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M&Aを成功させるポイントを徹底解説! 成功事例や失敗事例も紹介

独立ノウハウ・お役立ち

経営環境が目まぐるしく変化する現代、M&Aを行うことで効率よく他社の資源を獲得し活用し事業成長を実現しようとする企業が増加しています。

ここでは、M&Aを成功させるためのポイントを紹介します。

M&Aの傾向

少子高齢化による国内市場の縮小や人口減に伴う人手不足などの“構造的な経営環境変化”に対応するため、M&Aを行う動きが世の中で広がっています。

M&Aによって、市場におけるシェア拡大や労働力を確保したり、海外市場に進出したりするのです。

2018年度には日本国内で過去最高の件数を記録し、2019年度も前年を上回るペースでM&Aが行われ、海外企業を対象としたM&Aや中小企業によるM&Aが増加しています。

M&Aを成功に導く準備

企業買収目的のM&Aを成功に導くための準備として重要なことは、次の4点です。

・自社の希望条件に合致した買収希望の企業情報を収集すること
・経営者同士の面談を重ねること
・買収する企業の査定(デューデリジェンス)を正確に行うこと
・買収する企業の従業員に対する説明を丁寧に行うこと

自社の希望条件に合致した買収希望の企業情報を収集すること

M&Aを行う目的は、事業成長のために他社の資源を獲得することです。

買収する企業は、自社の事業成長戦略の推進に適した資源を有していなければなりません。

そのための条件を備えた買収希望の企業情報を収集する必要があるのですが、企業単独での対応には限度があるため、M&A仲介会社を活用する対応が一般的です。

経営者同士の面談を重ねること

買収を前提とした交渉の後は、経営者同士でお互いが納得のいくまで話し合うことが重要です。

相互の信頼関係が築けなければ、前向きな交渉は行えません。

さらに、経営に対する考え方・方針・企業風土などが合わないと、M&Aによる効果が発揮されなくなることがあります。

買収する企業の査定(デューデリジェンス)を正確に行うこと

M&Aを実施した後に、買収する企業が抱えていた簿外債務や債務保証、訴訟リスクなどの存在が判明し、そのことがM&Aを実施した側のリスクとして顕在化してしまうことがあります。

このようなことが起こらないように、正式なM&A契約を締結する前に、買収する企業の財務面や法務面での監査を徹底して行わなければなりません。

買収する企業の従業員に対する説明を丁寧に行うこと

M&Aの実施が決定された後に、買収する企業の優秀な人材が流出し、それに伴う技術やノウハウ、顧客の流出も発生してしまうことがあります。

経営者が変わることで、買収する企業の従業員が不安を抱くことが原因です。

このようなことが起こらないように、買収する企業の従業員に対して、今後の経営方針や従業員に対する処遇などについて丁寧な説明を行う必要があります。

M&A後の成功ポイント

M&A実施による効果が得られた事案に共通することは、企業買収による事業のシナジー効果が発揮されたことです。

自社に存在しなかった、もしくは存在していても弱かった資源を補完したことが、市場におけるシェアの拡大や新たな客層の獲得などにつながっています。

M&Aの事例紹介①

楽天株式会社は、2016年にフリーマーケットアプリ「フリル」を運営する株式会社Fablicを買収しています。

もともと楽天は、「ラクマ」というフリーマーケットアプリの運営を通じてインターネットサービスにおける個人間取引事業を行い、着実にユーザー数を伸ばしていました。

そこへさらに、ファッションや美容用品のジャンルに注力していた「フリル」を買収し、若い女性ユーザーの獲得に成功したのです。

買収後に、「フリル」ユーザーによる楽天会員IDでのログインや楽天ポイントの使用を可能にしたことで、インターネットサービスにおける個人間取引事業の流通総額の大幅な増加が実現されました。

M&Aの成功率が下がるリスクや要因

M&A実施による効果が得られなかった事案に共通することは、M&A実施後に事業環境が変化し思い描いていた成果が得られなかったことです。

M&Aの事例②

株式会社セブン&アイ・ホールディングスは、2014年に、カタログ通販事業を展開する株式会社ニッセンホールディングスを子会社化しました。

実店舗の出店が飽和状態になったことを受け、販売チャネルを多様化することで「いつでもどこでも商品が買えるオムニチャネル化」を加速させ小売り事業の拡大を図ることが目的でした。

しかし、ニッセンを子会社化した後に通販市場の主要形態が急速にネット通販へと変化したことで、ニッセンのカタログ通販事業が行き詰まってしまったのです。

それにより、株式会社セブン&アイ・ホールディングスの通信販売事業に大幅な損失が発生しました。

M&Aの事例③

キリンホールディングス株式会社は、2011年に、ブラジルの飲料水メーカーのスキンカリオール社を買収しました。

主要事業のビールや清涼飲料水の国内販売市場が伸び悩んでいたため、海外での販売市場を開拓することを目的としてブラジル国内での販売シェアの高いスキンカリオール社を買収したのです。

しかし、ブラジル国内の景気減退によるビールや清涼飲料水の消費減少、ブラジルの通貨下落による原材料の輸入コストの増加など、想定外の事業環境変化に見舞われたことで、スキンカリオール社の企業価値を見直さなければならなくなり、大幅な減損損失が発生しました。

まとめ

M&Aは、企業の事業成長戦略を推進するための手段です。

しかし、メリットだけではなくリスクも伴うため、長期的な視点に立った事業環境の分析を行い、事業リスクを認識し、事業のシナジー効果が得られるプロセスを明確にした上で実施しなければなりません。

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PROFILE
大庭真一郎

大庭経営労務相談所 代表
東京生まれ。
東京理科大学卒業後、民間企業勤務を経て、1995年4月大庭経営労務相談所を設立。
「支援企業のペースで共に行動を」をモットーに、関西地区を中心として、企業に対する経営支援業務を展開。支援実績多数。中小企業診断士、社会保険労務士。

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