CATEGORYカテゴリー

早期退職のメリット・デメリット|後悔しないための準備について解説

独立ノウハウ・お役立ち

定年を待たずに現職を退く早期退職には、リストラのようなネガティブな印象を持つ方もいるかもしれません。

ただ、企業の募集に応じて退職する場合は、退職金の上乗せといった好条件が提示されることも少なくないため、一概に悪いものとも言えないのが現状です。

とはいえ、十分な計画なしに早期退職を決断すると、後悔する結果につながる可能性もあります。

本記事では、早期退職のメリット・デメリットや注意点、後悔しないために押さえるべきポイントまでを徹底解説します。

  1. 早期退職の3つの形態
    1. 選択定年制
    2. 役職定年制
    3. 臨時の早期退職募集
  2. 早期退職のメリット・デメリット
    1. 早期退職のメリット
      1. 退職金が割り増しでもらえる
      2. 体力があるうちにセカンドライフがおくれる
      3. 失業給付金を受け取れる可能性がある
    2. 早期退職のデメリット
      1. 生涯年収が少なくなる
      2. 社会保険や厚生年金を支払う期間が短くなってしまう
      3. 国民年金受け取りまで期間が開いてしまう
  3. 早期退職に失敗する人、成功する人
    1. 早期退職の失敗例
      1. 思ったよりも退職金がもらえない
      2. 再就職が難しい
    2. 早期退職の成功例
      1. 充実したセカンドライフを過ごす
      2. 転職して再び活躍する
  4. 早期退職に失敗しないためのチェックポイント
    1. 今の会社での将来性
    2. セカンドキャリアでの将来性
    3. 自分の貯金と収入経路
    4. 自分の市場価値
    5. 早期退職後のビジョンは明確か
    6. 家族の理解を得られるか
  5. 【年代別】早期退職のメリット・デメリット
    1. 40代で早期退職する場合のメリット・デメリット
    2. 50代で早期退職する場合のポイント
  6. 【早期退職】に関するよくある質問
    1. Q1. 早期退職で受け取る退職金に、税金はかかりますか?
    2. Q2. 会社の引き止めにあった場合、どうすれば良いですか?
    3. Q3. 早期退職して独立・開業する際の注意点は?
  7. 早期退職に失敗しないために、複数のプランを考えよう

早期退職の3つの形態

早期退職制度は、主に「選択定年制」「役職定年制」「臨時の早期退職募集」の3つに分類されます。

それぞれの特徴を理解し、自身がどのケースに当てはまるのかを確認しましょう。

選択定年制

選択定年制は、社員が自らの意思で定年時期を決め、退職できる制度です。企業が定めた一定の条件下で、定年前に退職を選択できます。

多くの場合には退職金の割り増しなどの優遇措置が設けられているので、体力や気力が充実しているうちにセカンドキャリアを始めたい人にとっては、有効な選択肢となるでしょう。

役職定年制

役職定年制とは、管理職の社員が一定の年齢に達した際、役職から外れる制度です。組織の新陳代謝を促し、若手社員の昇進機会を創出する目的で導入されます。

一般的には55歳前後で設定されることが多いですが、役職を離れた後の処遇(専門職への移行、給与の変更など)は企業によって様々です。

臨時の早期退職募集

臨時の早期退職募集は、企業の経営戦略の一環として、人員構成の最適化や経営状況の変化に対応するために、期間限定で退職希望者を募集する制度です。

社員にとっては、通常の退職よりも割増退職金などの手厚い条件が提示されることが多く、新たなキャリアへ踏み出す好機となり得ます。自身のキャリアプランと合致するなら、積極的に検討する価値があるでしょう。

早期退職のメリット・デメリット

早期退職に失敗する人と成功する人は何が違う?

早期退職にはさまざまなメリット・デメリットがあります。

早期退職を選択する前に、今一度どのようなメリットとデメリットがあるのかを把握しておきましょう。

早期退職のメリット

早期退職をするメリットは、大きく分けて3つあります。

退職金が割り増しでもらえる

早期退職の最大のメリットは、割増退職金や特別加算金が支給される点です。

定年退職よりも手厚い条件が提示されることが多く、独立開業の資金や、当面の生活費として大きな支えになります。

体力があるうちにセカンドライフがおくれる

早期退職をすれば、気力・体力ともに充実している50代、あるいは40代のうちに、新たな人生をスタートできます。

定年後では難しいと感じるような事業の立ち上げや、全く新しい分野への挑戦も現実的な選択肢となるでしょう。

失業給付金を受け取れる可能性がある

会社の制度を利用した早期退職は「会社都合退職」扱いになることが多いので、自己都合退職に比べて失業手当を早く、長く受け取れる可能性があります。

退職後の収入が途絶える期間の不安を和らげる、重要なセーフティネットとなるでしょう。

早期退職のデメリット

続いて、こちらでは早期退職のデメリットを紹介します。

生涯年収が少なくなる

早期退職すると、定年まで勤務した場合に得られたはずの給与や賞与がなくなるため、生涯で受け取る賃金の総額は減少します。

割増退職金でどの程度カバーできるのか、シミュレーションが必要になるでしょう。

社会保険や厚生年金を支払う期間が短くなってしまう

早期退職をすると、社会保険や厚生年金の加入期間が短くなるため、将来受け取る年金額が減額されます。

退職後は国民年金に切り替わりますが、その差は老後の生活設計に大きく影響します。

国民年金受け取りまで期間が開いてしまう

早期退職すると、退職から年金受給が始まる65歳までの間、安定した収入が途絶えます。

再就職や起業をしない場合、この期間の生活費をすべて貯蓄と退職金で賄う必要があるので、注意が必要です。

早期退職に失敗する人、成功する人

早期退職は、状況によって「成功」「失敗」が分かれます。

ここでは、何を早期退職の成功・失敗と言うのかを、例で紹介していきます。

早期退職の失敗例

思ったよりも退職金がもらえない

「退職金があるから大丈夫」と安易に考え、具体的な収支計画を立てずに退職してしまうと、失敗と呼べる状況に陥ってしまいます。

税金や社会保険料の支払いで想定以上に手元資金が減り、ローンの返済や生活費の捻出に苦労することもあるので、退職後の収入源を確保しておきましょう。

再就職が難しい

長年のキャリアで培ったプライドや高い役職へのこだわりがあると、再就職の足かせとなる可能性があります。

「この年齢で未経験の仕事は…」「給与が下がるのは受け入れられない」と選択肢を狭めてしまうと、結果的に社会との接点を失い、孤立してしまうかもしれません。

早期退職の成功例

充実したセカンドライフを過ごす

在職中から周到な準備を進め、培った専門知識や人脈を武器に独立・起業を果たすケースは、成功例と言えます。

会社員時代から「開業・独立してみたいな…」と考えている人は、早期退職をチャンスとして捉えて行動してみましょう。それにより、充実したセカンドライフを過ごせるかもしれません。

転職して再び活躍する

自身の市場価値を客観的に把握し、これまでの経験を求めている企業へスムーズに転職できれば、それも成功例だと言えるでしょう。

役職や会社の規模に固執せず、自分が貢献できる場所を柔軟に探すことができれば、次のキャリアでも十分に活躍できるでしょう。

早期退職に失敗しないためのチェックポイント

早期退職に失敗する人と成功する人は何が違う?

せっかく早期退職をするのであれば、失敗させたくはないですよね。

こちらでは、早期退職で失敗しないためのポイントを6つ紹介します。

今の会社での将来性

このまま会社に残った場合どのようなキャリアを歩むことになるか、役職定年後の役割や待遇、会社の将来性を冷静に見極めましょう。

「会社に残る」という選択肢と比較して、早期退職のメリットが大きいかを判断する視点が必要です

セカンドキャリアでの将来性

再就職、独立・起業、フリーランスなど、退職後の具体的なプランと将来性も十分に考慮しましょう。「何とかなるだろう」という楽観視は禁物です。

転職市場の動向を調べたり、独立に向けた事業計画を立てたりと、具体的なアクションを起こせているかが問われます。

自分の貯金と収入経路

退職金や貯蓄額だけでなく、退職後に発生する税金、社会保険料、生活費、将来必要な資金(住宅、教育、介護など)をすべて洗い出しましょう。

収入がなくても最低2〜3年は生活できるだけの運転資金を確保できているか、具体的な数字でシミュレーションすると、ビジョンが見えやすくなるかもしれません。

自分の市場価値

年齢や専門性を考慮した上で、自身の市場価値を客観的に評価することも重要です。

転職エージェントに相談したり、副業で自分のスキルを試したりと、社外の物差しで自分を測る機会を持ちましょう。

早期退職後のビジョンは明確か

「なぜ早期退職するのか」の理由を深掘りし、退職後のビジョンを明確にしておくことも大切です。「会社が嫌だから」などのネガティブな動機だけでは、退職後に目的を見失ってしまいます。

「こんな事業を興したい」「この分野で社会に貢献したい」といった、前向きで具体的なビジョンを持っていれば、早期退職後もやりがいがある人生を送れるでしょう。

家族の理解を得られるか

早期退職は、家族の生活にも大きな影響を与えます。なので、資金計画や将来のビジョンを丁寧に説明し、家族からの理解と協力を得ることは絶対条件です。

一方的な決断は家庭内に深刻な亀裂を生む原因になるので、十分に注意しましょう。

【年代別】早期退職のメリット・デメリット

早期退職は、年代によってその意味合いや検討すべきポイントが大きく異なります。

こちらでは、早期退職のメリット・デメリットを年齢別で紹介します。

40代で早期退職する場合のメリット・デメリット

40代は、気力・体力ともに充実し、キャリアの方向転換が可能な最後のチャンスともいえる時期です。

【メリット】
50代に比べてポテンシャル採用の可能性が残されており、全く異なる業界や職種へのキャリアチェンジも現実的な選択肢です。学習意欲と柔軟性を示せれば、新たなキャリアを築くことは十分に可能です。

【デメリット】
多くの場合、住宅ローンや子どもの教育費など、人生で最も支出が多い時期です。収入が途絶えるリスクは50代よりも大きく、退職金の額も相対的に少なくなります。勢いでの退職は避け、極めて慎重な資金計画が求められます。

50代で早期退職する場合のポイント

50代は、これまでのキャリアで培った経験と知識が最大の武器となります。

【メリット】
豊富な実務経験やマネジメント能力、築き上げた人脈は、独立・起業や、専門性を求める企業への好条件での転職に直結します。自身の強みを明確に打ち出せれば、会社員時代以上の収入ややりがいを得ることも可能です。

【デメリット】
未経験分野への挑戦は40代に比べて格段に難しくなり、求人数も大幅に減少します。プライドが邪魔をして条件を譲れない場合、再就職先が見つからずに行き詰まるケースも少なくありません。自身の市場価値を冷静に見極める必要があります。

【早期退職】に関するよくある質問

ここでは最後に、早期退職を検討する方から多く寄せられる質問にお答えします。

Q1. 早期退職で受け取る退職金に、税金はかかりますか?

A1. はい、かかります。

退職金は「退職所得」にあたるので、所得税と住民税の課税対象です。ただし、他の所得に比べて税負担が軽くなる「退職所得控除」という大きな控除が適用されます。事前に会社から「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておけば、源泉徴収で納税が完了するので、必ず在職中に提出しましょう。

Q2. 会社の引き止めにあった場合、どうすれば良いですか?

A2. 引き止めに感謝を伝えつつ、退職の意思が固いことを誠実に伝えましょう。

強い引き止めは、あなたが会社に必要とされている証拠でもあります。しかし、その場の感情や一時的な条件改善に流されて残留すると、後悔するケースも少なくありません。「なぜ退職したいのか」という原点に立ち返り、冷静に判断することが重要です。

Q3. 早期退職して独立・開業する際の注意点は?

A3. 最も重要なのは、会社員時代の感覚を捨てることです。

独立すると、看板や組織の力なしに、自力で仕事を生み出して収益を上げ続けなければなりません。退職金を運転資金に充てる場合、甘い見通しでいるとあっという間に枯渇します。在職中から事業計画を練り、人脈を築き、可能であれば副業でテストマーケティングをおこなうなど、徹底した準備を行うことをおすすめします。

早期退職に失敗しないために、複数のプランを考えよう

早期退職で失敗しないためには、どのようなメリットとデメリットがあるのかを把握する必要があります。メリットだけでなく、デメリットも知っておかなければ失敗のない早期退職を実現することはできません。

失敗を回避するためにも、早期退職後のプランはいくつか考えておきましょう。ひとつのプランしか考えてないと、それがダメになった際に失敗に終わってしまいます。自分の価値や将来性、会社での役割など、さまざまなポイントを客観的に見て早期退職するかを決めましょう。

【PR】退職のことなら【辞めラボ】

「早期退職後に独立する」という選択肢もあります。フランチャイズであれば、0からビジネスモデルを構築する必要もありません。

どんな独立開業のプランがあるのか見てみたい方は『アントレ』をご覧ください。全国規模のフランチャイズや代理店、開業支援データベースの中から、さまざまな業種や業界、地域ごとに、どんなビジネスがあるのかを調べることができます。

自分が最も活躍できるのはどんなビジネスなのか、ぜひ探してみてください。

<文/ちはる>

タイトルとURLをコピーしました