今回、話をお伺いしたのは、大手企業でルート営業に従事し、力試しのために広告営業へ転職するも、「もう会社員は嫌だ!お笑い芸人になりたい!」と退職した星野一徳さん。お笑い芸人を目指す予定がお笑いの養成所の入学まで約1年あったため、バイト感覚で起業をしたそう。もともと起業を検討していたわけではなかったため、最初の1、2年はとても苦労をしたという。
ラグビーで鍛えた大きな体で、時折り、はにかみながら笑う星野さんからは、「起業当初、いろんな人に様々なサービスや商品を売ってほしいと声をかけられて、頼まれるがままに請け負っていたんです」というエピソードがしっくり。とても柔和で、依頼をしたくなる、何かお願いしたらなんとかしてくれそうな物腰の柔らかい中にも信念のある方でした。
大手企業の営業職で成績を上げ“力試し”のため新天地へ
ーこれまでの経歴をお伺いしたいのですが、新卒で入られた日立バッテリー販売サービス株式会社では何の営業をされていたのですか?
法人営業をしていたので、ビルなどの電気設備を売っていました。
ぶっちゃけ、就職活動をした時は、自分軸などはなくて”有名な会社に入れたらいいな”くらいの動機で入社しました(笑)。ルート営業をしていたんですが、若くて体力があったので1年目から1人でよく営業に出ていましたね。得意先を回れば回るほど成績は上がるような感じだったので、我ながら、まあまあの営業成績を上げられていたとは思います。いわゆる日本型の年功序列な社風の企業だったので、昇給・昇格なんかもだいたい決まっていて辞めていく人も少なかったし、目標達成時のインセンティブみたいなものもなかったので“もっと営業をガツガツやる会社に入って自分を試したい”と思うようになって、入社から2年半くらいで転職を選んだ感じでした。
―転職先の株式会社リクルートライフスタイルはどういう基準で選ばれましたか?
自分の営業スキルを試せそうなのと、同年代の若い人が活躍しているイメージがあったからですね。
北海道でホットペッパーグルメの営業職をしていました。飲食店への広告営業でしたけど、成績は正直、微妙だったと思います。良いときは良かったですけど、悪いときはさっぱり営業成績が上がらないというような感じで、波がありましたね。
最後の最後まで諦めずに数字を追いかけて、絶対に売る!みたいな会社だったし、営業先が飲食店なので“飲み営業”みたいな、業務外でお酒の席を設ける営業もしました。営業先の飲食店オーナーさんで、夜中に起床するような人もいるので、その時間に合わせるのが大変でした。でも、そこまでしないと営業成績が上がらないかもしれないと思って、やっていました。
最初は全然、売れなかったですし、それまで扱っていた商材とは全然違うものを売らなくてはいけなかったので、売り方も違いますし、提案スキルというものを持っていなかったので、転職して“叩きのめされた”みたいな感覚はありましたね。営業は難しいなと思いました。
前職でルート営業をしていた時は“とにかく接点を増やすこと”と“時間を空けないレスポンスで信頼を得ること”が大事だと気付いたんですけど、ホットペッパーでの営業は、お客さまからしたら、いつでも買えるものを売っていたので、決めきる提案力・クロージングが必要だと知りましたね。僕はクロージングと提案力はその時に身についたと思います。クロージングは、ちょっと弱いですけど(笑)。
営業時は、営業先の店舗の集客状況を調べて分析したり、何が流行っているかなどのトレンド情報とかも考慮したりして、例えば「忘年会シーズンだったらこういうコース料理を作った方が良いですよ」「忘年会向けのコースができたら、このプランで広告を打ちましょう」というような提案を重ねてしていました。