物騒な事件やサイバーテロなど、様々な事件を耳にすることが増えてきた昨今、防犯対策やセキュリティ対策は法人でも個人でも万全の状態にしたいと考える方は増えてきました。そのため、防犯に関する事業で独立したい、開業してみたいと考える方も並行して増えたのではないでしょうか。防犯関連のフランチャイズに加盟するメリットとデメリットを紹介していきます。
防犯のためのセキュリティ市場は拡大し続けている
警察庁のアンケート調査において、犯罪被害に遭う不安感を抱いている人の割合は依然として大きく、例えば、サイバー犯罪の 被害に遭う危険性について「不安を感じる」又は「ある程度不安を感じる」と回答 した人の割合は79.4%(3,970人)に上っている。また、最近の治安の状況について、 「よくなっていると思う」又は「どちらかといえばよくなったと思う」と回答した 人の割合は20.8%(1,041人)にとどまるのに対し、「悪くなったと思う」又は「どちらかといえば悪くなったと思う」と回答した人の割合は64.1%(3,205人)に上っている。
このように、人々の不安感からオフラインでは、住宅やマンションなど物件の防犯対策は標準化されてきていますし、防犯対策ソフトが基本装備されている携帯電話の種類が豊富になっていたりします。
警察庁のアンケートからもわかるように「体感治安の悪化」により、防犯やセキュリティの市場の拡大とニーズは高まっています。今まで防犯の必要性を感じていなかった人も防犯に関心が向いているため、更なる市場の拡大が見込まれると言えます。
参照:令和3年の犯罪情勢|警察庁(P.3より)
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防犯のフランチャイズと言っても内容は様々
防犯やセキュリティはニーズが著しく高まっていることもあり、防犯ビジネスにチャンスを感じて独立や開業を検討している方もいることでしょう。
しかし、サービスを利用する顧客の立場から考えてみると、防犯やセキュリティは自分の身を守るためにとても重要なものです。もしも、防犯やセキュリティのサービスを利用するのなら、開業したばかりで実績のない企業よりも信頼ある企業にお願いしたいと思うのではないでしょうか。
開業時から顧客の信頼を集められるフランチャイズへの加盟を検討してみてはいかがでしょうか。フランチャイズは加盟店が本部にロイヤリティや加盟金などを支払うことによってフランチャイズのブランドを借りて商売ができるというビジネスモデルです。ブランド力は、利用者にとっては一定の品質でサービスを提供してもらえるという証になるので、信頼を勝ち得やすいのです。
様々な業界でフランチャイズは展開されています。防犯関連の業界も例外ではありません。しかし、防犯と一言に言っても様々な「防犯」がありますよ。
住宅の防犯システムを提供するホームセキュリティ、企業をサイバーセキュリティから守るセキュリティサービス、セキュリティシステムのリースなど様々です。漠然と防犯関連のフランチャイズに加盟して独立したいと思っても、方向性が定まりません。
まずは、どのような種類の防犯事業にするか、明確にすることから始めましょう。
企業のサイバーセキュリティ対策のためのフランチャイズ
インターネット上で、企業情報への不正アクセスや情報漏洩・改ざんなどのサイバー攻撃を回避するため、一般的に、企業はサイバーセキュリティの対策をとり、自社の情報システム部で管理します。しかし、よほど大きい会社でない限り、サイバーセキュリティを構築・運用できるほどのIT人材がいなかったり、設備が整っていなかったりします。そこで、外部の企業に委託している企業がほとんどです。
そんな企業向けのセキュリティ管理サービスのフランチャイズビジネスもあります。
本部と加盟店が組織としてネットワークを構築します。ネットワークは同じ目的を持ち、1社では叶えられないことを組織として行うことで可能にしています。
それぞれの企業の特性や特色を活かしてビジネスをより強固なものへと導く役目も果たしています。情報のやりとりを通じ、参加している企業に対しても顧客に対しても付加価値を与えてセキュリティ対策をしていく全国組織です。
家の防犯のためのホームセキュリティフランチャイズ・代理店
次に住居の防犯のためのホームセキュリティのフランチャイズ・代理店の例を紹介していきます。ホームセキュリティとは防犯カメラを設置したり、プロのガードマンが24時間警備したりと、住居の防犯を主とするサービスです。一般的には大手警備会社を利用するケースが知られていますが、フランチャイズの警備会社も多くの人が利用しているので、警備会社にフランチャイズ加盟や代理店契約をして個人で開業できるものもあります。
フランチャイズや代理店契約の場合、本部が提供する警備システムや販路を活用しながら、防犯カメラやグッズ、防犯システムを企業や個人に販売するケースが多いです。また、鍵の修理や鍵開けサービスといったセキュリティのフランチャイズもあります。
A社
防犯機器の販売の他に緊急時やパニック時でもボタンを押すと緊急信号が登録先の緊急連絡先に通報できるサービスです。
24時間365日侵入感知、非常通報、火災感知をしてくれます。留守中は侵入者を警戒し、在宅中は指定したブロックを徹底監視してくれるので、生活の妨げになることなく常に防犯対策を万全におこなってくれるのが特徴です。
本部としても、指定された販売エリアが他の担当者と被ることはないため、重複してしまうことがなく、社内競合になってしまうことなくセキュリティ機器の販売に勤しめます。
B社
元々リフォームの会社であるB社では、自社で取り扱っている防犯機器の販売をしてくれる代理店を募集しています。
総合セキュリティ、防犯カメラ、ガラスフィルム販売施工、各種防犯機器販売施工、各種防犯診断など様々なジャンルの代理店の募集をしているので、自分がどんな防犯関連に携わりたいのかで加盟をするか判断してみるのが良いかもしれません。
C社
鍵をなくしたり、鍵が開かなくなったりしたときなどに、鍵を解錠するフランチャイズです。防犯カメラの設置や、窓などに貼る防犯フィルムなど幅広いサービスを展開しています。深夜や早朝でも対応し、オートロックの解錠も行っているためより多くの利用者を獲得できます。よりセキュリティの高い鍵や電子錠に交換したいというニーズにも対応。加盟社への定期的なサポートが特徴です。
防犯関連の仕事は他の形でも独立できる
防犯関連のフランチャイズの多くはホームセキュリティです。しかし、企業のセキュリティを監視するフランチャイズや機器販売の代理店など様々な形があります。防犯関連でいうとリース会社としてフランチャイズに加盟する方法もあります。
例えば、防犯カメラシステム、遠隔監視カメラシステム、セキュリティシステムなど、様々な防犯機器の販売パートナー企業としてフランチャイズを募集している企業もあります。また契約タイプも選べます。
1つ目は、販売パートナー企業がサービス購入希望者に対してこの企業を紹介する「取次店契約」です。
2つ目の契約方法は販売パートナー企業が、この企業のサービスを一度購入しサービス購入希望者に直接販売する「販売代理店契約」です。在庫を抱えなくてはいけない販売代理店契約にする場合には、ある程度目星をつけてからの購入にしないと在庫リスクを抱えることになります。
今後、注目される防犯対策関連で一足早く独立しよう
セキュリティ市場は拡大の一途を辿っています。金融機関、交通機関、飲食店におけるデジタルサイネージの効果もあり、企業だけでなく一般消費者の多くもセキュリティや防犯に対して強い興味を持ち始めたと言っても過言ではないでしょう。
市場はまだまだ成長過程であり、更なる飛躍が期待されています。セキュリティや防犯関連で独立・開業をしたいのであれば、今がビジネスチャンスとも言えるのではないでしょうか。セキュリティ関連の仕事をするうえで、IT知識は欠かせません。事業を始める前に独学でも良いのでITの知識を少しでもつけることで、独立した際何かの役に立つかもしれません。
<文/ちはる>