- 本部と直接話し「やっていけるか」を判断
- 本部および加盟店に聞いてみよう
- 本部に
- 本部・加盟店に
- Q7 新商品、サービスの開発は年間を通して行われていますか?
- Q8 加盟店同士の交流や本部と加盟店の集会はありますか?
- Q9 SVの巡回訪問時以外でも、積極的に相談できますか?
- Q10 加盟店の裁量権はどこまで認められますか?
- Q11 自分が倒れてしまったり、人手が足りない時、本部のサポートはありますか?
- Q12 本部による販促施策の効果は安定して挙がっていますか?
- Q13 マニュアルは、全業務をカバーしていて、誰にも理解できますか?
- Q14 商品や食材の供給は安定的に行われていますか?
- Q15 オープン後の研修は用意されていますか?
- Q16 不振店に対する方策と、それでも効果が挙がらない時の対応を教えてください
- Q17 投資回収期間のモデルは、税金や給料などを差し引いて計算されていますか?
- 加盟店に
- 今回のまとめ
本部と直接話し「やっていけるか」を判断
最終的に一つの本部に絞り込んでいくに当たり、どういった観点や尺度で選べばよいか。その参考となるのが、下の表の6つのポイント。
重要なのは、自分が求めている本部の性格をこの指標によって明らかにすることだ。例えば、安定した経営を望むなら「安心度」や「誠実度」、本部と一体となって成長していきたいなら「将来度」や「差別化度」を重視する、といったように自分の志向に合わせて優先順位づけしてほしい。
また、加盟本部決定の最重要のプロセスが、本部および加盟店への訪問である。資料で把握した情報を「自分の場合はどうか」確認することが不可欠だからだ。
企業理念や本部トップの考え方に心底共感できなければ、加盟者は継続的に取り組めないだろう。トップの話を聞いて「自分はこの人についていけるか」を自らに問わなければならない。
加盟店訪問では、本部では聞けないマイナス情報を聞き出し、加盟店の実情を知りおくことだ。
本部および加盟店に聞いてみよう
本部に
Q1 経営理念を加盟店に浸透させるために何をしていますか?
経営理念は企業の信念そのもの。いくら立派な理念でも実体が伴っていなければ無意味。理念が浸透していないチェーンでは店舗ごとにレベルが異なり、顧客を失望させかねない。
Q2 収益シミュレーションは何をもとに算出されていますか?
本部が提示する収益シミュレーションは、必ずしも既存の加盟店の実際のデータとは限らない。ひどい例では、理想値だけを伝える本部もあるから要確認。
Q3 SV(スーパーバイザー)を任せる基準とその能力開発の体制を教えてください
FC事業に携わる人員が少ない本部では、ほかの業務と兼務の場合も。経験年数や経歴は様々なため、能力差が出るのは避けられないが、せめてSV教育への姿勢は確かめたい。
Q4 ロイヤリティは何に対して支払うお金ですか?
中には、ロイヤリティと称して加盟店が負担する必要のない費用まで徴収するケースも。また、サポートができないなどの理由で安いケースもある。安ければいいわけではない。
Q5 契約期間途中の解約件数と解約に至った背景を詳しく教えてください
例えば、売り上げ不振が原因で解約に至ったケースでは、オーナーの自覚が不足していたのか、本部の立地調査が甘かったのかといった真相を知ることで本部選びの結果が変わる。
Q6 複数店舗オーナーの割合を教えてください
1店舗目が順調に軌道に乗り、継続して繁盛していれば2号店、3号店と多店舗化を考えるのが自然な流れ。複数店舗経営者の存在は、加盟者の満足度を測る指標になる。
本部・加盟店に
Q7 新商品、サービスの開発は年間を通して行われていますか?
特に飲食業の場合、顧客は飽きやすく新しいメニューに敏感。トレンドや顧客の嗜好の変化をとらえた独創性のある商品・サービスの開発度合いは、チェーンの魅力維持に直結する。
Q8 加盟店同士の交流や本部と加盟店の集会はありますか?
本部に対する不満を集積させるといった理由で加盟店同士の交流を避ける本部は「隠蔽体質」といえる。成功・失敗事例を共有するなどメリットが大きい加盟店交流は必要だ。
Q9 SVの巡回訪問時以外でも、積極的に相談できますか?
開業後、初めて直面する問題や技術的な不安は生じがち。オーナー自身が解決すべき問題もあるが、FCゆえに独断が許されず、かといってSVの訪問を待つ余裕もないからだ。
Q10 加盟店の裁量権はどこまで認められますか?
FCといえども許容範囲内で個性を発揮したい人にとってどこまで許されるかは要チェック。支援が手薄の割に許容範囲が狭い本部は、売り上げ不振時に対策が講じられなくなる。
Q11 自分が倒れてしまったり、人手が足りない時、本部のサポートはありますか?
オーナーが突然の事故や病気で経営に携われなくなったら、事業の存続にかかわる。人手不足に悩まされる加盟店も多い。そんな時にサポートしてくれる本部ならば心強い。
Q12 本部による販促施策の効果は安定して挙がっていますか?
広告宣伝分担金を支払っているのに効果を実感できないと不満を募らせるオーナーは少なくない。販促施策は本部の企画力や資金力によるところが大きいため、内容は要確認だ。
Q13 マニュアルは、全業務をカバーしていて、誰にも理解できますか?
マニュアルはチェーン店舗運営のバイブル。業務に携わるのは経験の浅いアルバイトも多い。そんな人たちでも理解しやすく実践しやすいマニュアルとなっていることは重要だ。
Q14 商品や食材の供給は安定的に行われていますか?
物販店や飲食店にとって商品や食材が確実に供給されるかどうかは死活問題。供給に携わる業者選定や物流システムによっては、品質低下や誤配送・遅配送が発生するリスクも。
Q15 オープン後の研修は用意されていますか?
開業後、開業前研修で学んでいない事態が起きたり、業績が伸びずに悩むこともある。自分の経営能力や技術を積極的に磨ける機会が設けられていると、助けられることも多い。
Q16 不振店に対する方策と、それでも効果が挙がらない時の対応を教えてください
十分な立地調査や準備を行い開業して順調に経営していても、競合店の出現などの環境変化で低迷することもある。本部の不振店対策いかんで立て直せる可能性が変わる。
Q17 投資回収期間のモデルは、税金や給料などを差し引いて計算されていますか?
回収期間は通常「1店舗当たりの初期投資額÷(1店舗当たりの税引き後当期利益+減価償却費)」で算出するが、少しでも短く見せるために税金などを計算に入れない本部も。
加盟店に
Q18 開業して困ったことはありませんか?
客観的に判断するため、本部から紹介された加盟店以外にも足を運ぶこと。本部への不満をいうオーナーがいたら、具体的なエピソードや不満の理由を聞く。真因がわかるはずだ。
今回のまとめ
監修:民谷昌弘氏 (FCコンサルタント)
(株)アクアネット、フランチャイズ経営研究所 代表取締役
(一社)日本フランチャイズチェーン協会SV学校、経営士講座講師
(一社)日本フランチャイズコンサルタント協会会長
著書:『ザ・フランチャイズ』『失敗しないためのフランチャイズビジネス体験BOOK』、
『成功するフランチャイズ戦略』(ダイヤモンド社)、
『本当は教えたくないフランチャイズ本部成功50の教え』(出版文化社)ほか
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