「占い」と聞いて、どんな印象がありますか?
「運勢を予測してくれるもの」あるいは「自分を導いてくれるもの」と思っている人も多いのではないでしょうか?
たしかに、そういう一面もあるでしょう。
例えば、「独立」か「会社員」どちらの道に進むべきか、占ってもらったとします。
「独立した方がいい」と、占星術師から言われて独立したのに、上手くいかなかったという場合、それは占いのせいになるのでしょうか?
「独立」を決断したのは自分で、選んだ道を最善なものにするのも当然、自分自身。
今回お話を伺ったのは、占星術師のmiraimikuさん。
人材育成業界最大手で10年の勤務経験があるという、占い業界では異色のキャリアを持つmiraimikuさんは、運勢判断などの「未来予測」ではなく、「自己理解」「自分を知ること」にこそ、占いの本質があると語ります。
miraimikuさんがそう語る理由。それは自身のキャリアと経験にありました。
miraimiku(みらいみく)さん
占星術師・星読みカウンセラー雑誌編集・広告制作・人材育成業界最大手など16年の会社勤務を経て、2016年に占星術師として独立。
多彩なキャリアを活かした自己分析・キャリアデザイン・セルフブランディングなどを得意分野とする。
正しい・正しくないの議論、机上の理屈、難しく高尚な学問としての占星術ではなく、何より現場に寄りそう占星術【星を現実に活かす】【身の丈サイズの占星術】を追求。
自身のサイト『西洋占星術の入口』では【Welcome to Astrology】をスローガンに掲げ、初心者の方に占星術の 魅力をわかりやすく楽しく知ってもらうことを最大ミッションとする。
現場での鑑定を最重要視しながら、講座や講演、雑誌や WEB の連載、LINE アプリなど占いコンテンツの監修も多数。
「運勢を知るため」ではなく「自分を知るため」。占いに救われた、会社員時代
――まずは、独立までの経緯を教えていただけますでしょうか?
新卒で出版社に入って雑誌の編集職を2年、印刷会社で書籍の編集職を2年、広告代理店で新聞広告制作を2年、マイナビで10年。マイナビでは、前半5年間は紙媒体やWEB媒体の制作の部署、後半5年間は研修企画の部署にいました。
16年間の会社員を経て、2016年に独立し、現在は占星術師・星読みカウンセラーとして活動しています。
――編集職や制作職や人材育成業界を経て、占星術師として独立……。経歴だけを聞くととても意外です。なぜ占星術師として活動されるようになったのか、詳しく教えていただけますか?
たしかに「占星術師」の経歴としては、珍しいかもしれませんね(笑)。
順を追って説明しますね。まず占いについて。
私は元々、自己肯定感が著しく低かったんですね。外見や学歴にコンプレックスがありましたし、仕事の能力にも自信がなくて。
要するに、自分のことがあまり好きではなかったんです。
でもそんな時にホロスコープ(※)と出会って、救われたんです。
※ある瞬間の惑星の配置の状態を図にしたもの。自分が生まれた瞬間の星の配置図から、個人の性格や運勢を読み解くことができる。
――どのようなところを救われたのでしょう?
これまで、“なんとなく”でしか分かっていなかった「自分という人間」が、ありありと如実に映し出されたことに、最初は驚きが隠せませんでした。そして逆に、自分では知らなかった自分の性質や能力も次々に明らかになって。この「ホロスコープとの衝撃的な出会い」を通して、私は自分の性格や考え方を、より客観的に見られるようになったんです。「無意識だった自分」が、明確に「自覚化・意識化」されたんですね。
そうすると、コンプレックスに感じていた部分も、少しずつ許せるようになって、なんというか、自分のことを愛せるようになっていたんですよね。
――占いには「これから先の運勢を見る」というイメージがありました。そうではなく「自分を知るためのツール」としての側面で、占いを活用されたんですね。
はい。もちろん、占いには「これからの運勢=未来を知る」という側面もあります。ですが私は、自分自身の経験からも、どちらかというと「自分を知るため=自己理解のツール」としての側面に、重きを置いていて。
――その「自分を知る」という行為が、とても重要になってくる場面といえば……就職活動、ですよね?
おっしゃる通りです。前職のマイナビでは10年ほど働いていたのですが、就職活動・採用活動における「自己分析」「自社分析」の重要性を感じる場面が、特に多かったんです。たとえば企業側は、学生の分析や動向にベクトルが向くし、学生に重心を寄せていく。
学生側も、企業の分析や動向にベクトルが向くし、企業に重心を寄せていく。
お互いに歩み寄ることはもちろん大事なんですが、お互いに相手ばかりを見ていたり、「良い部分」だけをアピールしていたり、無意識に媚びていたりするところもあって。
結局それがミスマッチに繋がって、最終的に早期離職になってしまうような…
たとえ一時的にご縁ができても、お互いにハッピーじゃない結末になるケースを、現場で目の当たりにしてきました。
そういう中で思い知ったのは、企業側も学生側も「自社分析」「自己分析」がいかに大事か、ということです。
自分を知ること…外側ではなく「内側を深堀りすること」って、本当に大切だなとつくづく痛感しましたし、あらゆる問題を解決へ導くヒントは、そこ(内側)にあるんだ、と思うようになりました。
そう思った時に、占い、私の場合は占星術(ホロスコープ)ですけれども、それがすごく活用できるよなと。