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脱サラ時に役立つ仕事(資格)は何がある?

独立ノウハウ・お役立ち

一口に独立・開業といっても、仕事には色々な種類があります。

今回は“どのような資格を持っていたら、脱サラして成功しやすいのか?”について考えていきたいと思います。

どのような仕事でも結果を出すのは難しい!

まず大前提として、“持っていれば何とかなる”という資格は、本当に少なくなりました。

以前であれば、例えば免許の必要な士業(弁護士や税理士、司法書士等)ならば「試験に合格すればどうにかなる」といわれていました。しかし、多くの免許業においてそのような話は過去のものとなっています。書籍やインターネットを通じて専門的な法律の知識に触れることも可能ですし、テレビCMなどでよく見かけるように会計ソフトも充実してきました。

難関資格である弁護士でも、本業だけでは自分の生活を維持できないというケースも珍しくありません。免許を有している人間は、毎年の試験が終わるたびに増えていきます。その一方で、取り扱うべき係争事件が比例して増加しているわけではありません。案件に対して資格を有している人が増えているため、過当競争が起こっているといわれています。

またインターネットの普及も相まって、単価設定についても相当厳しい状況になりました。以前であれば言い値で通じていたものが、最近では価格を明示しなければ顧客を獲得することができません。

これは免許業に限ったお話ではありません。あらゆる業種において、同じような傾向となっています。消費者の立場からすると、競合が増えて金額が下がり、明瞭性が上がったことは喜ばしいことです。しかし、独立・開業を目指そうとする人間からすると、非常に厳しい時代であることを意味します。

会社員時代の能力をどう活かすか?

ここで考えてみたいのが、会社勤めで獲得した能力や人脈です。

脱サラをしてある程度の成果を出している方の多くは、会社員時代の経験を上手に活用しています。

例えば飲食業界で働かれていたのであれば、それに関連した仕事を始めるのは理にかなっています。そこに行政書士や司法書士、税理士などの免許業が絡む場合、業界特化型の士業を目指すこともありえます。単に行政上の手続きを済ませるだけでなく、その業界に関する専門知識を活かしたコンサルタントとしても活躍することができるでしょう。

もちろん免許業以外にも、内装工事や消耗品、メニュー開発など、展開できる方向は色々とあるのではないでしょうか。

脱サラをするのに活かしやすい資格15選

脱サラ後、どのようなキャリアを積みたいかにもよりますが、資格を持っているのに越したことはありません。資格を持っていても厳しい時代になりましたが、持っていないよりは持っていた方が、客観的に自分のスキルや知識を相手に伝えられるため、自分の実力を証明できるようになります。

ここからは、脱サラ後のキャリアで活かしやすい資格を15種お伝えしていきます。自分の目指す方向性に合っているものがあれば、資格取得も検討してみてください。

士業・コンサルタント系

士業やコンサルタントなどの資格は、業種問わず持っていると選択肢の幅が広がるため、資格取得を考えたことがある方も多いかもしれません。代表的な資格は以下です。

・弁護士
・税理士
・公認会計士
・弁理士
・社会保険労務士
・行政書士
・中小企業診断士 
・簿記 など

これらの代表的なものの中から、5つピックアップして詳しく解説していきます。

1. 行政書士

行政書士とは行政書士法に基づく国家資格です。依頼を受けて官公署に提出する許認可などの申請書類の作成・提出手続代理、遺言書の権利義務・事実証明・契約証の作成、行政不服申立手続代理などを行います。

他の法務系の資格と比較すると取得しやすく、働きながら取得を目指せるのも行政書士の最大の魅力です。行政書士は司法書士のように開業のための研修は必要なく、未経験者でもすぐに開業できる点も、行政書士の特徴です。

「試験の概要」(一般財団法人 行政書士試験研究センター)

2. 弁理士

弁理士とは、弁理士法に基づく「知的財産法」に精通した専門家で、特許権や実用新案権、意匠権、商標権などの産業財産権に関する取得・紛争解決などを生業としています。

弁理士の資格を取得したら、一般的には独立するか特許事務所などで勤務します。

「弁理士は“知的財産に関する専門家”です。」(日本弁理士会)

3. 中小企業診断士

中小企業診断士とは経営に関する国家資格で、資格を取得した方の多くが独立・開業しています。そのため、「資格を活かして脱サラしたい!」という方にぴったりな資格ともいえるのではないでしょうか。

また、中小企業診断士の資格取得を目指して勉強をすることで、企業経営に関わる知識を横断的に身につけることができ、いざ自分が独立・開業を目指すときにも役立ちます。いつか独立・開業したいと考えているのであれば、資格取得を目指してみてもよいかもしれません。

「中小企業診断士制度」(J-SMECA 中小企業診断協会)

4. 公認会計士

公認会計士も中小企業診断士同様、独立・開業に役立つ資格の1つです。

独占業務である“監査”を行うほか、“会計”“税務”“コンサルティング”を行っている公認会計士もいます。税務業務は、税理士登録することにより行うことができます。

しかし、実際に勤務している公認会計士は税理士登録をしていない方も多く、公認会計士が会社勤めをする際は“監査法人”に勤めているのが一般的です。公認会計士業務のみを行う監査法人では、わざわざ登録料や年会費のかかる税理士登録を行わない場合が多いようです。

ただ、公認会計士として独立・開業すると顧客に対して税務のアドバイスをすることもあります。信用にも繋がりやすいため、税理士登録は済ませておくことをおすすめします。

「公認会計士とは」(日本公認会計士協会)

5. 簿記

企業規模・業種・業態を問わず、業績と財政状態を明らかにするために、日々の経営活動を記録・計算・整理する必要があり、そのようなときに簿記の知識は役に立ちます。

簿記が理解できていると、企業の経理事務に必要な会計知識はもちろん、財務諸表の読み方、基礎的な経営管理、分析力が身につけられます。

また、事業を運営する際に必要になるコスト感覚も身につけられ、効果的にコストを意識した仕事ができるほか、取引先の経営状況も把握できるようになります。これは経理担当者だけではなく、すべての社会人の業務に通ずる知識といえるでしょう。

公認会計士や税理士などの国家資格を目指す方をはじめ、他の資格・検定と組み合わせたキャリアアップを検討している方も取得しておくと役立つ資格といえます。

「簿記とは」(商工会議所の検定試験)

IT系

次に、IT系で取得しておくと役立つであろう3つの資格をご紹介します。

6. Linux技術者認定試験「LinuC(リナック)」

Linux技術者認定試験「LinuC」はLPI-JAPANが実施している、プロのサーバーエンジニアとして独立するための入門にして登竜門ともいえる資格です。

レベル1からレベル4相当までで構成されており、試験は世界規模で実施されています。

「Linux技術者認定LinuC(リナック)とは」(LinuC)

7. ITストラテジスト試験(ST)

ITストラテジスト試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している国家試験です。単にITについての能力・知識だけでなく、経営コンサルの能力・知識についても問われるため、難易度の高い資格といえます。

ITがビジネスの根幹となるこれからの時代になくてはならない、そして伸びしろのある資格といえるでしょう。

ITストラテジスト試験に合格すれば資格取得者であることを名刺に明記できるため、コンサルティングの仕事にも役立つでしょう。

「ITストラテジスト試験」(独立行政法人情報処理推進機構)

8. PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)

PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)とは、アメリカのPMIが認定している国際資格です。名前の通りプロジェクトマネジメントに対する理解度や知識を求められる、世界中に認知されている資格です。

さまざまな場面で能力を活かすことができ、グローバルな活躍も夢ではありません。

なお、受験するには、IT系技術者の中でも主にシステム開発計画の責任者を対象としており、PMPを受験するためには一定の条件を満たしている必要があるため注意しましょう。

「PMP®資格について」(一般社団法人 PMI日本支部)

不動産系

脱サラをして不動産業界で働きたい人は少なくないでしょう。そんな方におすすめの資格は、以下の2つです。

9. 不動産鑑定士

不動産鑑定士とは国家資格の1つで、不動産の鑑定評価や土地の利用に関するコンサルティングを行う業務に必要な資格です。

相続や財産分与などで公的に不動産の価値を算出しなくてはいけないときなどに、不動産鑑定ができるのは不動産鑑定士のみです。

「不動産鑑定士とは」(日本不動産鑑定士協会連合会)

10. 宅地建物取引士

宅地建物取引士は「宅建」「宅建士」とも呼ばれており、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。不動産業界で働いている方はすでに取得している方もいるかもしれません。

宅地建物取引士は不動産会社で賃貸などの契約をする際の重要事項説明や、契約締結後の書類に署名押印をするのに必要な資格です。ほかにも、建物や土地の売買など不動産業務全般のサポートを担うために必要になります。

宅地建物取引士として仕事を行うには、試験に合格し、2年以上の実務経験もしくはこれに代わる実務講習を修了し登録をする必要があります。

「宅建試験の概要」(一般財団法人 不動産適正取引推進機構)

建築/建設系

建築や建設系の資格の中からは土木、電気、建築士より1つずつピックアップして3つの資格をご紹介していきます。

11. 一級土木施工管理技士資格

一級土木施工管理技士は土木の施工管理におけるプロフェッショナルと認められる国家資格です。

建設業を営むにあたり、設置が義務づけられている専任技術者の仕事にも携わることが可能なので、この資格を持っていると独立・開業の際に役立つでしょう。土木施工管理技士には1級と2級があり、専任技術者や監理技術者として選任されるのは1級取得者に限ります。

「1級土木施工管理技術検定」(一般財団法人 全国建設研修センター)

12. 電気工事士

電気工事士の資格には、第一種と第二種の2つがあります。第一種電気工事士の資格を持っていると、ビル、工場、大型店舗などの工事が可能になります。第二種の資格保有では一般住宅、店舗などの小規模施設の工事のみが可能です。

「電気工事士って何だろう」(一般財団法人 電気技術者試験センター)

13. 建築士

建築士の資格には、「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」の3つがあります。建築計画や建築工学の知識だけでなく、美的センスも問われる資格であり、一定の実務経験を積んでいないと受験資格が得られない専門性の高い資格です。

「建築士(制度全般)」(公益財団法人建築技術教育普及センター)

リラクゼーション系

整体やエステティックなどのリラクゼーション系で、持っていると脱サラをしやすい資格を2つご紹介します。

14. 整体師

整体師とは指、手、道具、機器などを使い骨格の歪みを調整する人のことです。整体師は特別な資格がなくてもなれる職業ですが、学んでおくと施術に活かせる国家資格はいくつかあります。鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師、柔道整復師などです。これらの資格を取得するには専門学校などに通う必要がありますが、この業界で独立・開業を目指すなら取得しておくことをおすすめします。

「試験概要」(公益財団法人東洋療法研修試験財団)

「柔道整復師になるには」(公益社団法人 全国柔道整復学校協会)

15. エステティシャン

エステティシャンとは、痩身、脱毛、美白、リラクゼーションなどの施術を行う人を指します。エステティシャンになるには国家資格は必要ありませんが、認定資格を保有することで一定のレベルを満たしていることの証明にもなります。また、施術に加えてカウンセリングをするエステティシャンは、コミュニケーションスキルも求められるでしょう。

代表的な認定資格には、認定エステティシャン、認定上級エステティシャン、認定トータルエステティックアドバイザーなどがあります。どのような事業内容で脱サラをしたいのかによって必要な資格も異なります。事前に調べておくとよいでしょう。

まとめ

免許業をはじめ、保有しているだけで生き残れる資格や技術は少なくなりました。

そのような時代を生き抜くには、前職での経験と保有資格をどのように絡めるのかがポイントとなります。営業の能力はどのような事業においても有用で、経理の能力は事業の現状を把握するのに役立ちます。

もちろん、自分の専門分野について、普段から最新の技術や業界の動向についての知識を深めることも必要不可欠です。資格取得は自分の知識を証明するものではありますが、保有していればそれだけで何とかなるというものでもありません。

専門職でありながら総合職の視点も持ち合わせる。

これから独立・開業をして結果を出すためには、“広く深く”仕事に向かい合う必要があります。
<文/ちはる>

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