大人になれば誰しも1つは持っているお財布。
お金との付き合い方は人それぞれなように、お財布との付き合い方も人によって異なる。デザインや容量など、特徴の異なる一品を持っている人もいるだろう。
私事ではあるが、筆者はm+(エムピウ)というブランドの「ミッレフォッリエ」という財布を使っている。
これは小銭、お札、カードがコンパクトにまとめられる財布。気づけば10年ほどの付き合いで、現在は同じモデルの2代目を使用中だ。
ミッレフォッリエは根強いファンの多い財布で、同じモデルを使い続ける人が多く、発売から14年が経った今でも、月に800個は出荷されるという。
このお財布を生み出したエムピウの代表・村上雄一郎さんは、元・建築士という異色のキャリアの持ち主。彼は、一級建築士から革製品のデザイナーへと、どのように転身を果たしたのだろうか?
<プロフィール>
村上雄一郎さんバッグ/革小物デザイナー。建築事務所に勤務していたが、素材としての革に興味を持ちバッグ・革小物のデザインを開始し、2001年「m+」(エムピウ)をスタート。設立から4年後、創業支援施設台東デザイナーズビレッジに1期生として入居。
台東区での業務の利便性を感じ、蔵前に拠点を構える。
村上雄一郎さんバッグ/革小物デザイナー。建築事務所に勤務していたが、素材としての革に興味を持ちバッグ・革小物のデザインを開始し、2001年「m+」(エムピウ)をスタート。設立から4年後、創業支援施設台東デザイナーズビレッジに1期生として入居。
台東区での業務の利便性を感じ、蔵前に拠点を構える。
遊ぶものは自給自足、ものづくりの楽しさを学んだ幼少期
− まずは村上さんが建築士になるまでをお聞きしたいです。建築士と革製品のデザイナーはプロダクトを生み出すという点で共通していますよね。ものづくりは昔からお好きだったのですか?
村上雄一郎さん(以下、村上さん)
幼少時代から好きでしたね。田舎に生まれて遊ぶものがないから、自分で作るのが当たり前だったの。拾ってきた真鍮を磨いてピカピカにしたり、木片で工作をしたり、手を動かして結果が現れるのが楽しかった。そうするうちにものづくりが好きになってしまったんだよね。建築の道に進んだのも作ることに興味があったから。大学で建築を学んで、そのまま設計事務所に入ったんです。
幼少時代から好きでしたね。田舎に生まれて遊ぶものがないから、自分で作るのが当たり前だったの。拾ってきた真鍮を磨いてピカピカにしたり、木片で工作をしたり、手を動かして結果が現れるのが楽しかった。そうするうちにものづくりが好きになってしまったんだよね。建築の道に進んだのも作ることに興味があったから。大学で建築を学んで、そのまま設計事務所に入ったんです。
− 事務所ではどのようなお仕事をされていたのですか?
村上さん
就職した事務所は建物だけじゃなく、都市計画やマップ、時には建物のなかで使う家具など、幅広く空間をデザインしている場所でした。当時は幅広く様々な分野のアシスタントとして働いて、3年目から建築設計に携わりましたね。建築設計はよくドラマとかで出てくる、図面や模型を作る仕事です。でも、僕はその仕事に違和感を抱いてしまったんです。
就職した事務所は建物だけじゃなく、都市計画やマップ、時には建物のなかで使う家具など、幅広く空間をデザインしている場所でした。当時は幅広く様々な分野のアシスタントとして働いて、3年目から建築設計に携わりましたね。建築設計はよくドラマとかで出てくる、図面や模型を作る仕事です。でも、僕はその仕事に違和感を抱いてしまったんです。