2017年に閣議決定された「働き方改革実行計画」。
昨今のコロナ禍による情勢の影響もあり、会社員を継続しながら個人で副業をする「副業フリーランス」の人口は年々増え続けています。
今回お話を伺った、株式会社セガの堀井亮佑さんもその1人。
人気ゲーム『龍が如く』シリーズ最新作のディレクターを務め、同シリーズ内の人気コンテンツ「カラオケ」では企画立案から、ほぼ全て楽曲の作詞も担当。「カラオケ」で培った作詞のスキルを活かし、作詞家として副業フリーランスに挑戦しています。
「クリエイターこそ副業に挑戦するべきだ」と語る堀井さん。今回はそんな堀井さんのキャリアと作詞論を伺うとともに、積極的に副業をすることで得られるメリットについて伺いました。
<プロフィール>
堀井亮佑さん
『龍が如く7 光と闇の行方』ディレクター/作詞家小学生の時にロックバンド・BUCK-TICKと出会って以来、音楽に夢中になり、高校・大学とバンド活動、楽曲の作詞に力を入れる。大学を卒業後、株式会社セガへ入社。入社以来、
同社の人気タイトル『龍が如く』シリーズの制作に携わる。シリーズ内の人気コンテンツである「カラオケ」では、企画・ゲームデザインだけでなく、楽曲の作詞から演出、振り付けまで担当する。現在は『龍が如く』シリーズのディレクター・ゲームクリエイターとして活躍する傍ら、副業作詞家としても活動を開始。
堀井亮佑さん
『龍が如く7 光と闇の行方』ディレクター/作詞家小学生の時にロックバンド・BUCK-TICKと出会って以来、音楽に夢中になり、高校・大学とバンド活動、楽曲の作詞に力を入れる。大学を卒業後、株式会社セガへ入社。入社以来、
同社の人気タイトル『龍が如く』シリーズの制作に携わる。シリーズ内の人気コンテンツである「カラオケ」では、企画・ゲームデザインだけでなく、楽曲の作詞から演出、振り付けまで担当する。現在は『龍が如く』シリーズのディレクター・ゲームクリエイターとして活躍する傍ら、副業作詞家としても活動を開始。
ゲームならシナリオもサウンドも、まるっとできる!? 人気コーナー「カラオケ」と、作詞家・堀井亮佑の誕生秘話
――まずはこれまでの経歴についてお聞きしたいのですが、音楽に興味を持たれたのはいつ頃なのでしょうか?
堀井さん
自分でCDを買い始めたのは小学3年生の時ですね。いわゆるJ-POPが大好きになったので、そこからお小遣いを貯めてはCDを買いまくっていました。最初は当時流行っていたとんねるずとかを聴いていたんですが、徐々にWANDSやT-BOLANといったロック寄りの楽曲が好きになり、最終的にはBUCK-TICKに出会って衝撃を受けて。そこから本格的にロックに目覚め、中学時代からバンドを始めました。僕はボーカルをやっていたので、自然と作詞もするようになっていきました。以降、高校大学と、時代によって活動量の波はありましたが、バンドを続けながら作詞や楽曲制作をしていました。
自分でCDを買い始めたのは小学3年生の時ですね。いわゆるJ-POPが大好きになったので、そこからお小遣いを貯めてはCDを買いまくっていました。最初は当時流行っていたとんねるずとかを聴いていたんですが、徐々にWANDSやT-BOLANといったロック寄りの楽曲が好きになり、最終的にはBUCK-TICKに出会って衝撃を受けて。そこから本格的にロックに目覚め、中学時代からバンドを始めました。僕はボーカルをやっていたので、自然と作詞もするようになっていきました。以降、高校大学と、時代によって活動量の波はありましたが、バンドを続けながら作詞や楽曲制作をしていました。
――そこからなぜ株式会社セガ(以下、セガ)へ入社を決めたのでしょう?
堀井さん
大学時代、学内で1番大きな出版サークルで編集長をしつつ、学祭では実行委員をやっていたんですが、その時に「みんなで1つのものを作る楽しさ」を改めて知ったので、何かものづくりやクリエイティブなことができる仕事に就きたい、と思っていました。僕は音楽はもちろんですが、エンターテインメント全般が大好きでしたので、入るなら映画、音楽、ゲームなどのエンターテインメント系がいいな、と。ただ、映画配給会社や音楽系の会社は、当時は総合職での募集がほとんどで、入社してから希望するクリエイティブ系の仕事ができるかどうか分からなかったんですね。配属先によっては自分のやりたいと思える仕事に就けないかもしれない。そんな中、セガをはじめゲーム業界の会社は明確に職種ごとの募集をしていて、入社のタイミングから「ゲームプランナー」という職種を選択することができたので、そこに強い魅力を感じました。また、ゲームという媒体に表現する場としての魅力を感じたことも理由の1つです。当時はPlayStation®2の最盛期で、グラフィック表現が大幅に向上したことから、映画のような作家性の溢れる作品が次々にリリースされていました。PlayStation®3も予定されているみたいだし、ゲーム業界はこれからもっともっといろいろな表現ができる場になるだろうな、と。僕は音楽もそれだけで食えるほどの技術があるわけでもないし、映像やシナリオの学校に通っていたわけでもない。でも音楽にも関わりたいし、映画みたいに心を動かすドラマも作りたいし、シナリオも書いたりしてみたい。そんな僕にとって、音楽も映像も含めて様々な文化が凝縮されている、総合芸術みたいな「ゲーム」はとても魅力的に映ったんです。ここに入れば安定したお給料をもらいながら、僕の好きなものがまるっと全部かじれるんじゃないかな、と(笑)。
大学時代、学内で1番大きな出版サークルで編集長をしつつ、学祭では実行委員をやっていたんですが、その時に「みんなで1つのものを作る楽しさ」を改めて知ったので、何かものづくりやクリエイティブなことができる仕事に就きたい、と思っていました。僕は音楽はもちろんですが、エンターテインメント全般が大好きでしたので、入るなら映画、音楽、ゲームなどのエンターテインメント系がいいな、と。ただ、映画配給会社や音楽系の会社は、当時は総合職での募集がほとんどで、入社してから希望するクリエイティブ系の仕事ができるかどうか分からなかったんですね。配属先によっては自分のやりたいと思える仕事に就けないかもしれない。そんな中、セガをはじめゲーム業界の会社は明確に職種ごとの募集をしていて、入社のタイミングから「ゲームプランナー」という職種を選択することができたので、そこに強い魅力を感じました。また、ゲームという媒体に表現する場としての魅力を感じたことも理由の1つです。当時はPlayStation®2の最盛期で、グラフィック表現が大幅に向上したことから、映画のような作家性の溢れる作品が次々にリリースされていました。PlayStation®3も予定されているみたいだし、ゲーム業界はこれからもっともっといろいろな表現ができる場になるだろうな、と。僕は音楽もそれだけで食えるほどの技術があるわけでもないし、映像やシナリオの学校に通っていたわけでもない。でも音楽にも関わりたいし、映画みたいに心を動かすドラマも作りたいし、シナリオも書いたりしてみたい。そんな僕にとって、音楽も映像も含めて様々な文化が凝縮されている、総合芸術みたいな「ゲーム」はとても魅力的に映ったんです。ここに入れば安定したお給料をもらいながら、僕の好きなものがまるっと全部かじれるんじゃないかな、と(笑)。
――それでセガに入社したと。『龍が如く』シリーズの人気コーナー「カラオケ」(※)は堀井さんが発案して、ほぼ全ての楽曲の作詞も担当されているそうですね。
※『龍が如く』内で登場する、リズムミニゲーム。ハードボイルドな主人公・桐生一馬やその他主要キャラクターたちが、普段とは明らかに異なるノリで「合いの手」を入れることが人気となり、2009年発売の『龍が如く3』以降、恒例のコーナーとなった。
堀井さん
はい。入社して3年目に提案しました。やはり自分の中の音楽への情熱を抑えきれなくて……!なんとか『龍が如く』という枠組みの中で、自分のやりたい表現活動を入れられないかなと考えた末に辿り着いたのがこの形でした。リズムゲームを入れられたら音楽に携われる。自分で企画提案して担当ごと任されれば、あわよくば楽曲の作詞とかもできるかもしれないぞ、と(笑)。結果的に提案も無事通り、担当も任されて。以降「カラオケ」では、ゲームシステムの仕様から楽曲コンセプト、振り付け演出など諸々を担当しています。作詞に関してもほぼ全ての楽曲を手掛けさせてもらっています。
はい。入社して3年目に提案しました。やはり自分の中の音楽への情熱を抑えきれなくて……!なんとか『龍が如く』という枠組みの中で、自分のやりたい表現活動を入れられないかなと考えた末に辿り着いたのがこの形でした。リズムゲームを入れられたら音楽に携われる。自分で企画提案して担当ごと任されれば、あわよくば楽曲の作詞とかもできるかもしれないぞ、と(笑)。結果的に提案も無事通り、担当も任されて。以降「カラオケ」では、ゲームシステムの仕様から楽曲コンセプト、振り付け演出など諸々を担当しています。作詞に関してもほぼ全ての楽曲を手掛けさせてもらっています。