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経験の点を線で結ぶ。「キャリアの掛け合わせ」で生まれた、SNS漫画家マネジメント会社

生ボイス

「将来をあらかじめ見据えて、点と点を繋ぎ合わせることはできない。できるのは、後から繋ぎ合わせることだけだ。」

Apple創設者であるスティーブ・ジョブズの名言にある通り、一見するとバラバラに思えることが思わぬ形で繋がった、という経験をした人は少なくないのではないでしょうか。

今回お話を伺ったのは、株式会社wwwaap(ワープ)の代表取締役である、中川元太さん。

中川さんは株式会社wwwarpの代表として、SNSで活躍する漫画家のマネジメント・キャスティング事業に取り組んでいます。

中川さんは、まさにスティーブ・ジョブズのこの言葉のように、自分の人生のあらゆる経験をつなぎ合わせたからこそ、現在の株式会社wwwaapがある、と語ります。

今回は、中川さんが歩んできた道のり、そして「経験の点を線で結ぶこと」について、お伺いしました。

<プロフィール>
中川元太(なかがわ・げんた)30歳

株式会社wwwaap(ワープ)・代表取締役

2010年に新卒でインターネット広告代理店の株式会社セプテーニに入社。札幌営業所で所長を経験後、2013年より同グループの新規事業で、漫画アプリ『GANMA!』を運営するコミックスマート株式会社の立ち上げメンバーに選ばれる。

『GANMA!』が軌道に乗った後、自分でゼロから事業を立ち上げたいという思いを胸に、2016年に独立を決意。

SNSでフォロワーを持ち、有数の才能がありながらも仕事が無く、漫画家を本業にしたくても出来ない、悪条件な仕事に苦労する漫画家が多い現状に疑問を持ち、「クリエイターとして生きる選択肢を増やす」ことをミッションとして、株式会社wwwaapを立ち上げる。

漫画・イラスト制作及び漫画家を中心としたSNSマーケティング事業の他、キャラクターやアニメの開発及び海外展開するIP事業など、漫画家が活躍できる独自の事業を展開。

自分にしかない価値を生み出す。「キャリアを掛け合わせる」という発想

ー現在、SNSで人気の漫画家のマネジメント・キャスティング事業を展開されている中川さん。起業に至るまでの経緯を教えてください。

中川さん
私は、新卒でインターネット広告代理店の株式会社セプテーニに入社し、最初の3年間は、北海道の営業所に勤めていました。3年目から所長となり、営業戦略を任されるようになりました。

4年目になる時に、セプテーニの新規事業で、漫画アプリ『GANMA!』を運営するコミックスマート株式会社の立ち上げメンバーに選ばれました。

ー「GANMA!』といえば、多くの人にダウンロードされている漫画アプリで、大きな人気を博しています。

中川さん
漫画業界のコネも経験も一切ない事業をゼロから立ち上げて、一定の形まで作り上げられたのは面白かったですし、とても良い経験をさせてもらいました。

ーしかし中川さんは『GANMA!』から離れ、会社を退職するという道を選ばれました。なぜでしょうか?

中川さん
立ち上げから携わってきたサービスではありましたし、今でも強く愛着をもっていますが、やればやるほどに『GANMA!』がここまで育てられているのは、セプテーニグループという土台があるから、と感じるようになりました。

大成功して、週刊少年ジャンプを超える世界一の漫画サービスになった瞬間を毎晩のようにイメージしていましたが、どうしても心の底から喜ぶことができない自分がいることに気が付きました。

その気持ちに気づいた時、自分自身がリスクと責任を持って事業をつくり、納得できる手段で仕事をしたいと思うようになり、退職を決意しました。

また、セプテーニ社長の佐藤さんに強い影響を受けていて。佐藤さんは、セプテーニを広告代理事業で数百億規模の会社に育て、その上で新規事業として、本人が大好きでもある漫画領域の事業にビジネスチャンスを見出し、自らが社長となり舵取りをしていました。

自分の好きなことで成功をするためには、その前に得意なことで結果を出さなければならないと痛烈に感じましたね。なので、退職を決めた後はどうすれば最も結果を出すことができるのかばかり考えていました。

ー退職して何をする、というのは決まっていたのでしょうか?

中川さん
具体的に何をするかをすぐに決められなかったので、1年という期限を設けて、戦略的にフリーランスとして働いてみることにしました。

ー戦略的にフリーランスとして働く、ですか?

中川さん
はい。僕は天才ではないので、仮説と考察でやるべきことを見つけられないと感じました。

だからこそビジネスの中からビジネスの種を探すしかないと思い、起業という選択肢も含めて、「いつ・誰と・どこで・何をする」を見定めるために、異なる成長産業のベンチャー6社ほどで毎日交代で働く生活を、1年限定ですることにしました。

ーその活動の結果、最終的にはどのような発見があったのでしょう?

中川さん
関わり方も出来る限り同一職種にしないように、色々やるようにしていました。

採用企画やアライアンス交渉、新規事業案出し等をやっていましたが、結局1番武器になったものは、前職で培ったWebマーケティングのスキルでした。グロースハックや、広告メニュー開発と販売、営業メンバーの教育等が最も提供できた価値が大きかった気がします。

そしてもう1つ、武器になりそうなものがありました。それはSNSで活躍する漫画家たちとの繋がりです。

ー『GANMA!』時代にお知り合いになった方ですね。

中川さん
はい。『GANMA!』立ち上げ当時は人も少なかったので、アプリのマーケターもやりつつ、漫画家たちと作品を作り上げていく編集の仕事もやっていたんです。

そこで漫画家たちとの接点が生まれました。

退職してフリーランスとして働いていた時に、ふとインフルエンサー市場の盛り上がりと広告費相場を見て、気がついたんです。

「広告主がインフルエンサーにこれだけ高い金額を払っている一方で、漫画家は数十万フォロワーいる上に一般的なインフルエンサーよりはるかに拡散力があるのに、それにふさわしい収入を得ている漫画家はほとんどいないんじゃないか」って。

そこで試しに某大手飲料メーカーさんからご発注をもらって納品したところ、キャスティングした3名の作家全員が、人気女優の12倍以上のリツイートを叩き出し、広告主から大変評価頂きました。そして、漫画業界の相場の10倍の原稿料を支払う事ができ、漫画家からも感謝の言葉をいただきました。

そのときに「この事業は、広告主・漫画家・自分の三方良しを実現できる」。そう実感し、会社を立ち上げることにしました。

ー前職のWebマーケティングの知識、漫画の編集のノウハウにコネクション、そして漫画家たちの課題…。全ての点と点が線で繋がったんですね。

中川さん
そうですね。私にとっての過去の経験のいくつかが線で結ばれた瞬間でした。
インフルエンサーの広告市場は伸びており、さらに漫画は世界に対して日本が優位性を持つ数少ない産業の1つであることから、今の私が価値を生み出せる最大の方法は、【Web広告】と【漫画の編集】という2つのキャリアを掛け合わせることだと考えました。

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経験の数が必ずキャリアの役に立つ。起業後も新たな可能性を模索し続けているワケ

※本記事は取材当時の情報を基にしており、団体名、サービス名、法令等が現在と異なる可能性があります。しかし、取材時の想いや状況を正確に伝えるため、内容をそのまま掲載しています。ご了承ください。

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