ、このようなルールがあるのは「加盟店の成功率を上げるため」「著作権や景品表示法違反など、法的リスクを避けるため」です。IT系ビジネスをしたことのない人にとっては、むしろ安心材料といえるでしょう。
全国のライバルと戦うことになる
IT系ビジネスはお客さんが全国にいるのと同時に、ライバルもまた全国にいます。競合調査は大変ですし、上手くいっていても、突然現れた競合にお客さんを取られてしまうかもしれません。
ただ、お客さんの分母が多い分、「顧客の取り合い」にはなりにくいです。「強い競合が現れるかもしれない」というリスクも、結局は確率論です。このあたりは、IT系ではないビジネスでも変わりません。
IT系フランチャイズ・代理店の種類
IT系のフランチャイズ・代理店ビジネスには、次のように様々な種類があります。自分に合ったもの、今までの経験を活かせるものを選び、少しでも成功率を高めましょう。
【物作りが好きなら】EC系
EC(ネットショップ)系は、IT系ビジネスの定番ともいうべきジャンルです。海外からの輸入品や自分の好きな商品など、詳しい分野や自分の知識を駆使して「お客さんの心に響くショップ」を作れば、お店のファンも増えるでしょう。物作りが好きな人なら、ハンドメイド商品を販売するのもおすすめです。
【営業が得意なら】IT商材系
営業職で結果を残してきた人、コミュニケーション力に自信がある人なら、IT商材系のフランチャイズ・代理店ビジネスがおすすめです。光回線やWebサイトの提案、セミナーやスクールなどの情報商材の勧誘など、様々なものがあります。
最近では対面での営業というよりも、SNSを駆使して見込み客を作り、電話相談などで確度を高めていく人が多いようです。マーケティングやライティングが得意なら、Webサイトを作ってアフィリエイトのような感覚で取り組むのもいいでしょう。
【機械好きなら】PC・スマホサポート系
機械が好きで知識の豊富な人なら、PC・スマホサポート系のフランチャイズ・代理店ビジネスもいいでしょう。これらの修理を請け負ったり、オンラインや訪問で設定のサポートをしたりする仕事です。訪問サポート系で地域密着型を目指せば、全国のライバルと戦わずにも済みます。
【今、最もアツい】格安SIM系
今、最もアツいといっても過言ではないのが、格安SIM系の代理店です。今は1人1.6台もの携帯電話を持っている時代でありながら、格安SIMはまだまだ普及していません。多くの人が高い携帯電話料金を払い、大手3大キャリアを使っています。
しかし、海外にも目を向けて見れば、格安SIMが普及していない先進国は日本くらいです。菅前内閣の「携帯電話料金引き下げ政策」もあり、注目度は高まっています。
何より、携帯電話は一度契約を結べば、解約されることがなかなかありません。解約=収入源のリスクは少なく、自分の顧客の携帯電話料金の一部が、定期的に不労所得として入ってきます。
中には、携帯電話の黎明期にキャリアの代理店となり、今でも当時契約締結をした分の権利収入を得ている人もいるといいます。
【ITに詳しくなくても】ライバー系
フランチャイズ・代理店ビジネスとは少し異なりますが、ITに詳しくない人にもおすすめできるのが「ライバー系」です。YouTubeやライブ配信アプリなどで動画などの配信をして、広告収入や視聴者からもらう投げ銭、企業とのタイアップ案件(インターネット上のCMのようなもの)などで収益を得られる可能性があります。
個人で始めることもできますが、グループや事務所全体などにつくファンができる「箱推し」や企画・サポート力を考えると、事務所に所属するのがおすすめです。フランチャイズ・代理店ビジネスと同じように、その道のプロのサポートを受けながら、少しずつファンを増やしていけます。
最初のうちは時給制で配信できる事務所もあり、投げ銭がなくても一定の収入が見込める場合もあります。
IT系のフランチャイズ・代理店ビジネスで成功するために
フランチャイズや代理店ビジネスなら、フランチャイズ本部のサポートを受けたり、すでに成果の出ている商材を使ったりしてビジネスの成功率を高められます。しかし、どんなビジネスでも「自分で事業を興して、自己責任で進めていく」という意識が欠かせません。
IT系のフランチャイズ・代理店ビジネスで成功するための「5つの心得」を紹介します。
よく調べて、自分の頭で考える
フランチャイズ本部のサポートがあるからといって、自分で調べたり考えたりすることを放棄してはいけません。成功や失敗の理由を常に考え続け、フランチャイズ本部の担当者やSV(スーパーバイザー)に「自分はこう考えたのですが、どう思いますか?」と相談しましょう。
この「自分で考えてから確認する」という経験は、ビジネスを進めるうえで何にも変えられないものです。自分の頭を働かせた分、記憶にも残りやすく、応用も利きやすくなります。
孤独や変化に強くなる
フランチャイズや代理店に加盟しても、結局のところ、ビジネスは自分の力で進めなければなりません。特にIT系ビジネスは自宅にこもって事業を進めることも多く、孤独への耐性が求められます。ただ、ビジネスに集中し、本気になって取り組めば、孤独も気にならなくなるでしょう。
理詰めでビジネスを進める
IT系ビジネスの良いところは、成功や失敗の要因がデータとして残ることです。日々の行動や施策について記録を取り、成功と失敗の要因を分析しましょう。EC系やWebサイトを使うビジネスなら、「Googleアナリティクス」などを利用し、分析のスキルも身に付けておきたいです。
役立つスキルや資格を身に付ける
ビジネスを進めるうえで「スキル」は重要です。フランチャイズ本部のサポートを受けながら、自分でも学びを深め、スキルを増やしていきましょう。幸いにも、IT系は求められるスキルが分かりやすいです。資格も多いので、資格取得のための勉強を通して体系的かつ効率的に知識を深めていきましょう。
誰とやるかが最重要
「IT系ビジネスは孤独との戦い」と思っている人は多いでしょう。家にこもって作業をしたり、独学でスキルを身に着けたりすることを思えば、たしかにIT系は孤独といえます。
だからこそ、人とのつながりは重要です。上手くいっている先輩のアドバイスを聞いたり、成功者のやり方を盗んだりできる機会は、積極的に増やしましょう。
しかし、このようなつながりを作るのが苦手な人もいるでしょう。そんな人にこそ、フランチャイズ・代理店の活用がおすすめです。すでにたくさんの加盟店で上手くいっている方法に倣い、不明点や困ったことをフランチャイズ・代理店の担当者やSV(スーパーバイザー)に相談しながら、安心してビジネスを進められます。
時流に乗るならIT系!サポート充実のフランチャイズ・代理店も増加傾向
ECサイトやSNSなど、人々の生活にインターネットが浸透したこれからの時代において、IT系ビジネスはますます注目されていくでしょう。既存のITビジネスが盛り上がるだけでなく、新しいビジネスもどんどん登場してくるはずです。
リモートワークが普及し、それに慣れたことで、IT系ビジネスに興味がわいた人もいるでしょう。「自宅でも仕事はできる」「スキマ時間を使って何かできないかな?」と考えている人は、まずはIT系ビジネスの副業を試してみるのもいいでしょう。
しかし、何から手を付けていいのか、自分にはどんなビジネスが向いているのか、分からない人も多いはず。そんな人におすすめなのが、全国各地、さまざまな種類のビジネスを紹介している「アントレ」です。
アントレでは、IT系を含むフランチャイズ・代理店ビジネスの情報を掲載しています。最近のIT系ビジネスにはどんなものがあるのか、眺めるだけでも参考になるでしょう。気になるものがあれば、その企業の担当者に話を聞いたりもできます。
<文/赤塚元基>