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独立は勢いではなく納得のいく判断材料をもって 年間密着取材Ⅱ ~林原さん編 第11回~

独立は勢いではなく納得のいく判断材料をもって 年間密着取材Ⅱ ~林原さん編 第11回~

1年半後に迎える定年退職までに開業準備をし、退職後は、開業して家族を養っていきたいという林原さん。これまでの経歴と趣味を生かし、カーリペアのフランチャイズに加盟したいと考えているが、実際に加盟しているオーナーさん数名に、直接、経営についての話を聞いてから判断したいと考えている。

林原雄大(仮名)さんプロフィール
大学卒業後、車・旅行ガイドなどを刊行する出版社に入社。現在57歳で、1年半後に定年を迎えるが、2人のこどもがまだ中学生と高校生なので、現在勤務している会社の嘱託などを視野に入れつつも、起業を優先に検討している。お父さまが経営していた表装業や、趣味だったカヌーやカヤックを取り扱うアウトドアショップ店の開業も選択肢としてあげていたが、自身の経歴と趣味を生かし、カーリペアのフランチャイズ加盟の方向で検討中。現在まだ定職についているため加盟は見送り中。

――加盟検討中のフランチャイズで既に活躍されているオーナーさん数人に、成功までの道のりなどを伺いたいと6月頃からおっしゃっていますが、その後、何か行動はされましたか?

まだです。自宅の電話回線トラブルや、体調を崩したりと、開業準備に時間をかけられていない状況なんです。本当は、もっと納得のいくだけの情報収集をしたいところなんですけどね。

hayashibara

――林原さんのように50代ともなると、非常に責任あるポジション…いわゆる責任世代なので、平日は仕事で忙しく、開業準備を行うのは大変なことですよね。

開業準備のための時間をねん出しなくては、と思ってはいるものの、なかなかできていません。正直、独立を決心するには、あと一押しだと思っているんです。独立は勢いでするものではないので、きちんと「稼げる」という自信と覚悟ができてから決断したいです。色々リサーチをしてからの方が、独立後に成功する確率も上がると考えているので。決めたらあとはやるしかないですからね。

hayashibara

――林原さんは同僚や同世代の友人と、定年後のビジョンについて話をすることはあるのですか? 

そういう話題にはならないですね。私は定年後を見据えて、独立するか、はたまた嘱託として会社に残るか…と悩んでいるのですが、会社内には嘱託で残る人もほとんどいないですし、周りには将来について危機感をもって考えている人はいません。
自分たちの世代は、会社が倒産するような今の時代とは違い、会社員でいれば一生安泰、と会社に守られてきた部分があったので、危機感を持てないのは仕方がないとも思います。

hayashibara

――定年後の選択に関して、相談や情報交換できる方が周囲にいらっしゃらないのは厳しいですね。 

そうですね。でも、私自身、40代くらいからでしょうか、いつか独立したいという思いはあったけれど、自分の気持ちよりも、会社員でいれば得られる安定を優先させて会社に残り、ここまできました。周囲も私と同じような感じで、安定を求めて会社に残っている人が多いのだと思います。同世代の友人は子どもも成人したりしていて、「漫画が好きだから漫画喫茶みたいなお店をやりたいなぁ」というような夢を語る人はいますけど、私のように、まだまだこどもたちの学費を稼がなくては! という感じではないので、わりとのんびりしていますね。

hayashibara

――40代の頃に独立を検討したことがあったということですが、もしも、林原さんに独立を検討している40代の弟さんがいたら、どうアドバイスしますか?

そうですね。安定だけを選ぶのではなく、きちんと稼げる自信と覚悟があるようなら、独立することを勧めますね。家族を養っていける、という勝算があるなら独立したら良いと思います。このご時世では、会社員でいても安定はありませんし、働き方も多様化していますし。
もちろん勢いだけでの独立だったら反対しますけど。

hayashibara

――いつ頃から、安定のために会社員でいることを選ぶようになったのですか。

結婚し、こどもが生まれてからですね。若いころは、カヌーなどの趣味を楽しむために働いていましたが、今は家族を養うために働いています。だから、私には安定が第一なんです。でも、こうして長く勤めていると、なかなか独立への一歩は踏み出しにくくなりますね。

hayashibara

――家族ができてからはライフワーク中心となっていたのが、いざ定年を迎えるにあたってそのバランスを改めて考えはじめたということですね。

そうですね。夢を仕事にするとかそういうことではなく、仕事は生活費のためなんです。そして自分の趣味にも使えるだけのお金を稼ぐ、という感じです。
だから、独立するときは、稼げる覚悟が持てて、自分が好きだと思えるようなものを扱う事業や、仕事内容だったらベストだと思えるんです。

hayashibara

――話は変わりますが、独立後のイメージについて教えてください。独立したら、「経営者」となるわけですが、どのような経営者になりたいですか?

メディアに出ているような大企業の経営者もすごいとは思いますが、自分とはかけ離れた雲の上の人に思えてしまうので「あの経営者みたいになりたい!」というような方は特にいないですね。
でも、独立して経営者になったら自分で何でも決められることは魅力的だと感じています。
今の会社で「こういうことをやりたい」と思っても、なかなか形にできないことが多いので。独立後、今までと同じくらいの生活費を稼げるかどうかという不安もありますが、裁量権を持つことは、楽しみでもあるので、独立への不安と期待は半々くらいです。

hayashibara

――10月までに、開業準備のスケジュールを立てる予定とおっしゃっていたので、次回はその点について伺えたらと思います!

時間がなくてまだ予定が立てられていないので、頑張ります。
来年、こどもの受験が終わって家庭内が落ち着いた頃には、全て決めきった状態で家族に独立の意思を伝えられる状況にはしたいという思いは変わらないですね。

hayashibara

今回の取材を終えて

会社勤めと並行しながら独立準備を進めるのは、精神的にも時間的にも大変なことです。そのような状況でも、モチベーションを保ち、情報収集を継続しようとしている様子がうかがえました。独立することについては「不安と期待が半々。大変だろうけど楽しそう。やるのであれば、後がないと思って全力でやる」と力強く語る様子は、既に覚悟を持っていらっしゃると感じられました。

「-SeasonⅡ-長期密着取材! 独立開業への道365日」シリーズ
次回の更新は、2017年10月20日(金)。
2017年4月、理想の託児所を開業した菊地さん編(第11回)予定。
フランチャイズのオーナーとしてやっていくための大事な心構えとは 次回お楽しみに!

更新日:2017/10/13
文:篠原舞 撮影:吉原朱美




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