健康志向の高まりから人気を集めるフィットネスジムは、フランチャイズに加盟して開業する方法があります。フランチャイズだからこそ得られるメリットやデメリットも存在しています。物件取得や設備投資など、初期費用が高額になりがちなフィットネスジム経営だからこそ、失敗せずに安定した成長を見込みたいですよね。この記事では、フランチャイズのフィットネスジム開業について紹介します。
フィットネスジム業界の市場性
新型コロナウイルスによる在宅勤務の急速な広がりもあって、日ごろの運動不足を課題に感じている方は多くなってきました。また高齢化に伴う健康志向の高まりからも、フィットネスジム業界は今後も市場が広がることが予想されます。
かつて一般的であったトレーニング機材やスタジオを兼ね備えたフィットネスジムだけでなく、幅広い顧客に訴求できる24時間営業、高単価が見込めるパーソナルジム、差別化しやすいエンターテインメント要素の強いアクティビティ、女性限定など、フィットネスジムの運営方法の多様化も進んでいます。日本人の生活スタイルも変化していることや、店舗管理のノウハウも進化してきたことから、利用客のさまざまなニーズに合わせたフィットネスジムの運営が可能になっています。
フィットネスジムは都度払いではなく会費制がほとんどです。そのため、会員を獲得できれば顧客数によって売り上げや利益を見積もりしやすく、ストック型ビジネスであることも魅力です。
フィットネスジムフランチャイズとは
フィットネスジムはフランチャイズで全国展開している会社やブランドが多くあります。フィットネスジムを経営する会社が店舗数を拡大したいと思った際に、すべてを直営店として開業するのは資金的にも人材確保の面からみても限界があります。そのためフランチャイズ本部が加盟店を募集し、加盟店オーナーと一緒になって自社の加盟店舗数を増やし、会員ネットワークも広げていきます。
フランチャイズ加盟店の店舗数が多くなれば、そのフィットネスジムへの知名度や信頼性がより高まり「経営や店舗運営の安定化が図れるだけでなく、プロテインやサプリメントなど関連商品の販路も広げることができる」というメリットがあります。
フランチャイズ加盟店側にとっても「フィットネスジム経営のノウハウがない未経験オーナーでも、開業プランに沿って始められる」という安心感があります。加盟店がフランチャイズ本部に支払うロイヤリティや加盟金などの費用は発生しますが、売り上げを伸ばせば伸ばすほどオーナーの手元に入る報酬は高くなります。またフランチャイズ本部が用意した顧客管理システムを利用できたり、最新設備を独自ルートで輸入できたり、フランチャイズ本部のサイトでスタッフ募集を行ったりといったフランチャイズ本部のサポートが受けられるため、安定した経営を維持しやすいといえるでしょう。どのような運営サポートをしてもらえるかは、加盟するフランチャイズ本部によって異なります。1社に絞る前に必ず複数社から資料請求を行い、説明を受け、比較して検討しましょう。
まずはフランチャイズの仕組みを知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
フィットネスジムのフランチャイズ加盟のメリット
フランチャイズによるフィットネスジム経営のメリットについて、それぞれ紹介します。
フランチャイズ本部からサポートを受けられる
フィットネスジムを開業するにあたり、必要なノウハウやマニュアルが提供されるとともに、フランチャイズ本部からサポートを受けて、開業準備をスムーズに進められることが大きなメリットでしょう。サポート内容はフランチャイズ本部によって異なりますが、資金調達のための事業計画書の策定、物件の選択、設備や機材の手配や準備、マシンの扱い方と修理対応方法、接客ノウハウ、集客マーケティングなどフィットネスジム経営で必要なことを網羅して学べます。
最新機能のジム設備で開業できる
ジム設備のあるフィットネスジムを個人で開業するよりも、最新の設備で開業ができます。個人で小ロットのジム設備を購入するより、加盟店を多く抱えるフランチャイズ本部ではスケールメリットを活かして、個人で購入するよりも比較的低額で仕入れることができる場合も。投資額が高額になるフィットネス設備の費用を抑えながら、最新設備を取り入れやすいのはメリットといえます。フィットネス業界では常に最新のジム設備や器具などが登場しているため、設備の入れ替え頻度など本部に確認しておくと良いでしょう。
ブランド力を活かしやすい
フィットネスジムをフランチャイズ加盟店で始める際に、フランチャイズ本部が持つブランド力を活かせることもメリットです。月会費を長期的に払うほか、健康に関わる機材を利用することもあって、多くの会員は「安心・安全なジム」に入会したいと考えます。
また「継続しやすい」「効果が表れやすい」ということも重視していると考えられるため、名前の知らないジムよりも知名度があったり、知人や友人が通っているジムが選ばれやすいでしょう。フランチャイズならば広告でも目にしたり、人から聞いたこともあるなど認知を獲得できる可能性が高いです。そのようにフランチャイズのブランド力を利用することで集客しやすくなります。
まずはフランチャイズの仕組みを知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
フィットネスジムのフランチャイズ加盟のデメリット
メリットのほかに、フランチャイズでフィットネスジムを経営するデメリットについても確認しておきましょう。
初期投資が高額になりやすい
フィットネスジムは物件や設備を用意する必要があります。もし個人でフィットネストレーナーとして開業する場合、訪問型で行えば物件取得費用も設備費もかかりませんが、ジムとして開業するならば、まとまった初期費用が必要となります。ジムの立地や広さ、用意する設備によっても異なりますが、1,000万円を超える費用が必要になることが多いです。
しかし逆にいえば、物件と設備さえあれば、手離れして会員数に応じて売り上げを伸ばすこともできます。フィットネスジム経営は「場所と設備ありき」であることを理解し、高額な初期投資が準備できる方に向いているといえます。
ロイヤリティがかかる
フランチャイズ経営では「フランチャイズ本部からノウハウやマニュアルを学び、開業までの準備や開業後のサポートが受けられる」というメリットがあります。しかしその対価として、開業時の加盟金や売り上げや会員数に応じたロイヤリティ、システム使用料、研修費、指定の機材費用などをフランチャイズ本部に支払う義務があります。
これらは、個人でフィットネスジムを経営している場合にはかからない経費であるため、フランチャイズのデメリットとなるでしょう。
フランチャイズ本部の方針を守る必要がある
フランチャイズに加盟すると、フランチャイズ本部が定める営業方針やルールを守る必要があります。ブランドを統一して同じサービスを提供するため、設備内容や会員プランといった基本的なことから、営業時間や入会キャンペーンなどもフランチャイズ本部の方針に従います。
ジムのオーナーとして独自のアイデアを活かして運営していきたい場合は、不自由さを感じることがあるかもしれません。方針についてはフランチャイズ本部によって取り決めが異なるため、加盟前に営業していく上でのルールや条件についてはしっかりと確認しておきましょう。加盟期間終了後に、同業で開業できないなどのルールをまとめている競合避止についても事前に本部に確認しておくと安心です。
フィットネスジムオーナーとして成功するためのポイント
フィットネスジムを開業したからには、しっかりと会員顧客を獲得して売り上げと利益を伸ばし、事業を成功させていきたいですよね。物件取得など初期費用がまとまってかかるビジネスだからこそ、一度始めたら投資分を回収するまでには時間がかかるものです。
事業を成功させるためには、フランチャイズ本部のノウハウを十分に活用するだけでなく、足りない部分はオーナーとして責任をもって補っていくことが肝心です。事業計画を自分自身でしっかり立てることはもちろん、常に成長意欲を忘れず、顧客がどのようなきっかけで入会してくれたのかを分析しさらなる会員数の獲得につなげましょう。満足度が低ければ簡単に退会されてしまう可能性があるため、退会する顧客がいればその原因を知り、退会者を防ぐ対策をしていくと良いでしょう。
また、開業資金を十分に準備するだけでなく、運転資金も忘れずに調達しましょう。事業が継続できずに失敗してしまう一番の理由が「資金不足」です。資金不足を防ぐために余裕を持った資金計画をたてましょう。
そして、フランチャイズ本部とはビジネスパートナーとしての自覚を持ち、積極的に売上拡大に向けたコミュニケーションを心がけてみてください。
まとめ
フィットネスジムは開業時にまとまった初期費用がかかる事業ですが、会員顧客を獲得し軌道に乗れば、毎月の安定収入が得られるストック型のビジネスです。また健康志向の高まりから今後も市場が拡大していくと予想でき、成功のチャンスも広がっています。
ジムの経営が未経験であっても、フランチャイズに加盟することで、フランチャイズ本部からのサポートを受けて、個人で開業するよりも効率的かつスムーズに開業できます。ロイヤリティやフランチャイズ本部の方針などは、フランチャイズ本部によって加盟時や運営時の条件も異なっています。アントレの検索機能を活用して、複数のフランチャイズ本部を比較し、自分の実現したいフィットネスジム経営に沿っているかじっくり検討してみてください。
<文/北川美智子>