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日本の文化をもっと身近に! 和洋折衷バンド「破天航路」が描く、娯楽の未来

生ボイス

日本の伝統的な文化である、日本舞踊。

古くからある「舞」や「踊り」を合わせたものであり、近年では国際化に伴い、諸外国で「Nihonbuyo」とも呼ばれています。

今回お話を伺ったのは、花ノ本以津輝(はなのもと・いづき)さん。

花ノ本さんは、日本舞踊を教える「花ノ本流」の師範でありながら、日本舞踊や殺陣(たて)といった表現者を擁する和洋折衷バンド「破天航路(はてんこうろ)」のメンバーとしても活躍されています。

そして、よりバンドに力を入れるために、2017年10月に起業。株式会社WISTERIENCEの取締役としてもキャリアをスタートさせました。

日本舞踊家であった花ノ本さんは、なぜ「破天航路」を結成し、起業に至ったのか。

そこには「日本の文化の素晴らしさをもっと身近にしたい」という熱い想いがありました。

<プロフィール>
花ノ本 以津輝(はなのもと・いづき)
(表紙写真・1番左)日本舞踊 花ノ本流師範/公益社団法人 日本舞踊協会会員

株式会社WISTERIENCE取締役・「破天航路」日本舞踊担当

2歳より伯母である師匠の元で日本舞踊を始め、4歳で初舞台を踏む。
幼少よりピアノ・電子オルガン・太鼓・篠笛・三線などの楽器、 声楽、ジャズダンス等を学びながら育ち17歳で花ノ本流師範となる。

桐朋芸術短大芸術科演劇専攻ミュージカルクラスに入学し、様々なジャンルの音楽や演劇・ダンスの基礎を学び、市川亀治郎丈(現・猿之助丈)主催、2010年 第8回亀治郎の会「上州土産百両首」にて女優デビュー。

現在、日本舞踊家として国立劇場等で行われる舞台に出演、またTVやワークショップなどで指導にあたる他、日本の伝統文化を国内外に発信するため、様々なジャンルの音楽や表現とのコラボレーションを積極的に行っている。

2016年には、ギター×バイオリン×日本舞踊×殺陣×ダンスといったメンバーを擁するバンド「破天航路」を立ち上げ、国内外問わず活動を展開。
2017年7月にはフランス・パリで行われた「JAPAN EXPO in Paris 2017」に於いてスタンディングオベーションの大喝采を浴びる。

「やる人」も「見る人」も減っている日本舞踊をなんとかしたい。和洋折衷バンド「破天航路」が結成されるまで

―日本舞踊家である以津輝さん。以津輝さんのキャリアから教えてください。

以津輝さん
私は幼い頃より日本舞踊に触れて育ってきました。「花ノ本流幹部師範」である伯母・寿以知のもとで2歳から稽古を始め、4歳の時には初めて舞台に立ちました。

その後、日本舞踊をやりながらも演劇や歌など、自分が興味を持ったことは一通り経験してきました。

そして高校生の時に、蜷川幸雄さん演出の、シェイクスピア作品を歌舞伎にアレンジした舞台に衝撃を覚えたんです。

―どういったところに衝撃を覚えたのですか?

以津輝さん
とにかく自由だったんです。舞台全面を鏡張りにするなど、歌舞伎を初めて見る方も惹きつける演出と分かりやすさ、そしてきちんと歌舞伎の要素もある。

日本舞踊や歌舞伎など、なじみのない方からすると「分かりにくさ」というのはとても大きな壁なんです。

そこに漠然とした課題を感じていた時に、その舞台を見たのでとても驚きました。

そして、日本の伝統文化もやり方次第で、まだまだ新しいファンを獲得するチャンスがあるな、と思ったんです。

―やはり日本舞踊や歌舞伎の世界において、新規ファンの獲得は難しいのでしょうか?

以津輝さん
そうですね…。伝統芸能を教える人も教わりたい人も徐々に減っているので「やる側」の人が少なくなっている上に、先程お話した「分かりにくさ」に加え、「敷居の高さ」も相まって「見る側」の人も少なくなっています。

私は日本舞踊だけでなく、いろいろなものを経験してきましたが、やはり日本舞踊にルーツがあるので、この現状をなんとかしたい、といつしか思うようになったのです。

―その問いの答えとして行きついたのが「破天航路」だったのですね?

以津輝さん
そうなります。以前「レディー・ガガ」の曲のダンスを、日本舞踊でアレンジして踊ったことがあり、その時に周りの人から称賛されたことがありました。

そこで、今風の音楽に日本舞踊などといった要素を融合させれば、敷居の高さを感じさせず、もっと身近に年齢層の幅も広いお客さまたちに、受け入れてもらえるのでは? と思ったんです。

そんなことを自分の知り合いに話していたら、私と同じように「日本の文化をもっといろんな人に知ってほしい」と思っている方を何人か紹介され、志が同じ仲間が、9人揃いました。

そして、バンド×日本舞踊・殺陣・ダンスといった異色の和洋折衷バンド「破天航路」が自然に結成されたのです。

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一過性ではなく継続して「和文化の良さ」を広めるために選んだ、起業という選択肢

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